投稿元:
レビューを見る
ノンフィクション作品のような、重さを持った小説。
父親とともに失踪した児童を探す過程で知る、この世界の暗部。その中で葛藤しながら辿り着く想い。
最後に描かれる本当に微かな光に僅かながら救われる。
投稿元:
レビューを見る
居所不明児童という言葉は聞いたことあるが、社会の闇と称されるほど対象者が多いということを知らなかった。親になるってどういうことか、なる前に一度きちんと考えることが大事。
投稿元:
レビューを見る
居所不明児童をテーマにした小説。
・直が自分の子どもを持ちたくないという思うきっかけが希薄
・居所不明児童だけではなく、若者のホームレス、児童買春(JKビジネス)、待機児童、出生前診断、いろいろな問題に触れているが、どれも消化不良な感じ
・直の恋人祥子も、自分を持ったいい人だと思うのだが、なぜか感情移入しにくかった
全体としておもしろく(興味深く)読めるのだが、新聞記事の詳しい版といった印象を受けた。
投稿元:
レビューを見る
ニュースで何と無くしか知らなかった居所不明児童。正しく導くべき大人が最大の敵になる悲しさ。覚悟して、望んで授かった子でさえ辛くてモンスターのように思う時があるのに、そうじゃなければ虐待に繋がるのなんて簡単すぎて。機能しない社会のシステム。そんな中で乗り越える術を身に付け、社会に出ていける子供は奇跡に近いんじゃないだろうか。作品中の、自ら男の所に行く少女達に罪はないけれど、いつか間違ってると教えてくれる存在に出会えますように。やがて大人になって子供を…そうなる前の若い人にこそ読んで欲しい一冊でした。
投稿元:
レビューを見る
まさしく、根のない漂う子どもの話だった。
失業、離婚、育児放棄、虐待、親の影響をまともに受ける子ども達。
これって特別なことでなく、何かの弾みで、何かがきっかけで
どの家庭にも起こることなのかもしれない。
そんな危険性をはらんだ家庭はどの学校にもどのクラスにもある。
そんな危機感をもつ作品だった。
血ではなく繋がりで愛情を与えてくれる大人に出会えたら、救われる子どもたちも
いるだろう。親以外の人に「助けて!」って言っていいんだよ、と言ってあげたい。
投稿元:
レビューを見る
楽しみに待っていた著者の2作目。今回は親から虐待を受ける子供たちがテーマでした。自分は子供は持たないと頑なに決めていた直は、恋人の祥子から妊娠を告げられる。動揺する直だが、父親と共に行方不明となった祥子の教え子を探すことに。児童相談所やNPOの職員から教わる子供達の悲惨な現状。テレビ等からは知ることのなかった子供達を取り巻く様々な闇も直の目を通して伝わってくる。そんなリアルな部分だけてなく、教え子探しをする中で心を揺さぶられる直のストーリーも、どういう決断をするのか最後までハラハラさせられた。子供を欲しない理由は少し分かりづらかったかな、今後がますます楽しみな作家さんです。
投稿元:
レビューを見る
丸山正樹さんの作品2作目。いずれの小説もよくもこれほど上手に物事を嚙み砕き、柔らかくして与えてくれるものだと感心しきりです。
タイトル通り世の中に漂う子供の存在に焦点を当てています。児童養護施設に入ることもかなわない、場合によったら戸籍すらない子供たち。。。辛すぎる現実ではあるけれど、知ってよかったと思う。
直の葛藤はひどいといえば、ひどいけど、分かる気がして、自分の心情に重ねて読んだ。
投稿元:
レビューを見る
重い話だし、どうしてそんなにみんなあっさり協力的なんだろう?というご都合主義っぽさがなくもないけど、
日本が抱える矛盾や問題に、エンタメを使って切り込んでいく姿勢が素晴らしいと思う。
「居所不明児童」と呼ばれる、住民票も抹消されどの調査の対象にもなることのない児童が日本に100名以上存在するとは衝撃。
他にも未成年の売春や、児童虐待、養子や中絶、児童ポルノなど、さまざまな問題が取り上げられていて、実際新聞で目にした覚えのある事件について言及されていたりするので、この小説の中にあるいくつかは、事実か、ほとんど事実に基づいているのだと思う。
