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某所読書会課題図書: 従順であることが,一般には社会人が持つべき性質だとされているが,本書ではそれを徹底的に論破している.幼児期に持っていた性質をそのまま引き継いだ形で成長させるには,母親のそれを受け入れる能力が重要だとの指摘(p.92)は納得できる考え方だ.権力者は従順な人民を最も好むのだが,それに反抗することは難しくなって来ているようだ.何とかしよう!
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平和で差別も少ない、と言われる日本に生きててたまにとてつもなく感じる気持ちの悪さ、それが「従順」です
これは江戸時代から続く国民性なのでしょうか?幕末に来た外国人も、日本人が「従順」なことにはとても驚いていました。
「従順」は自律的に考えることを放棄します。より良い世界を作ろうという意志を抹殺します。
最近の例では、女性問題なんてこれっぽちも考えていないのに、文科省から指図されると女性役員を増やす事に努力するような人たちです。それ以外で、自ら考えてジェンダー差別解消の行動をとったことなど恐らく1度もないでしょう
「従順」に勝つには「共感」が必要です。
実際に困っている人を見てその苦しみが共感できると、「従順」ではなく自ら考えて
何か変化を起こそうと行動するはずです。
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誰かの快楽が自分の快楽に置き換わってることなんて、多々ある。その比率が多くなってしまったら自分ってなんだったんだろうと自分が空っぽになる。私たちはいつのまにか誰かの支配下にいるのかもしれない。
従順でいることが良いとされがちな面はあるが、それが果たしてよいことなのか、本気で従順に対して直面している本だった。
従順にさせる支配者はまず自分自身を抑圧してるから、その抑圧エネルギーを他人に落とし込む。攻撃する。従順な人間は不安になり、攻撃者の言う通りになったり、顔色を伺う。
成績を大事にする者や、先生や両親を崇めるような人がその支配者になりやすいという一文、かなり腑に落ちた。逆に、両親や先生をいいところもあるし悪いところもあると思ってるフラットな人は、支配者でもなければ従順でもない。
従順を打破するためには1番最後の記述、
勇気、心、開かれた思考こそが従順を打ち破る力だと記されている。
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乳幼児に従順を強いる教育によって、私達は自己を疎外し、指導者に支配され従順であることを、気づかない大人になる。
(ここは大いに反省。怒ってごめんね。うちの息子よ。)
従順である大人は、独自のアイデンティティを持たずに、他の人間を破壊することに関心を持つ。自分の持ってないものを他者から奪い取らなければならない。ナチスのことが例にあげられている。
パワハラとかもまさにそう。自己嫌悪を他者に投影してる。彼らが攻撃するのは、まさに、自分が抑圧して他の人に転嫁される憎悪や攻撃性なのだ。
従順を強いられた人は、支配者に自己を統一化してしまう。虐待されたこどものこと。
パワハラ職場で、パワハラ上司の言うことを聞き、一緒に攻撃をしていたやつらのことを思い出す。
従順は、抑圧者の行動を覆い隠す。
ナチスのユダヤ人の大量虐殺のように。
社会に適応できない自分はだめだと思う。罪悪感を感じるのは、少なくとも従順を私自身も内面化しているのだと思う。
従順と戦うためには、無意識的な従順と戦うことが必要。それは共感が必要。人を数字のようにあつかわず、共にあるということの先に見える可能性。
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しんどかった。どうして読みはじめちゃったかなー。黒川清さんの英語版原発事故調査報告書の序文が目に留まり、読まなければと覚悟したのだ。従順の反対を反抗と言うのは欺瞞だよー、ただの自由意思じゃん、と気楽に対話したい。