投稿元:
レビューを見る
カナダ図書館協会児童図書賞受賞作。映画化も決定しているらしい。
ホラーというよりは幼い主人公姉弟の成長譚としての性格が強かった。
投稿元:
レビューを見る
おもしろかったし、涙する場面もいくつかあり、本当に「物語」を読んだ充実感。
モリーとキップ、幼いのに強すぎる!
ただ歴史的背景を知ったら、こうやって生きていた子どもたちが実際にいたと思われ、心が痛む。
ディズニー映画化、楽しみなような、映画化してほしくないような、複雑な気分。
投稿元:
レビューを見る
ディズニーで映画化されるようだけれど、いかにも視覚化に向いている感じのホラーファンタジーだった。秘密の花園のようなものを想像していたが、文学的というより映像的な小説で、人の内面を深く描いていくというより、シチュエーションを読ませていく感じだった。
投稿元:
レビューを見る
緑の扉の部屋と夜の庭師のことが気になり、一気に読んだ。
嘘とお話の違いをモリーとキップは自分たちで答えを見つけていく。時におかれている現実から目を背けることだって必要であるけれど、いつか正面から向き合うときがきたら逃してはいけない。
ディズニーで映画化されるようだけれど、いまいちピンとこないなぁ。この物語の良さをどう表現するのだろう。
投稿元:
レビューを見る
2017/03/09了読。
2017年2冊目。
通勤時にちょっとずつ読んでたので、時間がやたらかかってしまったけれど、最初の一行目から物語の魔法にかかってしまった、幸せなひと時でした。
内容としてはダークファンタジー寄りのホラー。
タイトルから連想していた夜の庭師と実際に出てきた庭師の印象が随分違っていて…思ってたよりホラー要素高めでした。
19世紀半ばのじゃがいも飢饉、アイルランドの多くの人々が飢えで餓死するか、命を懸けて母国を捨ててイギリスやアメリカに渡らなければならなかった。そういうことも、世界史をきちんと勉強していなかったので知らず…(高校は受験対策で日本史だったから…という言い訳)
その時代に両親と船ではぐれて二人だけになってしまった赤髪の姉弟、モリーとキップ。
二人が奉公に向かったウィンザー家の主人夫婦と子供たち、語り部のへスターケトル。
登場人物が皆魅力的で、物語ることの喜び、読書の楽しさに浸れた一冊でした。
ジョナサン・オージェ。もっと読んでみたいです。
それにしても、せめて月一冊くらいは読みたいなあ…
投稿元:
レビューを見る
ディズニーが映画化するというのも納得の良質なゴーストストーリー、そして孤児のモリーとキップの成長物語!著者が9年かけて仕上げただけあって、非の打ち所がない内容と飽きさせない展開。普段、あまりファンタジーは読みませんが、幽霊モノと聞いて手に取り、あっという間に物語に引きこまれてしまいました。お陰で登場人物たちとシンクロしてか?連日悪夢にうなされるというほどのめり込んで読ませていただきました!
投稿元:
レビューを見る
灰色の風が吹く。
いや、確かに空は晴れているのに、おかしなことだがこの姉弟のいく先は鈍色に染められているのだ。
そのお屋敷は草に覆われ、蔦が這い、屋根はたわみ、苔がはびこっていた。
そして一本の古い木が、主人のように植わっている。
たいていの場合、大きな古い木は優しさを湛え、見守るように聳えているものだが、この期に限ってはそうではない。
その幹に、枝に、根に、すべてに邪悪な雰囲気をまとっているのだ。
なぜか。
それはその木が、人の欲しいと願うものをどこからか出すからだ。
そのどこが悪いのか、って?
本当にそう思うかい?
ものを与える行為は決して一方的な愛の行為ではない。
必ずその代償がある。
モリーとキップ、姉と弟は懸命に働いた。
そして彼らが一番願うもの、心から望むものを得た。
しかし、それは、「希望」ではない。
ひたひたと音を立て迫ってくる「夜の庭師」。
どこでその男は間違ってしまったんだろう、その疑問にキップは後にこう答えを出す。
守ってくれる姉、モリーがいなかったからだ、と。
支えてくれる人がいるから、助けてくれる人がいるから、信じてくれる人がいるから、人は間違いに気づけるし、間違いを正せる。
屋敷の主人の子供たち、アリステアとペニーの兄妹もそうして間違いに気付き、ただせた。
君たちなら大丈夫。
まだまだこの子供達には困難があるだろう、しかしどうかこの子たちの未来が美しいお話で満たされるものでありますように。
鈍色の雲のうえには、蒼天が広がっている。
投稿元:
レビューを見る
引き込まれて一気に読めました
アイルランドの田舎娘が、なぜ上流気取りの奥様の流儀で家政ができるのか不思議
投稿元:
レビューを見る
ホラーテイストのファンタジーで、思春期の子どもが主人公で、その子どもの成長物語でもある、っていうのが欧米の児童文学で流行っているのか?
