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投稿者:ハム - この投稿者のレビュー一覧を見る
社会学って、そもそも一体何なのかというのは、テレビを見ていても疑問だったので、この本を読んでよくわかりました。
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【タイトルに偽りなし。古市君が社会学者たちに、文字通り“あなた、ちゃんと研究しなさい”と指導されます】
お馴染みの“社会学者”古市氏が、12名の気鋭の社会学者たちに以下の質問を問い、教えを請うやりとりの対話集です。
・社会学とは何か
・社会学の目的とは何か
・社会学は何の役に立つのか
社会学に明るくない人にもわかりやすい受け答えで語られており、また社会学の定義や目的も様々な研究者により多角的に説明されています。社会学の意義、全体像、社会学が取り扱う領域への理解は、この1冊でも大分深まります。何より、「社会学って何か面白そうだな」と思わせるあたり、そこらの基礎テキストより効果的な入門書かもしれません。出て来る12人の先生のキャラも立っていて、古市君がまさかの素直でおとなしい聞き手とは驚きました笑。社会学が、他と比べて人の個性に影響を受ける学問、という示唆も頷けます。
「社会学とは何か?」との問いひとつに対しても、先生方の社会学の定義が様々であることから見て、社会学という学問が捉えづらいものであること、そして色々な意味で若く、他と境界線の引きにくい分野であることが窺えました。
以前から、大きな事件が起こるとテレビに現れる社会学者のコメントは、なんとなく“敢えて斜め上を行く”ような“穿った”視点ばかりだな、と感じていましたが、上野千鶴子先生の「社会学は常識の関節外し、普通の人が当たり前のように信じていることを素直に信じない。常に疑ってかかるから、シニカルになる」という話に、そもそも学問が持つアプローチ特性によるものなのだ、と合点がいきました。また、慶応の小熊先生初め何人かの方が「社会学は政治学や経済学、法学の後の残余項目」と認識されていることも、結果として経済や政治の立場で語れない社会変化が起こると、メディアにとって社会学者は使い勝手が良い(=シャーマン)存在なのだ、と納得です。
ですが、それより何より面白かったのは、この本の「裏のテーマ」です。
読んでいて、あー・・と思いましたが、この企画の「社会学の基本を教えてもらう」というのは、表の目的です。
何のことはない、裏テーマは、古市氏(君)の世間での発言やふるまいに、社会学者の先生方が真っ当な注文を浴びせかけるという、指導の実況中継。「博論なんて本当に書いたほうが良いんですかね・・」と煮え切らない同氏に対して、社会学者たちが「あんた、ちゃんと研究しなさいよ」と手厳しくツッコミを入れる、という構図の面白さです。
特に佐藤先生、上野先生、仁平先生のツッコミが鋭い・・!皆さん、「真っ当な研究も重ねていないのに、メディアで予言者を気取るな」と言わんばかりのご指導です。まるで研究室を除いているかのような錯覚を覚えました。そして何より驚いたのが、古市氏自体もまえがき、あとがきでそれを認めてしまっています。
「社会学が面白いことは知っているが、明確に社会学を規定し、流ちょうな説明が出来るわけではない。社会学者という肩書も、通りがいいから使っているに過ぎない。(p.7)」
「・・・「若者」を肩書にするわ��にもいかないので、いつのころからか肩書が社会学者になっていった。初めは抵抗があったものの、代替案が見つからないので今日まで使い続けている(p.308)」
認めてしまうあたり素直な感じが若干拍子抜けですが、一方で古市氏のポテンシャルやメディアミックスの上手さ、若者の理解者というポジション取り、社会学の広報マンとしての動きなどは、先生方からも一定の評価を得ているようです。だからこそ、ちゃんと研究して真っ当に勝負しなさい、と殆どの教員から諭されており・・・そのやりとりがリアルで、大変面白く読ませていただきました。
仁平先生に至っては、「社会学者たちを担ぎ出したのも古市氏自身のブランド戦略なのでは・・?」と、これまた鋭いツッコミ。勉強になります。
本のタイトルは単なるキャッチコピー、くらいに思っていましたが。まさか出版物で本当に指導の一端を垣間見るなんて・・・
なかなかないという意味でも、一粒で二度おいしい「入門書」です。
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期待してなかったけど結構有益。
社会学かじってないひとにはやや話がわからないと思う箇所もありそうだが。鈴木謙介のとことかおもろかった
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社会学を勉強し始めた人の資料集の為のガイダンス。
