紙の本
さいごの毛布
2024/02/27 12:07
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投稿者:かつみ - この投稿者のレビュー一覧を見る
犬の人間で言う老人介護施設なんてあるんだなと初めて知りました
我が家には犬ではないですが 猫がいます
やはり大事な家族です
猫に関係する小説はたまに買うのですが
犬に関係する小説は初めて購入しました
自分の母も3年前に 要介護5で施設で暮らして居ましたが、最後は眠るように亡くなりました
生き物は必ず死が訪れますが
この小説はお涙頂戴の内容ではなかったですが
家族と色々な理由があり 離れ離れになり
この老犬施設で色々な犬と暮らしてる
ある意味考え、思い、考えてさせられ
読みました
これからも 犬 猫の
最後までの世話 家族の一員として
どう向かい合うか、どう暮らしてるいくか
そんな様な小説が 世の中に沢山でてくれば
いいなと思います
紙の本
ブランケット
2022/08/09 19:16
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投稿者:もこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
犬が苦手な私が読みました。
子どもの頃から何度となく犬に吠えられ、野犬に追いかけられ、犬が怖くて苦手です。
今では、優しくしてくれる犬も出来ました。
お家で、優しくしてあげなさい。としっかり躾けられている様です。
それも踏まえて読みました。
犬達にもそれぞれ飼い主が居て、それぞれに家庭の事情があって、本当に賢いんだと改めて思いました。
犬だけでなく、飼われて居る家族同然のペット達が心穏やかに老後を過ごせると良いですね。
人間模様も、濃くなく薄くなく描かれていて、引き込まるお話でした。
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動物の無垢な愛。心無い人間に傷つけられても、それでもまだ信じ続ける姿に胸が締め付けられる。
あらすじ(背表紙より)
犬の最期を看取る「老犬ホーム」で働くことになった智美。初日から捨て犬を飼うことになってしまったり、脱走事件があったりと、トラブル続きの毎日だ。若い犬を預ける飼い主を批判してオーナーに怒られたり、最期を看取らない飼い主や、子供に死を見せたくないと老犬を預けた親に憤り…。ホームでの出来事を通じ、智美は、苦手だった人付き合いや疎遠な家族との関係を改めて考え直し始める。世知辛い世の中に光を灯す、心温まる物語。
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犬の最期を看取る「老犬ホーム」で働くことになった智美。初日から捨て犬を飼うことになってしまったり、脱走事件があったりと、トラブル続きの毎日だ。若い犬を預ける飼い主を批判してオーナーに怒られたり、最期を看取らない飼い主や、子供に死を見せたくないと老犬を預けた親に憤り…。ホームでの出来事を通じ、智美は、苦手だった人付き合いや疎遠な家族との関係を改めて考え直し始める。世知辛い世の中に光を灯す、心温まる物語。
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そんなに期待せずに
読み始めたのですが…
いや これが なかなか面白い
「犬」の詳細な生態がこれでもかと描かれる
それが、本編のストーリーにうまく取り込まれて
最後まで引っ張ってくれました
家に犬がいる人
犬が好きでたまらない人
ほっと一息つくような小説が読みたい人
お薦めです
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飼い犬が余生を送る老犬ホームを舞台に、犬たちの無垢さと対比するように人間の弱さ、ずるさが描かれていているように感じた。
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良かった。犬と猫が好きなので絵が浮かんで来ちゃった。内容もわかりやすくて意外性もあって楽しめた。久しぶりの作家さんだったけど、わりとわたし的には外れはあまりない。
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やっと決まった智美の再就職先は老犬ホーム ブランケット。預けざるを得ない人の事情に預かるホームの事情、働く人たちの事情も絡んでドキドキしたりほっとしたり。犬の反応にあるあると思い、そんな子もいるんだと思い、だんだんブランケットになじんでくる。
ほっこりしたい人にお薦め ♪
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老犬ホーム(老健ではない)のお話
近藤史恵らしく、ちょっとミステリ要素も含む
事情があって飼えなくなった犬を最期までみとる施設ねぇ…
まぁ、必要だと思うけど、どこかしらにエゴは必ず含むわなぁ…
飼えない事情にもよるかもしれないし、事情によらずとも「飼えなくなった」のは自分の責任だよね
里親を見つけるなり、保健所にいくなりは飼い始めた責任だと思う
それでもどうしても老健ホームに預けなければいけない事情ってのがあるのはわかるけど…
と思ったところで、実際に人間にしても自分たちで介護できなくなって施設に預けるとか普通にあるなと思い出す
そう考えると、犬のためにわざわざお金を払って最期まで見取ってくれる施設に預けると言うのは、まぁアリかなとは思う
けど、やはりエゴだよなぁという堂々巡りだな
僕は犬よりは猫派だし、特にペットに関してはペットとしての接し方しかしないのでどうでもいいんですけどね
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犬の描写から愛を感じるけど、小説としては重くてテンポ悪くて地味。サクリファイスはとても良かったのに同じ作家なのだろうか…?
