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素晴らしい。
同じここで、この場所で、遥か昔にも遥か未来にも、泣いたり笑ったり口説いたり忘れたり生まれたり死んだり。
1つの家族にも人類にも地球にも大陸にも、歴史がある。
全ての生命は、来て、そして去って行く。
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ひとつの部屋に視線を固定し、過去は35億年前から、未来は22000年までの風景を時間を前後させながらイラストで見せた本。とは言っても、1990~2000年代の風景が多い。発想がきわめてユニーク。オールカラーで色遣いもきれい。本の紙質も良い。判型がもう少し大きければ、アート画集としても成立すると思った。
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普遍的なものは、時と場所。人類史前から220世紀まで、地球があればだが、ここはいつもここ。時間を超越するのは場所。
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今、実際に本を手にして、確かにスゴイと私も思います。ただこのビジュアルは、コミック形式ではあるけれど、書物である必要があるのか?とも思ってしまいます。例えば、長い通路かトンネルに次から次に現れる映像であってはいけないのか?などと夢想してしまします。
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30億年もの遠い過去から、2万年も未来まで、ある部屋の定点風景をひたすら描写するアートブック。
長谷川さん(ド嬢)が勧めていたので図書館で借りてきた。
遠藤「永遠みたいな時間の中 机の下のこの小さなスペースで本を読んでいるのは
今この瞬間の僕ら 二人だけかもしれないよね…」
っていう気分が味わえる。
アート!って感じはすごい。
年代別の登場人物を丁寧に追ったら面白いのかも。
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同じ場所のいろいろな時代の一場面を切り取ってランダムに(でも同じようなシチュエーションであることもある)並べた不思議な味わいのグラフィック・ノヴェル。
切り離し、並べ替えることで歴史というものの連続性をあらためて意識させられる。あとがきを読むと全くのフィクションというわけでもなく、実際に著者が体験したことや、ベンジャミン・フランクリンの逸話が挿入されていたり、ネイティブアメリカンが出てきたりとリアルな土地の記憶も描いている。
時系列順に並べ直してみたいけれど大変そう。凝ってるなあとただただ関心。
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「ここ」はアメリカの郊外に建てられた住宅の一室。この本の各ページは,その場所で起きたことを言わば固定カメラ的にイラスト化(アメリカン・コミック化と言うべきか)し,西暦を付記しただけ。古くは紀元前30億年,新しくは紀元22175年の未来。時系列に並べられてはいない。フルカラー300ページ余。まだ原野だった時代,入植時代,家族の歴史(おそらく住人は途中で入れ替わっている),壁紙の変遷,時を経て変わるもの・変わらないもの。私が知る限り最もスパンの長い壮大な叙事詩。
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ポール・オースターの『オーギーレンのクリスマスストーリー』の中でブルックリンの街角をカメラで毎日同じ時間何十年も撮影し続けるという話があった。語り手はその撮影された大量の写真を丁寧にじっくりと観るのだけれど、それは観るというよりも読むという行為にとても似ているように感じられた。その一連の写真が意味するのは、歴史的連続性であり、経年変化であり、あるいはより適切な言い回しが許されるならば、それこそ物語というものだろう。つまり定点観測とは、自ずと物語自動生成機能を備えているといってもいいかもしれない。リチャードマグワイアが『HERE』で試みたこともこれに近い。グラフィックノベルという形態にしてはこの作品は非常に寡黙だが、一読してわかるように情報量はかなり多い。その夥しい情報量は、けれども決して難読を助長しているわけではなく、むしろ物語の豊穣さを意味しているようだ。舞台は一つの部屋であって、長大な時間の流れの中で、さまざまな時代の風景や人間模様が映し出される。そしてそこには読者が物語を読み取る自由が溢れかえっている。観るのではなく、読むという行為。さまざまな時代のさまざまな人々が同じような韻を踏みながら歴史は続き、無数の物語が紡がれていく。何かを許すわけでもなく、裁くわけでもなく、生成される物語はひたすら広大で深淵な自由に満ちている。
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はるか過去からはるか未来までの時間軸で、同じ視点をきりとる。それをランダムに見せるビジュアルブック。表層的な出来事の奥底にある、なんだか神秘的な思考みたいなものが、伝わるような気が、するやらしないやら。なかなかおもしろい本でありました。【2019年2月5日読了】
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1つの視点から色んな時代の風景を眺めている。
一部分の風景を切り取って、異なった時間の風景を貼り付けることで同じ場所にいながら過去の時間軸で起こった出来事や、未来の出来事が同時に再生されていく。
まるで電車の窓から外を眺めているように、ページを進めるごとに移ろっていく風景や人々の会話を聞いていると、壮大なタイムトラベルをしているような感覚になれる。
イラスト集でもフォトアルバムでも漫画でもない斬新な表現のビジュアルブックとして、とても新鮮でした。
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ある場所(家)に宿る記憶を、定点的に時代を超えて眺めることができる。何度も読むと、人間の寿命を超えた遥かなる地球の時間の流れがもっと捉えられるかも。
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ある一つの場所の定点観測をひたすら観続けるという不思議な読み物でした。ストーリーはそれほど無いような、ちょっとSFちっくになる部分でおっ!っと思ったり、何しろ読んだ事のない読後感。現実の部屋を使ってインスタレーション作品にしたら面白いのではと思ったりしました。
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本書はまるで、地球誕生からずーっと定点カメラで捉えた映像を年代を超えて垣間見ているような作品。漫画であり、アート作品とも言える。ある風景をこんなふうに眺めることなど、現実世界ではあり得ないし、想像の跳ねを広げてもここまで壮大な景色を見ることはないので、新しい経験を得られる作品とも言える。読む人を選ぶものかもしれない。
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私がずっとここにいて、あらゆる時代を見つめ続けているような感じ。時代は飛び飛びであったりするものの、共鳴するかのように同じような事柄が展開することもある。解説が詳しいのでそちらに譲るとして、視点が固定なため、読んでいる自分が置き去りにされている感がすごい。