紙の本
怖い&考えさせられる
2016/11/30 19:57
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投稿者:あめじ - この投稿者のレビュー一覧を見る
正義の人が描かれているはずなのに、怖くて不気味だった。
こんな人がいたらイヤ、だけどマジでいそう。。。
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こういう女絶対いそう……というかいるのかも、私が知らないだけで。それくらいリアリティ溢れてた。範子みたいな女知ってる気がした、知らないけど、友達の友達とか知り合いの知り合いとかそんな遠くないところにいそう。ゾッとするほどの正義感。まさに絶対正義。正しい事がすべて。友達だとか家族とかそういうの全くなし。怖い、怖い怖い。殺したくなるの分かだちゃう気がするそんなエピソードしかない。
エピローグの恐ろしさもゾッとした。気になったのは範子の旦那はどう感じていたんだろ。。。
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エンターテインメントホラーって感じで軽く読めて面白かったです。
振りかざしすぎて仰け反っちゃってる「正義」がぶっ飛びすぎてて、彼女の心理を掘り下げようとか深く読み込もうとか思える類いの物語ではないけど、だからこそサラサラ悩まず読み進められました。
ゆとりという意味での遊びやルーズさというものが人間には必要なんだなーと実感。
でもそれはあくまで、当たり前のこと過ぎて通常は目に見えない、ひとつまみ程度のさじ加減なんですけどね。
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正義を振りかざす嫌な女のお話。サクッと読めていいが途中でストーリー展開が読めてしまい興醒め。各々のエピソードも面白いけど極端で興醒め。設定はいいのに残念な作品だった。
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山梨の高校で仲良しだった和樹、由美子、理穂、麗香。そんな4人は、ある日一人でお弁当を食べる範子に声をかけるが、範子は「正義」のためなら手段を選ばない人間で、そんな範子に4人それぞれが追い込まれていく…範子の「正義」は確かに正しいのかもしれない。でも、人の気持ちを考えない「正義」は「不愉快」とも隣り合わせあることを実感する。4人がそれぞれメインになって、それぞれが範子から受けた「正義」に苦しむ様子を描いて、物語は進む。彼女たちがこんなにも苦しんでいるのに、「正義」と言う言葉だけで、周囲の人物の理解を得られない苦しさが痛いほどだった。結局、範子は「正義」を盾にした自己中で私でも4人と同じことをしたと思う。とにかく不快感がすごい作品。
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読了後の疲労感がすごかった。範子が近くにいなくて心底よかった。正しいことは正しい。しかし人間には心がある。優しさがある。愛がある。範子の存在によって不幸になった人がどれほどいるだろうか。だがふと考えてみる。ここまで法律に従順な人はいるだろうか。皆、大小あれど反することもあるのではないか。法律は守るべきものではあるが、完全には守られていない法律の意味について考えてしまった。
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冒頭から引き込まれて、一気に読みました。
正義は時として暴力的で残酷。
そしてその血は受け継がれる…。
ラストはゾッとしました。
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2017/1/10
正義の鉈を振り下ろす女、高規範子。
そしてその対象となった元同級生の仲良し4人組。
一気読み!
法的に正しいけれど、人道的に正しくないこともある。
怖いなー怖かったなー。
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まず
正義とルールは同義語ではない。
そして
人々の為にルールがあるのであって、ルールの為に人がいるのではない。
ただ、読み物としてはオチの平凡さはともかく、なかなかよく出来ていた様に思う。ややプライスは高いケド。
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献本。
知らない作家さんの書き下ろし作品。せっかくの機会なので読んでみようと応募した。
何よりも正義を愛する範子。
不正を許せない、自らも決まりを守り礼儀正しい範子の高校の友達は、最初そんな範子を尊敬し見習わなくてはと思っていた。
しかし、範子の行き過ぎた正義によって範子に対して嫌悪や憎悪の決まり気持ちが芽生えていく。
そんな範子から招待状が届く。
そんなはずはない。だって、範子は殺したはずだから。
この作品に出てくる範子は、正義感が強い。
こんな軽い表現ではなく、範子は正義のために生きている。正義が何よりも大切で、正義を守ることが出来なければ友達でも容赦しない。
作品では範子の友達として四人の同級生が登場する。
ひとりは、仕事に関しての正式とは言えない手段について
ひとりは、婚姻生活の苦悩について
ひとりは、不妊症とそのための卵子提供について
ひとりは、過去の隠したい秘密と不倫について
四人の女性は範子によって傷つけられ怒り、憎んで、遂には殺してしまう。
ひとを傷つけたり不快にさせるひとは大きく分けて二種類いるだろう。
それは、悪意を持って行うひとと、悪意なく行うひとだ。
どちらも傷つき不快になることに変わりはないが、どちらがたちが悪いと言えば、断然悪意なく行うひとだろう。
