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新聞の読書蘭で見て興味を覚え借りてみました。
確かに、日本の貴族社会を描いていると思いましたが、それに対する憧れは全然感じませんでした。
主人公華子が暗いので、読んでいる私も終盤まで暗い思いの中で面白そうという感想だったから借りたのに、全然面白くないじゃない、みたいな感じで不満たらたらでした。
でも、最後に自分の考えを言えない華子があっという間に離婚届けを出して、離婚し、その後、自分に合った仕事を見つけて、その生活をエンジョイしているところが救われました。
最後はスカッとして良かったです。
逆に、華々しい生活をしているはずの元夫の方が、嫌でもその生活を守らなければならない息苦しさを感じていて、平民で良かったなんて思ってしまいました。
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思い出したくもないことをたくさん思い出した。地方から上京して大学に入学したときのこと、就職したときのこと、それまで出会ったこともない「階級」の人たちと話をして劣等感を抱いたこと、無駄に卑屈になって、萎縮して、自然体でいられない、居心地の悪さを感じたことも多々あった。それはこの物語でいうところの「テリトリーを広げる」ということだったのかもしれず、それはいつも痛みを伴う。でもそういうのって20代だけの話で、今、違う階級の人に出会っても、他人は他人、自分は自分、と流すことができるだろう。それはなぜか?諦めたり、割り切ったり、社会と折り合いをつけるということに慣れたからだろうか?
地方出身者というアイデンティティなんてずっと忘れていた。今、痛感させられるのは、実家が遠くて子育てに協力を得られない、ということくらいだ。田舎にとどまるでもなく、東京生まれ東京育ちで閉鎖的な社会で生きるのでもなく、地方出身の上京した身が、とてつもなく自由だということ、人もうらやむ上流階級の人たちが実はひどく閉鎖的な世界で生きている、あるいは生きねばならない、ということ、それらは新しい発見だった。
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きっと今このタイミングで読まなければ、ここまで心に来ることはなかっただろう。松濤のお嬢様である27才の華子と、地方からの叩き上げである32才の美紀、それぞれの視点からある一人の男性に纏わる絡み。内容はあらすじのとおり。華子の気持ちにどんのめりしながら読んだ。当たり前、と思っていたことが当たり前ではなかったこと。学校を卒業して、腰掛けで働いて、恋人と結婚して、子供を産んで、家庭を守りながら生きていく。そんな「当たり前」が、当たり前だと想っていたそれが、当たり前に手の中に入ってこないことに気付き、焦り、焦燥する。
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読後感はとても爽やかだけれど 、 少しできすぎな感は
ある 。 東京純粋培養の華子さんと 貧しい家から上京した美紀さんと 間を媒介する 越境者の 相楽 さんの キャラは とても 魅力的なんだけど 便利すぎて 物語の 1装置に
見えてしまうようなところがある 。 できればこのキャラをもっとじっくり描いてもらえたら さらに深みが出たかもしれないなとは 思う 。
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現代の女性、それも平均からは遠い世界に住む女性を半ばコミカルに描きつつ、日本の30歳前後の女性一般の現状や悩みを浮き彫りにしている。東京の上流階級に属する人たちが本当にこのような人たちなのか、実際のところは分からないが、インナーサークルに閉じた世界という、いかにもありそうな話に仕立てられていて、何となく納得してしまう。そういえば、畑野智美の「感情8号線」にも、似たような世界がちらりと描かれていた。
それにしても、こういう本を読むと、慶応義塾大学には行きたくなくなる。著者の意図は違うのだろうが、アンチ慶応の本のように思う人もいるだろう。
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慶應義塾大学に代表されるなんだか嫌な現代貴族の有り様。財界の血の濃さ。
読んでみようと思わせるに充分な、題材、書き出し。
しかし、読み進めるにつれ、空疎な展開に。
挙句、女性を分断しようとする、男の策略が巡らされている。みたいな、陰謀史観まで飛び出す始末。
残念。
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東京の山の手で貴族然と暮らす家柄の良い華子の人生と、地方出身で一流大学に入るも経済的な理由で夜の女になった美紀の人生を対比させながら、女の生き方を描いた作品。東京の(郊外の)核家族で育った私には土着の気持ちが分かり辛いのですが、家に束縛される人生が生まれた時から決まっているのも哀れです。それは地方も東京も同じこと。自由に生きる権利を持って生まれることは幸運なのかもしれません。生まれがどうあれ自分次第で人は変われる、そんなラストにホッとしました。
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前半、ふたりの女性主人公がイタすぎてつらかったけれども、ラストは爽やか。現実にはこんなにうまくいかないだろうけど、希望を捨てずに若い人が頑張るためのエール本。
詳細描写も気が利いてる!
