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姜尚中先生の仕事学。読書の重要性なども解説。
現代社会と仕事との向き合い方と言う昔と今は違うと言う観点をわかりやすく説明されてました。
とても意義深い問題提起だと思う。
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人それぞれ本の読み方も違います。著者は3つの方法を提案しています。自分の乱読もそろそろ意志を持たねばいけないですね。
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複眼的な見方を持つ。多様性を重んじる。ダイバーシティ。そのための読書。仕事以外の社会との接触。利益優先か、社会貢献か。
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読書数がある程度増えてくると、良書には共通した考えが流れていることに気づきだした。
本書でも、アドラーの共同体、マインドフルネスの考え等の内容が参照もしていないのに自然と書かれていることに驚いた。
著者自身の経験談も豊富に語りつつ、これまでの研究成果も引用されており、非常に説得力ある内容になっている。
単なるノウハウ本ではなく、これからの時代の仕事とは何かということを一緒に考えるための良書である。
・自分はなぜその仕事をしているのか、その仕事を通じて自分はどうなりたいのか、そして社会に対して自分は何ができるのかを、日々、真剣に問うことは、働くうえで原点になると思います。
・複眼的な視点を持つことは、ものごとの本質をとらえる、?凡でも、行き詰まりを打開するうえでもたいへん重要です。複眼的にものを見るということは、自分の思い込みで対象を見ないということであり、すなわち、客観的になるということです。
・人文知は、人間が生きることや働くことに意味を与え、判断力や構想力など、創造性に関わる力を養うことができるのです。現状がままならないときこそ、ビジネスパーソンは人文知に学び、自らこの困難な状況に向き合い、それを乗り越えていくための知恵を身につけてほしいと思います。
・人文知に学ぶことは、一つめの「自分にとっての仕事の代意味を考えよう」にも、ニつめの「複眼的な視点を持とう」にも深く関わり、それぞれに通底する根本的な教えなのです。
・先ほど「コーリング」という英語を挙げましたが、人が社会への入場チケットを得ることも、なんらかの「自分らしさ」を表現することも、自分の思い込みだけでは成立しません。必ず他者の介在が必要であり、他者から「その仕事はあなたでなくてはできない」とか、「その仕事はあなたらしいね」と承認される必要があります。
・自分らしき」には二通りあるということです。一つは自分が自分自身に対して考えている「自分らしき」。人が「自分らしき」と言うときま、たいていこれを意味します。しかし、このほかに、外の目から見た「その人らしさ」というものもあるのではないでしようか。自分で考える「自分らしき」は、往々にして思い込みであること力多いのですが、それに比べると、他人から見た「その人らしき」は客観的で、正鵠を射ていることが少なくありません。
・もし、「自分らしき」とは何なのかがわからない状態で、なおかつ、目の前にチャンスのょうなものがやってきた場合は、「とりあえず」でもいいから乗ってみたらどうでしょう。
人生においても、軸足以外のもう一つの足は、できるだけ別のステージにかけておくほうがよいと思います。自分の中にいくつか切り替えのチャンネルを設けておいて、いったん仕事を離れたら、別のことに意識を移す。
・自然。とは、ネイチャーの意味での「しぜん」ではありません。仏教用語で言うところの「じねん」です。自然には「おのずから」という意味も含まれ、すなわち、ありのまま、そのままということです。無理せず、見栄も張らず、作為的にもならず、ありのままの自分を認識するということです。かと言って、別に努力を放棄するわけでもありません。そうではなく、無理して自分を大きく見せたりしないのです。と同時に、自分を安く見積もることでもありません。いま、ここに存在している一個の人間として、自分をそのまま認識する。それが自然です。
・自然であるためには、自分の中から出てくるモチべーシヨンに真剣に耳を傾ける必要があります。社会的に最も価値があるとされているからそれを学習しなさい、という模倣の段階を超えて、自分なりのモチべーションや使命感にいかに向き合うか。それは内なる自分の価値を発見することと言い換えられるかもしれません。この根底の部分の目的意識や志がないと、いくらマルチな能力を持っていたとしても、仕事がら真の充実感を得るこはできないでしょうし、本当の意味ですぐれたパフオーマンスを発揮することはできない。
・自然ということは、「足るを知る」、「自足する」ということに近いのかもしれません。
・人生とい、つのはつらいこともあるけれども、それでも得人はエンジョイできるのだと。いや、エンジョイしなければならない、それはむしろわれ天われの義務なのだ。
・「いま」と「ここ」を一生懸命生きよということでもあります。不確実だから、明日はどうなるかわからないから、それゆえにこそ、いま、ここを精一杯生きるのです。人間の思考の中には、「過去」と「現在」と「未来」という三つの時間概念があります。