不本意ながら居所不明児童の行方を追うことになった主人公自身も決して熱血漢などではなくて矛盾や弱さを抱えているところもリアルだった。
世に出るべくして出た小説なんだなと思う。
投稿元:
レビューを見る
『デフ・ヴォイス』の丸山さんの新作とあって期待が大きかった分、今回のテーマ“居所不明児童”が重すぎて単純に好きになれなかったのが★を少ない理由です。
決してこの作品自体がよくないと言うわけではありません。
教師である恋人の教え子が突然行方不明になったため、代わりに探す中次々と浮上する子供たちの実態。
現実にかなりあることだと思うと、本当に心が痛みます。世間からは白い目で見られる行いも、親や社会を頼れず自分で生きていくしかない子供たちの選択肢。
並行して自身の屈折した親子関係から頑なに子供を持ちたくないと思う主人公と恋人との関係。
子供とは、親になると言うことは。そこにも焦点を当てつつミステリーとして見事に描かれていると思います。
ただ、テーマがテーマだけに・・・
気持ちが沈んでしまいました。
投稿元:
レビューを見る
カメラマンの直が恋人・祥子の教え子を探すことになった。「居所不明児童」「消えた子どもたち」その実態を知れば知るほど、直の心は重くなっていく。
〈消えてしまっても誰も悲しまない命の軽さ〉
その命を守るためにできることは?
簡単に答えは出ない。
前作『デフ・ヴォイス』に出てきた”ある人”が
今作『漂う子』にも登場。
(ネタバレになるので誰かは書きませんが)。
なぜか、好きなんだなぁ、彼のこと。
重いテーマの『漂う子』だけれど
彼の名前を見て、少しだけホッとした。
投稿元:
レビューを見る
居住不明児童とは…住民票に記載されているのに居場所がわからない児童のこと。
子供を持つのがなんとなく怖いと思うフリーカメラマンの直。彼女の祥子は小学校の教師。ある日、祥子に子供ができたことを知る。そんなある日、祥子の生徒で不明となっている女児の行方を祥子の代わりに捜すことを引き受ける。そこで直は生きていくために体を売る少女たちに出会い…。
子供は親を選ぶことができない。
どんな親だったとしても子供はそこに愛を信じる。
子供にとっては親は愛。
それがどんなクズ親だったとしても。
投稿元:
レビューを見る
居所不明児童が主題となってる本で彼らがどういう人たちなのかが簡単に書かれていて、その人たちの生き方や経験などがよく伝わってくる作品だった。
子供たちの考えと大人の考えが少し違っていてそれが愛されていなかった子供と愛してもらっていた子供の違いにもなるんじゃないかと思う。
これに関しては居場所のない子供たちが何人、何万っているのが悲しい事実で子供が生まれたから親になれるんじゃなくて、自分から変わらないと親にはなれない、周りが変わるんじゃなくて自分が変わらないと何も変わらない。
投稿元:
レビューを見る
これは小説の中の話だけだと思いたい。
だけども現実にある話なんだろうなぁと暗い気持ちになるけど、主人公のカメラマンの気持ちの動きが救いになります。
投稿元:
レビューを見る
居所不明児、無戸籍や、虐待や、いろんな子どもがいることに気づかされ、こわくなる。
今、この時間も、安穏としていられない子がたくさんいるのだ!
物語はそれぞれが何かしら親との関わりに闇を持つ教師の女性と、カメラマンの恋人。
二人が少女を探す中で、互いの内面や、未来に心を寄せて行く。
最後は寄り添って生きようと決め、よかった。
投稿元:
レビューを見る
居所不明児童。
親が子供を虐待、放置してしまうことや、産み捨ててしまうこと。
考えさせられる内容だった。
物語でしたが、ノンフィクションに近い内容なのだと思った。
たまたま、
ケーキの切れない非行少年たち→
i(西加奈子)→
漂う子 読んだのだけれど、
すっごく考えさせられた。
我が子たちが元気に笑って生きていけますように。そして大人になっても背中に家族を感じ、出来ることなら新しい家族も迎えて笑顔で生きていけますように。