悪意を持つひとは、自分の悪意を承知しているのだから、ひとを傷つけた喜びと共に罪悪感も伴う。その罪悪感がほんの僅かであっても。そのため、話し合ったり、誰かに諭されたりすれば、わかりあえたり、反省や後悔の念が芽生える可能性はある。
悪意の無いひとは、自分の行いに信念があり疑問や迷いが生じない。そのため、良いことをした充足感はあっても、わかりあうことも困難で、反省も後悔の念も芽生えることはないだろう。
範子の悪意ない正義によって傷つき苦しむ同級生たち。
物語では、範子と友達のどうにも理解しあえない大きなズレが、読みやすい文章で描かれる。
ここまでではなくても、価値観の違いなど仲が良い友達や夫婦、親子であってもわかりあえないことはしばしば起きる。
ひとの考え方はそれぞれだから、互いに尊重しあえれば大きな問題にはならないのだが、どちらかの言い分が絶対的に間違っていないとき、どちらかは渋々受け入れたり、我慢せざるを得なくなる。そして当然正しい側には不満は微塵もなく、正しくない側にはいつまでも不満が残る。
正義とは何か。
手元にある辞典(金園社 六万語国語辞典)には、正しい意義。正しい道理。とある。
この正しい意義、正しい道理が誰にとっての正しさなのかが問題だろう。立場が異なれば、同じ意義や道理であっても救いになる場合と苦しみになる場合がある。
作中にもあったように、悪者を懲らしめる正義の味方が、周りのビルや家を壊しまくってしまえば、悪者に直接苦しめられたひとは救われるが、壊されたビルの持ち主や家に住んでいたひとは迷惑でしかない。
結局、正義とは正義のためにあるのではなく、関わるひとの多くが幸せになるためにあるのではと思う。
つまり、絶対的正義は存在しない。
幸せはそのひと、その立場や状況によって異なるため、全てのひとが等しく幸せになることはあり得ない。
それなのに、もし絶対的正義を常に振りかざすひとが近くにいたら。それは酷く生き辛いことになるだろう。
ラストは、わたしの予想のどちらになるかなと思いながら読んだ。そして、ああ、そちらかと思った。
こういう作品もイヤミスと呼ぶのかもしれない。
軽い読みやすい作品で、あっという間に読めるため、気楽に愉しみ、併せて自分の言動行動を振り返ることが出来る良い機会となった。
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初めましての作家さん。
図書館の新着図書コーナーで手にしました。
『正義こそこの世で一番大切なもの』という高規範子。
高校時代からの友人、和樹、由美子、理穂、麗香。
範子の”正義感”に尊敬し、範子に救われたと信じていた高校時代。
15年の時を経て再会した5人の関係は…
”100パーセント正しい、ということは、それだけですでに大きな欠点だ”
そう感じるようになった4人が出した答え。
”正義”って…
一つ間違えると恐ろしい…
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まだ出してる冊数が少ないのが残念なくらい面白い。イヤミスと称されているらしいけど、たしかに納得。女同士の機微の描き方に思わず共感。一気に読んだ。
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〇あの微笑を忌々しくさえ思わせるストーリーに完敗
正義とは、"道徳・道理にかなっていて正しいこと。(学研現代新国語辞典改訂新版)"であるという。「絶対正義」とあるから、正義感あふれる優しい物語…と一瞬思うが、この作者でそんな結末はあり得ない、と言ったら失礼だろうか。
そして、真っ赤に塗られたとびらが、恐怖をあおる。
ある日招待状を受け取った和樹は愕然とする。差出人が、以前殺したはずの高規範子だったからだ。
なんでもきちっとこなす範子は、周囲の評判もよく、和樹が痴漢された時も助けてくれた。しかし、高校生活を過ごすにつれ範子のかざす「正義」に違和感を覚え、卒業を機に距離を取るようになる。
月日が経ち同窓会で再会した後、作家として出版にこぎつけた本について範子から告発されそうになり、焦り、5人で旅行に出かけたときに殺してしまう。
そのときはじめて、同じグループにいた由美子・麗香・理穂もその「正義」に息苦しさを覚えていたことをお互いに知り、結託して死体を隠ぺいした。
殺したはずなのになぜ、招待状が届いたのか。意を決して招待状に書いてある会場に行くとそこでは――
和樹の話のあと、由美子の話へと入っていくときに愕然とした。これから4人の恐怖のストーリーが彼女らそれぞれの口から語られるのだ。どれだけ筆者は彼女らを苦しめれば済むのだ。
範子の正義感は、周りが認めてしまったために誰も否定できない。彼女の正論はいつでも正しく、酌量の余地を与えない。彼女が罪だと論じれば罪なのだ。一方で、友情だからと見逃していい罪はあるのか。人間関係をうまくやりすごそうとする者と範子との攻防は、いつでも正論に軍配があがる。
そのジレンマを筆者は、4人の感情とともに緻密に描き出し、全くいやらしくないはずの範子をいやらしく浮かび上がらせる。罪を断じることが悪いとは言わない。しかし。読み切った後はあの微笑を忌々しくさえ思うだろう。
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法的に正しいことしか認めない範子と、
彼女に助けられ、追い詰められた女性らの物語。
絶対正義な範子には、悪意がまったくないというのが怖い。
結末は予想の範囲内であったが、
なかなかのイヤミス 。湊かなえっぽい。
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4人の女たちに届いた『思い出の会』への招待状。
差出人は、5年前に殺したはずのあの女――。
「絶対正義」を貫く範子、一つの間違いも犯さず、また罪を許さない。
法が絶対であり情状を認めない。
ある意味、生きるのに楽(らく)かもしれない。
正義を振りかざす現代の風潮にも通じるものがある。
(図書館)