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不器用な智美に自分を重ねて読みました。
「犬は昨日を愛する生き物」
これ、素敵ですね。
ありふれた毎日が続くこと、これが犬にとっての幸せなんですね。わたしも足りないところばかり見ていないで、感謝できるようになりたい。
「手に入らなかったものすべてを取り返すことはできなくても、拾えそうなものには手を伸ばしてみてもいい。犬たちのように少しだけ素直になって。」
この言葉も好きです。
足るを知る、これに尽きるのかな。
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老犬ホームの話。
人には色んな事情があるものだ。犬の面倒を見ないなんてかわいそう!とか、死ぬときはそばにいないと!とか、勝手に決めつけてしまっているかもな…と思いながら読んだ。
もちろん、そういう考えがいけないものではないし、大多数の人がそう思うんだろうけど、それが必ずしもその人にとっての正解ではない、ということをちゃんと踏まえておかないとな、と思った。
人を裁く権利なんて、きっとない。
大人になるとそういうことに気づける気がする。(私はちょっと遅かったな…。でも今からでも拾えるものを拾おう。)
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堕落論に疲れすぎたので、癒しが欲しくて…笑
フリーターのコミュ障主人公・智美が老人ホームならぬ老犬ホームの社員になり、犬との触れ合いを通して、一歩を踏み出す物語。うーん、陳腐な説明になってしまうな…
私は犬が可愛いとそれだけで知能レベルがIQ3くらいに下がってしまい、ともすると「わんこかわいい、わんこ最強!!!!」みたいな感想になってしまうのですが、だからこそ犬が苦しむ描写とかに耐えられないときがあります。その点において、近藤先生の犬系作品は大丈夫だろうという理由のない確証があり、心がお疲れの方にはお薦めしたい。
老犬ホームが舞台でも、様々な事情を織り込んで考えたら辛くない作品。犬に触れて智美の心が変化していくさまを通して、こちらも自分の心の持ちようを確認してしまう。智美の入社をきっかけに、回りの人たちもそれぞれの問題と向き合い、一歩を踏み出していくのが何よりも平和で前向きで、爽やかな読後感を与える作品でした。
しかし老犬ホーム、実際運営するには大変そうだなと思う(主に犬を連れてくる人間の方が…)
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犬の最期を看取る「老犬ホーム」で働くことになった智美。初日から捨て犬を飼うことになってしまったり、脱走事件があったりと、トラブル続きの毎日だ。若い犬を預ける飼い主を批判してオーナーに怒られたり、最期を看取らない飼い主や、子供に死を見せたくないと老犬を預けた親に憤り…。ホームでの出来事を通じ、智美は、苦手だった人付き合いや疎遠な家族との関係を改めて考え直し始める。世知辛い世の中に光を灯す、心温まる物語。
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不器用な主人公と個性豊かでそれぞれ愛おしい犬たち、そしてちょっと謎めいた人々の切なさを含んだあたたかいストーリー。犬好きさんにはたまらないお話です。
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目に見える事実が全てじゃない。
