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意識がどこから来るかは相変わらず曖昧な今日この頃。正常系からが困難なら、異常系からアプローチ!不健康な脳から健康な心を探る。ドゥアンヌの『意識と脳』を彷彿とさせる…と思ったら、同志っぽい。
私も「意識は認知の大前提」と思い込んでいたクチ。テニスと室内徘徊の実験結果にハッとさせられた。
「安静と自己の重なり」のところで、"自己特定的な刺激"として自分の名前を挙げているが、改名した人や芸名・筆名・ハンドルネームを使っている人の場合にはどういう結果になるのかを知りたい。
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意識とは何か?自己とはどういうものか?どこからくるものか?
脳が作ると漠然と考えていた。根拠はないが、消去法的に。多くの人がそう思っているとも思う。
本書で言われていることに納得した。
"自己は実体ではなく関係である。それは本質的に関係的なものであり、脳、身体、環境のあいだを常時構造化し組織化しているのだ。この考え方は、心や実体ではなく、関係やプロセスに基づくものとして自己を説明する。"
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安静時脳活動が意識構築の生理的な基盤である。「世界-脳」関係の一方には生理的組織の客観的働きがあるが、統合失調症患者における「世界-脳」関係の変質は、意識は心ではなく脳に焦点を置くべきことを示唆する。
特定論文ではなく多くを読み込んでの俯瞰的な考察。実例というより架空だが典型的な事例。自分は、哲学的な、共通の立ち位置に達していないかも、と思いました。
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概要: 意識と安静時脳活動/刺激反応、自己意識と正中線脳活動、抑うつとセロトニンと遺伝子多型/コピー数異常、統合失調症等。
感想: 神経科学と哲学の橋渡しをしたいようだが個人的には哲学側には興味がなく、神経科学側も多くの内容を非常にざっくりまとめていて物足りない。
2017.1に読んで2017.12にちょっと読み返した。
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今まさに自分が自身であると認識し,様々なことを感じているということと,実際に脳で何が起こっているのかということを結びつけるべく,神経科学と哲学の統合を試みた一冊.意識が何かを解明するに当たり,植物状態・うつ病・統合失調症と,いずれも意識に問題が生じた状態を研究していく方法は,Anathanswamyの「私はすでに死んでいる」にも通じるが,こちらは症例を絞り,その分深く扱っていく.
意識や自己,主観を巡る哲学的な内容も含むことから難解で,簡単には読み進められなかったが,あとがきにあった本人の言が良かった.図書館で借りた都合,今回は理解が及ばなかった部分もあったが,また別の本も読んで理解を進めた後で,改めて読み直したい.
意識の所在としては,多くのエネルギーを消費している脳の内因性の安静時脳活動に見る向きが強いが,実際には相当する部位そのものではなく,感覚からの一次情報に,安静時脳活動が情報を付加・加工する,その関係性そのものが,意識の淵源ではないかと述べる.うつ病に関しては,自己に関する刺激に対する反応が過剰になり,環境の刺激に対して鈍麻になることが.統合失調症の部分は特に難解だったが,感覚からの情報を整理して,自己とそれ以外を区別する機構が働かなくなった結果,自己が崩れてしまい,それに対して適応的な説明をしようとした結果が妄想や幻覚になるとしており,これには脳が世界との接点を持つ上で,時間を一致させることが重要であって,統合失調症ではここが侵されるために,ここの事象を整理できなくなるとしている.全体に,心-脳という従来の二項対立を,すべて脳の中の問題に一旦集約した上で,世界-脳という二項対立で捉え直している.話題の中心ではなかったが,小児期のストレスが脳にもたらす影響というのが興味深かった.
これは完全にファンタジーと笑い飛ばされる話だけど,私は何となくソフトウェア,言ったらソースコード的なものに,魂に相当するものが宿っているのではという漠然としたイメージを持つことがあって,今回ここで出てきた話の中で,安静時脳活動が感覚の一次情報に変化をもたらす段階で意識が生まれる,ということを見て,前述したイメージともしかしたらそれとなく被る部分があるかもしれない,と思った.
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脳神経科学の分野は、fMRIにより、脳の中で今何が起きているのか?はかなり細部まで理解できるようになった。
一方で哲学は、『心とは何か、意識とは何か、認知とはどのような機序で生じるのか』の部分に、言葉遊び以上の論議をしていない印象がある。(私には、ですけどね)
本書の著者、ゲオルク・ノルトフは、両者をきちんとした知見でつなぎ合わせ、かつ一般読者にも理解できる話法で丁寧に説明してくれている。
よくある症例を起点にして、脳では何が起きているか。
「意識が戻らない」と非医療者がざっくり言ってしまう状態を、脳神経科学はどのように説明づけているのか。
何より『ここまでは説明可能な仮説があるが、ここから先はまだ検証されていない』と正直に書いてある。扇情的なエセ科学本が蔓延する昨今、この一点をもって良書とするのは言いすぎかも知れない。
だが、先に挙げた解りやすさをもって良書とするのに、異議は少なかろう。
訳文がかなり原文よりなので、長文分割してくれたほうがいいのに、と感じる部分もあるが、『全く歯が立たない』ほどではなかったので星は減らさないことにした。
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すいすい読める。病気による脳機能障害や脳死の症例エピソードをもとに、意識と心と身体の関係と存在を論じるのはよくあるけどこ、の本のおもしろいのはさらに世界(環境)と繋げているところ。無意識と非意識、世界とつながる意識。脳死判定されても、たとえば体の一部を動かして、と呼びかけるとその運動を司る脳の領域が健常者と同じ反応を見せた事例が、今までのわたしの脳死に関する学びを一歩進めてくれた。
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意識やその他心的現象を、神経学と哲学的論考から解き明かそうとする試み。分野が分野だけに、ちょっとまだ推測、仮説の域を出ない話が多かったかなぁという印象を持ちました。込み入ってる割にはっきりしない、みたいな。
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アホの感想で申し訳ないんだけどすごく難しくて流し読みでは無理
興味深いところだけついつい~っと読むとそれはそれで内容がよくわからない
おばか向けの優しい内容としてのリメイクがあると嬉しい
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医学的事実に基づいた哲学の本。意識とか自我とかに関わる内容を扱っているのは良いが、いかんせん「哲学者」の書きっぷりなので、妙にくどくて長さの割に中身が薄い。