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「日本は格差社会なんじゃなくて、昔からずっと変わらず、階級社会だったんだ」
あまりにも今の年齢と重なって耳に痛いシーンばかりだったけど、どんな女性でも変われるって山内さんからのメッセージなのかな。ファンタジーぐらいかけ離れて感じる貴族の世界が現実にもあるんだよね。関わったことがないから分からないけど。
結末は現実はこんなうまくはいかないだろって感じたけど世界は広いっていうのは納得。
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知らない世界の人たちの話。
面白かった。
書評で知って面白そうなので図書館に予約。かなり待って届いた。
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小説なんだけどノンフィクションのようにも読める小説。ただ現実と違うのは主人公たちが自分のダメなところを客観的に理解して、また自分の意志をきちんと持って行動に移してるところかな。
きっと現実は不満を持っていても深く物事を考えずに自分がいる場所を甘んじて受け入れるだろうから。
後味も悪くない爽やかな20代後半向けの小説です。
東京って、セレブから一般人から色んな人が色んなこと考えて周りに影響を大きく受けながらそれなりの自分の場所見つけて生きてくところ。
印象に残った部分は以下。
世の中にはね、女同士を分断する価値観みたいなものが、あまりにも普通にまかり通ってて、しかも実は、誰よりも女の子自身が、そういう考え方に染まっちゃってるの。
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実家が東京にあるお金持ちのお嬢様と地方から大学進学を機に東京暮らしを始めた女性が、ひょんな事からつながる物語。お金持ちの人々の生活描写は細かく楽しめました。全体としてはありがちな流れ。タイプの違う女性がすんなり理解し合えたのは非現実的な感じ…
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こちら側の世界の住人・華子と
こちら側ではない世界の美紀。
その二人を繋ぐ男性・青木幸一郎。
東京と地方。
特権階級の世界と一般庶民の世界。
お嬢様と水商売を経験した女性。
色々な対比があり、世界があり、面白かった。
東京の一部特権階級には今も昔も変わらない特別な世界が広がっているんだろうな。
生まれながらにして高い位置に居て、そうでない人達とはスタートラインが違う。そうでない人間がどう努力しても叶わない世界が存在する。
だからと言ってその人達が必ずしも幸せとは限らず、それぞれの苦悩はあるんだろう。
そして、求めているものは一般庶民と変わらず、自分らしく生きること。
華子と美紀、幸一郎。
設楽さんと平田さん。
それぞれの道を自分らしく歩んでいって欲しい。
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中高一貫のプロテスタント系私立で親近感
まぁそうだったの?は、まぁあなたも同じ世界の人間だったの?
革靴に栄養が行き届いてるかどうか
真面目は便利、ぼーっと座ってれば得られる称号
ジョブズの話最高
なんともいえず排他的
安易に近づけない威圧感
生まれた瞬間から途方もなく大きな水をあけられている
育ちの良さと幅広い経験に裏打ちされた堂々たる振る舞い
自分達の世界が中枢であること隠している
日本は格差社会でなく階級社会
政治家の名前は徳ない人でも書ける簡単な名前
〈新語〉
ノンシャラン
安普請
相好を崩す
世故に長ける
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東京のいいとこの娘として
何不自由なくまっすぐ育った主人公華子の結婚にまつわる物語。
何代も前から東京にしか住んだことない家の人と
死ぬ思いで勉強して、地方から東京の大学に出てきた人
そりゃ人生観というか生き方というか
重なりゃしないよね