つらい人のための平易で実用的な本
2022/08/11 23:23
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生育過程などで大きく傷つき無価値感に襲われている人が、自信の喪失からのマイナススパイラルに陥ることをどう防ぐか。誰かや何かを責めるのではなく自分で克服するための実用的な本です。参考になります。
ただ実用部分は万人向けではない気がしました。
著者はまず行動をと主張しますが、わかっていても行動を起こせず苦しんでいる人へのアドバイスはありません。
人生設計の有益さも語られますが、この厳しい状況下どうやったら道が開けるかわからずもがく人の助けにはなりません。
このような「対象外」の読者にも、前半の心理学的解説の方は自分を見ていく役に立つでしょう。
甘ったるくなく暖かい雰囲気は著者のお人柄でしょうか。
向き不向きはありそうながら読みやすい良書だと思います。
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「価値ある自分にならなくては」という思いは強い気がする。前半で無価値観とは何かを説明し、後半で抜け出すための対処法を紹介。助言が心に染みる。無価値観から抜け出すには、自分の感覚・感情・欲求への信頼を取り戻すこと。①好き嫌いから出発、②主語を意識、③感想を言葉に、④思い切って退行、⑤体感から感情を意識、⑥感情と自覚の行動。そして、自己信頼の行動を積み重ねる。30代の過渡期。人生とは葛藤と安定の時期の繰り返し、それぞれの過渡期の課題にきちんと立ち向かっていくことが、実り多い人生をもたらすとのこと。
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無価値感が強いと、いろんな場面で他の人と自分とを比べてしまう。優劣が自分の存在価値に直結するからである。確かに、競っても仕方がない人と自分とを、定まらない評価軸で比較してしまいがちです。
私たちは誰でも自分に価値があると思いたい。しかし、思いが挫かれる体験に出会い、自分は無価値だと思ってしまう人がいる。本書は無価値観とは何かを理解し、抜け出る対処法を述べている。本当の安心、しっかりとした自己価値感は、自分を成長させ、幸福な人生を築こうとする誠実な努力を積み重ねるうちに形成されるのである。アスリートが「あれだけ練習したんから大丈夫」と思えるまで苦しい練習を繰り返すように、心も同じで、練習しないですぐにできるわけがない。「できた!」という体験を積み重ねることで、自己信頼に到達できるのである。
「自分を自分として成長させること、それにより、自分の内にある力を実感すること。こうした体験を積み重ねることで、無価値感は自ずと乗り越えられていくのである。」根本先生は、自分を成長させるために夢や目標が必要だと仰る、確かに(私も含めて)無価値感に悩む人は、夢をあきらめ、目標を見失っているのだろう。自分が好きなことに素直に向き合い、夢を思い出すとともに、何らかの目標を立てることが必要なのだろう。
>内面自己としての価値とは、自分の人格的な側面であり、努力家、忍耐強い、誠実、優しい、配慮、献身、共感、自制力、公平、勇気、ユーモアなど…いずれも、他者から評価を受けたからと言っても、自分を納得させることができにくいことです。自分の努力で、自分に刻み込まなければならないようなことです。
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自分の心に響いたのは『今のままでいいのだよ』『特別な存在感にならなくていいのだよ』。
他人の評価が自己価値になる人は『他の人と同じでは駄目』『優れなければ認めてもらえない』『頑張らなければ存在が許されない』という不安が含まれている。
努力の方向を内発的な感情に沿うように向けなおすことが大切だ。
自分を大切にする。仕事をしている自分に価値を見出せないと自分を評価できないことが問題だと思う。その問題を解決するのは自己肯定の習慣だ。自己否定のクセを捨てることが大事だ。
否定的な考えが浮かんだら肯定的な考えに変換していくと良い。
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単なる励ましが連なる本では無く,心理学的な知見に基づき,原因を細やかに分析して対策法を提示している本でした.
著者ご自身が苦しい思いをなさっていただけに,説得力がある内容でした.もっとも,著者の詳しい生い立ちは ”おわりに” で初めて分かったのですが.
購入して良かったです.とりわけ読んで良かったなと思った内容は,下記の通りです.