先日読んだ『ゴーストハウス』もそうだったし。共通してるのはいかにも映像化されそうな舞台設定と展開、不安定な家族、主人公(の一人)が体が不自由で恵まれない境遇にある、悪者のゴーストが不死身(まあ、ゴーストだから当たり前と言えば当たり前だけど)、など。
で、どちらも読んで大して面白くもなく、映像を見れば十分という点も共通している。
なんか、いかにも作られた感じの話なんだな。こうすると劇的でしょ、怖いでしょ、みたいな。
こういう物語はウェストールの『かかし』あたりが最初ではないかと思うけど、ウェストールがいかに才能があったかが、こういう物語を読むとよくわかる。他ではダウドとネスの『怪物はささやく』も良かった。そういう単にホラーファンタジーに終わらない深さのある物語とどこが違うかというと、やっぱり人物造形と心理描写ではないかと思う。
この主人公の姉弟は親と別れて貧困にあえいでいるわけだし、姉は機転の利く利発な娘なのだが、ウェストールやネスの主人公たちのように、読者が身を切られるような切なさ辛さを感じることはない。たとえばこの姉がもう少しシニカルであったり、弟が内省的であったりすれば物語に深みが増したのではないかという気もするが、そもそものホラー描写がありきたりだからなあ。
ディズニーが映画化するらしいけど、巨木と一体化した屋敷や庭師の様子なんかは、ディズニーの技術力で、多分本より雰囲気も迫力も出るんじゃないかと。
これから読もうか迷っている人には、読まずに映画で大丈夫と伝えたい。
投稿元:
レビューを見る
ゴシックホラー風味の児童文学。
健気な姉弟が働くことになったお屋敷では‥?
19世紀アイルランドでは飢饉が起こり、食べるにも困った国民は、生き延びるために、多くが移住するしかなくなります。
船で親とはぐれた14歳のモリーは弟キップと共に、命からがらイングランドにたどり着きました。
やっと見つけた仕事は、町外れのお屋敷のメイドと庭師。
出会う人はみな止めたのですが。
そこには異様な巨木が家を取り込むかのようにそびえ、夜には庭を動く何者かの気配が‥
奥様と子どもたちは青白く、留守がちな旦那様はなにかのトラブルを抱えている様子。
キップに言えない秘密を抱えたモリーは、お屋敷の謎に関わり、思わぬことに。
弟思いでしっかり者の姉と、ぼんやりしているようでいろいろなことをちゃんと見ている幼い弟。
二人の成長譚でもあります。
ホラーっぽいので夏向きかと。
本当に怖いのは苦手ですが、児童文学風味のこれぐらいなら大丈夫(笑)
子どもたちの生命力に救われます☆
投稿元:
レビューを見る
故郷を離れイングランドへ辿りついたモリーとキップ姉弟。
メイドと庭師として働くことになった屋敷には、生気のない一家と夜の男。
姉弟の成長は大人になることを強いられているようにも見えて、少し痛々しい。それでも最終章のモリーが語り部として楽しそうで本当に良かった。
これだけ児童文学の王道な作品を、いきなり創元推理文庫で刊行してるのにちょっと驚いた。岩波少年文庫あたりで読んだ懐かしい感覚。
見落としてるだけでハードカバーも出てるのかな。
ホラー要素強めなんだけど、恐怖より不思議さの方が印象に残った。
ホラーファンタジー、かな。
投稿元:
レビューを見る
1800年代のイングランドのお屋敷を舞台にした、少しホラーなファンタジー。ホーンデットマンションのような…
細かく区切られた表題で、字が細かいわりには読みやすかった。
登場人物が少なめで関係性もシンプルだったから外国名でもすんなりはいってきたのもよかった。
アイルランドと英国の歴史、とりわけアイルランドの歴史的苦難によって、モリー達がこうならざるをえなかった状況が、最後の作者ノートでわかり、何ともやるせない気持ちに…
最後の男たちが団結しているところや、コンスタンスに人間らしい雰囲気が出てきたりとなかなかよかった。
映像化するとしたらどんな感じなんだろうと妄想しながら読んだ。きっと実写だろうな。
投稿元:
レビューを見る
両親を失ったモリーとキップの姉弟はイングランドの巨木に取り込まれたようなお屋敷にメイドと庭師として雇われる。借金の取り立てに苦しむ主人、冷ややかに見つめる奥様、お菓子ばかりを食べて太っている息子、甘えん坊でお話が大好きな妹。そして、夜になると歩き回る謎の男。
日に日に不健康になっていく主人一家。怪しい夜の男の正体は?
お話が得意なモリーと、片足の不自由なキップが、知恵と勇気で主人一家を救う。読んでいて、先が気になりどんどん読みすすんでしまった。
映画化が決まっているというが、うまく映像化してもらいたい。
投稿元:
レビューを見る
ホラーファンタジーを題材とし、人としての生き様を考える。巨木を覆い隠すように屋敷が建っており家族四人暮らし。そこに孤児の姉弟が奉公に来る。既にその屋敷が薄気味悪いのはご近所で評判。巨木は人の願いを叶える代わりに「魂」(=生体エネルギー)を吸い取る。抜け殻みたいになったら木の下に埋められる。もう家族は駄目だ。よくない、と思っていても抜けられない。使用人2人は「これは邪悪」と本能で感じ取り、巨木の思い通りにはされない。スマホゾンビ共も巨木という名ではない何か巨大で邪悪な物に飲み干されればいいのさ。
投稿元:
レビューを見る
何、この傑作!出だしからディズニー映画の映像が眼に浮かぶ。イングランドにたどり着いた姉弟のモリーとキップはようやく雇ってくれる森の中の屋敷を見つけた。天性の語り部モリーと足の悪いキップ。一癖も二癖もあるウインザー家の人々。そして夜になると不気味な足音を立てて夜の庭師がやって来る。なんと魅力的な登場人物たち。両親がいなくても健気に召使いとして働く2人と謎めいた屋敷の秘密、そしてゴースト。すべてが明かされると最終章は児童書らしからぬサスペンスアクションのような急展開は血だらけで人がわんさと死んでいく。それでもラストはハリウッド映画のように、そして希望へ。娘が幼い頃に枕元で読んでやりたかった