老犬ホームを舞台にしたこの『さいごの毛布』という小説は、そのことを改めて気づかされた小説でした。
老犬ホームとは様々な事情から飼えなくなった高齢の犬を、飼い主に代わり世話をし最期を看取る施設。人付き合いが苦手な智美は友人の勧めもあって、そこで働くことになります。
施設運営の様子は現実的かつビター。自分で飼い犬を保健所に送るのはイヤだからと、施設の前に犬を置いていく飼い主や、子どもに犬の死ぬ姿を見せたくないと施設を利用する飼い主に智美は憤り、犬に同情や感傷を寄せます。
一方で施設のオーナーは料金をもらっている以上、従業員が飼い主に憤ることは許されないと、智美を叱り、ただで犬を置いていこうとする飼い主にも毅然と対応し、犬への同情を抑えようとします。
理想だけではどうにもならない、犬たちと老犬ホームの運営状況。暗い話ではありますが、脳天気に理想論だけで話を進めるのでなく、地に足をつけて身勝手な飼い主や、その犬の状況を描くのは、ある意味真摯に犬と向き合っているからだろうと思います。
近藤史恵さんって定期的に犬の出てくる小説を書かれてるイメージなのですが、たぶん思うところは色々あるのだろうなあ。
ホームの犬たちの描写は、どこか微笑ましくも感じられます。とにかく人懐っこい犬もいれば、元気すぎたり、臆病だったり、なかなか心を開いてくれなかったり、そうした犬たちの個性をかき分けているのがすごい。
読んでいて、老犬ホームや出てくる犬たちは単なる舞台装置やギミックでなく、登場人物たちと同じように、生きていて日々変化していく存在なんだ、と感じさせられるのです。
一方で飼い主たちにもそれぞれの事情があることも描かれていき、老犬ホームに預けること=愛がない、責任を取っていない、と言い切れないことにも、智美は気づいていきます。犬は最期まで飼い主といた方がいいと思いつつも、最期が近い犬を預かる老犬ホームで働くことで生活している、自分という矛盾。そして訪れる別れ。
こうした微妙な感情や倫理の揺れ、犬たちの悲哀や悲しい出来事も真っ直ぐに描かれていてとても丁寧。そして犬たちと飼い主たちのそれぞれの在り方が、智美をはじめとした従業員たちの物語に反映されていくのも、本当に良く出来てる。
家族と疎遠になり、住み込みで老犬ホームに勤めることに抵抗のない智美。同僚の碧の男性関係の描き方。そして施設のオーナーである摩耶子の過去。
それぞれに愛や絆で揺れる人間関係の葛藤があり、それが老犬ホームの犬たちの事情と呼応するのです。人であっても犬であっても、愛や絆に飢えて孤独を抱えるのは、一緒なんだなと感じます。そう思うと、犬を飼ったことのない自分も、出てくる犬たちが愛おしく見えてくるのです。
犬たちの描写が丁寧なのは先にも書きましたが、中でも智美が引き取ることになったララという小型犬が、智美に徐々に心を開いていく過程の描き方が本当に丁寧。
著者の近藤史恵さんが智美とララ、傷を抱えたそれぞれに優しい視線を注いでいるのが感じられます。そして智美とララの���係性が少しずつ変わっていくのが、暗い話の多い物語の中で、希望として自分を引っ張っていってくれたように思います。
施設の周りをうろつく不審な男、そうしたサスペンス要素も含みつつのラストへの展開は、緊張感があって良かった。そして全てが明らかになり、登場人物たちがそれぞれに新しい一歩を踏み出す様子は爽やか!
重たい内容をはらんではいますが、文章は読みやすくて読後感はどこか温かく、そして優しい。登場人物たちと犬たちのその後についても自然と考えてしまう、良作だったと思います。