文中にもあるが、問題提起して不安にして「で?」ということが多々ある社会学のイメージに対しての単純明快な答えはない。むしろ社会学とはそういう学問だということを一読すると益々納得させられる。
自分の選ぶ興味分野を多少勉強してからまた読むと、また勉強したい、拡げたいと思えるような本だと思う。
近代化の中で、政治学経済学などからあぶれた部分を社会学とまるっとまとめて、その中でグランドセオリーが生まれて日本では宮台さん大澤さんが継承し、そこから分化した分野の文脈の上で研究して提示するのと、フィールドワークを中心に現代をリアリティに大衆に提示するのと別れるのかなと。
どの学者も言っていたが、古典を勉強することは大事だと。最初に見たものを親と認識するかのように、ベースに何があるか?はとても大事なよう。
しかし我々学者じゃない人間は、自分と自分と関わるところで、どれだけ活用出来るか?が直近で欲しいところ。その為には、限られた時間の中で選択の重要性は、とても大事だと思う。
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社会学をゼロから学びたいという人にオススメ。対談形式なので読みやすい。「社会学とは何か」ついて、しつこく考える。12人の社会学者が語る社会学。それぞれの個性も垣間見え、面白い。
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インタビュー対象の社会学者のメンツが驚きである。古市氏が巧みにインタビューを引き出しているのか、溢れる知に依存しているかわからないが、非常に面白い本であった。
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雑誌の連載、12人の社会学者に「社会学とは何か」を古市くんが聞きに行く。抜群におもしろかった。通勤途中に1日2人分ずつ、1週間ほどで読んだ。一番は本田由紀さんかな。爆笑問題が意地悪な質問とかして、そのときの印象で、その後読まなかったけれど、今度ブックオフに行ったら、あるだけ買って読んでみたいな。僕自身は、この世の中にそれほど危機感を感じていないけれど、この人が言う危機感がどういうもので、そこから抜け出す策を読んでみたい。開沼さんの「原発廃炉図鑑」も見たいし、小熊さんのバンドも聴いてみたい。橋爪・大澤コンビの日本論も、やっぱり読みたくなって本日購入。上野先生には、タジタジですね。クーンの本読んでないなとか、やっぱりアメリカに行けとか。さあ、古市くん、どうするのかな。
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若手社会学者の肩書を持つ、古市憲寿が12人の社会学者と対談する。最初に聞く質問が、
「社会学ってなんですか?」
というもの。
各人それぞれの社会学の定義を持っているが、その中で橋爪大三郎の定義が一番すんなり受け止められた。
いわく、社会科学の成立と同時に社会学は誕生した。
政府とは何か、法律とは何かを考え始めたら政治学ができた。
市場がだんだん一般的になるにつれて経済学ができた。
政治学も、経済学も扱わない「社会」というものについて、社会を丸ごと考察する社会学が誕生した。
つまり、特定分野の社会科学が誕生していった結果の残り物が社会学である。
そして、特定分野のタコツボ化が進み社会学は細分化している。
実のところ、今必要とされる学問は社会学ではないかと思っている。
イギリスのEU離脱、アメリカのトランプ現象、それに韓国大統領に対する怒りの声、EUの右傾化、
新聞やTVメディアのエスタブリッシュメントは、これらの現象を見抜けなかった。
その理由は、経済学や政治学に基づきすぎたのであって、経済からも政治からも見放された人たちの分野を見過ごしたからではないのか。
そこに光を当てるのが、社会学だと思う。
最新のテクノロジーを扱う理系分野にも社会学は必要だ。
新しい製品、新しい技術が社会にどのような変革、影響を与えるのかを技術者は自問するべきだ。
そして、社会をより良くする技術を生み出すことが技術者に求められる。
理系から言わせると、文系学問は胡散臭い。
現実にないものをこねくり回して、理論を生み出している。
しかし、理系は専門化しすぎて技術が社会に与える影響を俯瞰することができていないのではないか。
理想を言えば、理系と文系の融合。
社会全体を俯瞰しながら、社会に良い影響を与える技術を生み出すことができる人材が必要だ。
社会学とは何か。
漠然としすぎて分からないが、社会学者の数だけ社会学の定義があるというフワフワした学問、ということがわかった。
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「社会学って何?」と聞かれて答えに困ってしまうのは社会学出身者あるあるだと思うのですが、古市氏が、著名な社会学者に真正面からこの質問をぶつけていく本。
面白かった!