生得的過敏性の話(66頁);人生設計を立てる意義や具体的な立て方について(125~133頁);感情バイアスについて(174~177頁);自律訓練法(185~191頁);愛着スタイルについて(202~206頁).
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自分には価値がないと思っている人、自尊心が足りない人、自己肯定感が低い人、そんな人たちに向けた応援メッセージが詰まった一冊。日本社会は謙虚が美徳とされすぎていて、自尊心や自己肯定感、自己愛の大切さがないがしろにされているように思う。
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意識高い系自己啓発本(笑)
よくある自己啓発本と違うのは、無価値観を感じているそのままの自分を著者が許し甘やかしてくれるのではなく、無価値観を脱するためにどう努力すればよいのかを、教え導こうとしてくれているところ。
ビジネスとして癒しを提供する事を目的にしたものではなく、後進世代への温かい思いやりに満ちているのが伝わってきて素直に読めた。
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自分には価値がないと思ってしまう心理の分析と対策。
対策に紙面が割かれていて、何をしたら改善するのか明確なのが良い。
否定的思考に気づくことと、自分への言葉かけを変えることからはじめる!
2018/06/23読了
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自分は無価値であるという、否定的な自己評価に捕らわれ続けてしまうことはこの上なくつらくかなしい。他者に目を向けたくても、向けているつもりでも、行き着く先はダメな『自分』のこと。他者のことを考えたいのに自分のことが気になってしまう。自ずと孤独感にも苛まれる。
でも、自分をダメだ価値が無いと評価しているのは、他でもない、己自身なのだ。
そして、なぜ、自己肯定感が低くなってしまう、もしくは、しまったのか。
自分自身のことから解放され始めるのは、一体何歳くらいからなのだろうか。
人の心の成長のなんと複雑なことよ。
まえがきの、「私は、心理学者として人の心を客観的に分析することで満足することができなかった。自分の心を分析して、苦しみを取り除き、安心と快を得るにはどうすればよいのか、それが私の心理学研究であった。本書はそうした私の体験を通したものとなっている。」を見たらもうこの本を読むしかないと思いました。
自らの体験に基づいた話ほど奥深いものは無い。
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・代償的自己
・自己価値観 sense of self-worth
(self esteemとの区別のため著者が提唱)
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好き嫌いを感じ取る。主語を意識する。感想を言葉にする。意識的に退行する。体感から感情を意識する。嫌という自分の感情を受け入れ、ここまでしか踏み込ませないなど自分で方針を決定し関係の主導権をとる。嫌という感情と裏腹な行動を進んですることを排除する。やりたくないけれどもやらなければならないことについては、新たな意味づけをして感情を整理する。嫌だけれどもやるしかないさ。
見栄を張らない、自己防御の姿勢を解く、その場しのぎの行動を減らす、回避行動を減らす、回避行動をとるときは意識する。
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今の自分にとってはぴったりの本だった。
色々なトラブルや悩みがあるとついつい自分自身を責めてしまうクセがあるが、そんなクセを心理学的に解きほぐしてくれる本。
どうしてそのように考えてしまうかまで分かりやすく解説している。
ただ、頭で分かっていても心が感じてしまう際にはどうすればいいんだろうとも思う。
こういった具体的な思考法や実践法はとても参考になるが、それでも自分で対処できない悩みをどう克服していくかがこれからの課題である。
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きっとこの本に書いてあるように、目標を定めてそれに向かう具体的方策を考えていけば自己実現できるんだろうなーというのは分かるんですが、それが苦しい。考えることがストレス。いや、分かってはいるんですが…。
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自分の感情を大切にしよう。楽しむことを大切にしよう。
無価値観という概念を中心に、自分には価値がないと感じてしまうのはなぜか、改善するためにはどうしたら良いのか、先行研究や筆者の知見をもとに書かれている。
この本で新しく覚えた知識は感情の予測バイアス(インパクトバイアス)。将来の自分の感情を実際よりも大きく見積もってしまうこと。これはプラス面にもマイナス面にも働き、嬉しいことは実際よりも嬉しいと予測し、嫌なことは実際よりも嫌だと予測してまう。
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読み方が悪かったか、あまり入ってこなかった。
いろいろ書いてて言いたいことはわかるけど、それができれば苦労しないよっていう感じの内容が多かった。