・人間の悲劇は、「未来を予測したがる」ことと「記憶を持っている」ということに起因しています。すなわち、過去を悔やみ、未来を不安に思うために、心の病に陥ってしまうのです。
・無駄を減らすと経済効率がよくなる側面はあるのでしよう。けれども一見無駄に見えることを一生懸命やることによって、人生が豊かになることもある。
・・新書は必要な情報や知識、新概念などを効率よくフオローすることを目的に、あまり時間をかけずに読むとよいでしょう。
・、長い目で見た場合の知性の健康を考えるなら、べースとなる部分は干もの(古典)から手堅く取り入れるのがよいでしょう。そのうえで、必要に応じて生もの(ベストセラーや流行の本)を取り入れるのが、上手な読書法ではないかと思います。
・企業の真の目的は、社会や個人のニーズ・欲求を満足させることにほかなりません。したがって、企業は自社の好きなものやこれまで作ってきたもの、ましてや単に売れるものを作るのではなく、社会が必要とするものを作らなくてほならないのです。
・人文知とは、文学、歴史、哲学、心理学、宗教学、倫理学、美学などの、いわゆる人文科学のことです。
・さまざまな仕事の局面を考えてみると、人と人が関わる仕事であればあるほど、人文知が必要とされる場合が多いのです。グループの中でリーダーシップを発揮することも、スキルと言えばスキルですが、しばしばそこには人柄という要素が入ってきます。教養に裏づけられた思慮深さは、リーダーとして必要なものです。また、多くの人数を束ねるリーダーになればなるほど、周囲の人を言葉によって説得し、理解してもらうというある種の弁論術も必要になってきます。
・すぐれたリーダーの共通項とは①時代を読む確かな目を持つこと②岐新しい価値を生み出す創造性や構想力に秀���ていたこと③口分の限界をわきまえていた人たちだと思います。つまり、自分一人ですべてを成し遂げることはできないと理解していて、協力者や意見してくれる人の必要性に自覚的です。④最後に何より大切なことは、人間への信頼があったこと。
・企業や政治のトップに限らず、会社のプロジェクト長やチームリーダーといった立場の人たちにも先見力は必要になってきます。どのようなレべルであれ、人の上に立ち、人を引つ張っていく立場にある人は、いまの歴史の大きな潮流がどちらから流れてきてどちらかへ流れていこうとしているのか、読めなければなりません。
・一与えられた役割の中で、自己の限界や会社の限界を見極めた、?ぇで、その人のミッションに忠実に従い、最大限のパフォーマンスを発揮するという心持ちでいることが大切です。
・歴史は現代という未定形の時代を生きる私たちの問いかけを通じて初めて、知るに値する事柄を開示してくれるということです。逆に言え1現代という時代に対する痛切な問題意識や問いかけがないならば、歴史は単なる記録の集積にすぎず、暗記すべき出来事のシークエンスになってしまうのです。
・現実問題として、地域の中小企業にとって、社会関係資本につながる部分を大切にしていかないと、地域で生き残っていけないという側面もあるのでしょう。
・ー目先の実益だけを追い求めていると、なかなか見いだせません。ですから、実益や効率に結びつかなくても、自分の興味や関心領域を広げていかねばなりません。自分はこれでいいという垣根を作ってしまうと、越境的な知は生まれてきません。知的好奇心を常に持たなければならないのです。それがあってこそ、自分なりのミッションに気付くことができます。
・大学でも、細かくプログラミングされた外部に、社会的な領域がいっぱいあるわけです。そういうところに積極的に足を踏み入れていくことが大切です。
・目覚めと気づきとは、ものの見方が変わるとい、つことであり、これまで使ってきた言葉では、複眼的視点を持つことです。それは多くの場合、他者との出会いによって達成されるものです。他者には書籍や歴史上の人物も含みます。他者と出会うことは、それまでとは異なる社会的な関係性が生じることでもあるのです。それが自分のミッションを見いだすことにつながるのです。
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仕事とは何か、何のために働いているのか、このような疑問を持つ人は多いだろう。特に現在の仕事に満足感を得ていない人ほどもやもやした思いを抱えながら、それでも仕方なく毎日仕事をしているのではないか。本書は姜尚中さんが自らの体験を交えながら、仕事の意義について語る。そもそも仕事とは何か、という問いに対しては「社会へのチケット」、「自分らしさの表現」と答えている。二つめの「自分らしさの表現」というのが難しく、特に仕事ではそれが達成できないことが多くなっている。そこで著者は仕事だけでなく複数の軸を持つことを勧めている。また「自然」、そのままの自分を受け入れることが大切であると話している。そのままの自分を知る上でも、社会を見通す為にも人文知が必要になる。人文知を得る良い方法として古典の読書を勧めている。ベンジャミン・フランクリンは有名だが、「ロビンソン・クルーソー」が資本主義と関係しているとは思いもしなかった。そうした気づきが新しい視点をもたらし、世の中を複眼的に捉え、自分についての理解にもつながるのだろう。
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ラジオで「仕事学のすすめ」を聞いて購入。聞いているときはさらさらと流れた言葉をもう一度受け止めることができた。