この本を読んでも、「社会学とは」を自分なりに簡潔に言葉にするのは難しいけれど、自分のバックグラウンドはやはり社会学なんだということは確かめられた。
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以前から面白くて社会学の本を読んでいたものの、同時にきわめて実態が掴みづらいと思っていた「社会学」という学問。
そして失礼ながら、著者をはじめ社会学者という肩書きを持つ人をメディアで見るたび、社会性を
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社会学部を卒業して長い年月が経ちますが、ほんのさわりの部分、その視点自分の血肉なっていたようです。
本書で多くの教授が語るように、社会学とは視点を得るものなんでしょう。何一つ変わらないものはないこと、現在の当たり前こそ消えることを前提に考えること。その視点は生きることをほんの少し楽にしてくれる
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西洋の社会学の大家ではなく、現代日本の社会学の第一人者と言える研究者を一手に取り扱った入門書という点ではなかなか珍しく、日本の社会学事情を概観するには良書。タイトルほど大御所の社会学者が寄ってたかって古市さんを説教するという訳ではなく(言いそうな人は言ってるけど)、逆に同業者(?)の彼に語る中で、各自の「熱い」問題意識が引き出されている感があり、意外と読み応えがあった。
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「社会学」を社会学する、という感じ。
久々の古市くん本。 いやぁ、同世代の社会学「者」でどんどん大物になっていってはるんやなぁ〜。
橋爪大三郎さんや上野千鶴子さん、宮台真司さんと、ビックネームがズラッと並んでた。
この本では、「社会学とは?」「社会とは?」をいろんな社会学者に問いかけに行くことで、この曖昧そうな言葉の輪郭を浮き彫りにしていこうとしていた。
また、「「あり得たかもしれない社会や自分を構想する力」に魅力を感じている」。というのは、何かすごく共感してしまった。
僕もひょんな理由からやったけど、大学で社会学を選んで未だによかったなぁと社会人になっても思い続けてるし、年齢を重ねるごとにその大切さが少しわかるようになって来てる気がする。
そんな時に、もう一度原点に戻り、じっくり社会学や考え方を考える機会をもらえたような気がした。
これからも折に触れてペラペラめくる教科書のような感じになりそうな一冊。
本当に変わってる人の集まりや、職人気質っぽい人が多いなと思っていた直感はどうやらあっていたようでした。笑
でも、それが本当にいいことやし、この変わり者の集まりがそれこそ役所仕事する人ばっかりみたいになれば、社会学が本当に終わったことを意味しているんやなとも思った。
僕も今日から「社会学者」と名乗れるかしら。笑
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古市憲寿さんが、主に「社会学とは何か?」について大物社会学者12人と対談した雑誌の連載を1冊にまとめた本。
古市さん含め、各人の社会学に対する距離感は、十人十色といったところ。役に立つ/立たないだけでも立場はだいぶ異なるようです。
社会学の大家たちが、社会学をどのように見ているかが分かるという点で、とても勉強になりました。
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対談集でわかりやすく書かれているし、気軽に読めそうな参考文献も多く掲載されていたので、再び社会学を学び直してみたくなった。
社会学は法学、政治学、経済学、文化人類学、経営学などの残余を取り扱われるものと改めて言われると
ほかにやることがあっても興味を持ち続けていければ取り組みやすい学問だし、社会の「違和感」を客観視しようとする学問の興味深さを思い出した。