古典を読もう、と書かれた本は何冊も読んできたし、実際そうしたほうがいいんだろうとなぁと思っているけれど、とっつきにくそうで、本屋に行っても手を伸ばせなかった。
でも、本書で紹介されていた古典はどれも読んでみたいし、実際、紹介されていた本の中から1冊購入した。
なぜ手が伸びたんだろう。読みたいと思ったんだろう。これまで読んできた本と何が違ったんだろう。読んだあと、ずっと考えている。
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読書や歴史に学びつつ人文知を身につけ活用して、これから続く不安定な時代を生き抜こうというメッセージ。新聞の活用や、読書の方法など、具体的でわかりやすい。
タイトルには仕事術とありますが、普通に人生論としてカテゴリーすべき内容だと思います。
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未来について不確実で、全てにおいて様々な選択肢がある現在、仕事は自分らしい生き方を体現する手段でもある。生き抜くためには、複眼的な視点を持つ必要があり、そのために最も効果的なのは、古典的な書物を読んで人文知を高めることだと著者は言う。著者の前半生や読書論も展開され、全編を通して読みやすく、触発された。
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不確実性が増していく時代の中で、逆境に打ち克つ働き方や考え方を説いた本。
自分にとって「仕事」とは何かを改めて問い直すこと。一つのことに固執せず、広い視野を持つこと。歴史を学び直したり古典を読んだりすること。この3つは実践しても「すぐに」逆境に打ち克つことはできません。しかし、この3つを続けることで思考の土台が出来上がり、いくつか訪れるであろう人生のターニングポイントで必ず役に立ちます。
本書は即効性を求める人には何の役には立ちません。即効性を求めなければ本書が役に立つ機会は訪れます。
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退職してから読む本じゃないな…とも思ったけれども,手に取ってみた。
「仕事術」の「仕事」,〈今,自分がやっている仕事に限定〉して考えると,こういう本からは何も学ぶべきことはないかもしれないが,〈自分がいま何をして生きていきたいのか〉ということをもとに考えると,大いに参考になるし,実際に,なった。
人文知の薦めの本とも言える。まあ,人文科学の文献もしっかり読んで,常に学習を続けましょうということだ。要するに,ずっと勉強してね…ということである。
少しだけ,姜さんの生い立ちについても書かれている。在日として生きていることが特別だと思っていた自分が,ヨーロッパへ行ったときに,自分と同じ立場の人がいっぱいいることに気づいてから,考え方が変わったというのがいい。島国根性の日本は,すぐにハーフだとか言っているけれども,外国へ行くと普通だもんな。多様なものが交わることこそ,新しいイノベーションが起きるということだろう。
多様性とは自分の外側に違う人がいて,違うものの見方があって,それぞれが共存していくことであり,加えて自分自身が変わるということです。そういうような経験をくぐり抜けることで,自分の役割に気づき.ミッションを見いだすことができるのです。(本書,p.197)
あと,「第3章 悩んだら本を読め」で,著者が紹介していたキーワードを挙げておく。
「アクティブに読む」「メリハリ読み」「社説」「書評」「疑似体験を楽しもう」「自己内対話」「干ものと生もの」
ヴィクトール・フランクル著『それでも人生にイエスと言う』
ダニエル・デフォー著『ロビンソン・クルーソー』
マックス・ウェーバー著『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』『職業としての政治』
夏目漱石著『三四郎』
ドラッカー著『マネジメント-基本と原則』
カール・ポランニー著『大転換』
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「自分にとっての仕事の意味を考えよう」
その仕事を通じて自分はどうなりたいのか、社会に対して自分は何ができるのか
「複眼的な視点を持とう」
いろいろな角度からものごとをマルチに見ることができる。視点というのはいくらでもあって、さまざまな角度から、高度から、距離から、幾通りにも見える。思い込みで対象を見ない。
「人文知に学ぼう」
それでも人生にイエスを言う
ロビソンクルーソー
プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神
三四郎
マネジメント基本と原則
これからの社会
×学歴の高い人
○主体的にものごとを考え、あらゆる場面に柔軟に対応し、自らの活動をコーディネートできる能力を持った人材
ビジネスパーソンは、個々にパフォーマンス能力を磨き、常に自分の価値を高めなくてはならない
読み方
新書→目次を眺めて、序章とあとがきを読む
新聞→社説
まだ私には社会に対してできることがわからない。今は自分のやりがいにスポットが当たっている状態だ。たくさんの本や新聞を読んで複眼的な視点を持ちたい。