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思ったほどミステリーでもなく、ファンタジーとも言い難い、現実世界から一歩あちらへ足を踏み入れちゃったかなというくらい。
違う世界が視える、視えないで言えば、前作の面影がちらほら見える感じ。
THORES様の絵から想像すると裏切られる。
もっとだれてるもん(笑)
料理や食事シーンにはだいぶそそられた!が。
著者様は、現実世界より撚りファンタジーを書かれる方が良いのではないかね?
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最初40ページほど読んで合わないな〜と思い、しばらく放置していました。かなり時間が経ってから再び挑戦してみたところ、読める読める。小説家モードに入ったヒロインのキャラが好きです。それと度々出てくる猫の描写ですが…個人的には終わり方が好みでした。想像が掻き立てられます。
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この物語の持つ奇妙さは癖になる。言葉の海を浮遊している感覚。悪夢から目覚めてホッとしてる半面、またあの世界に戻りたいような?でも現実も捨てがたいような?感覚。何にしろまたこのコンビにお目にかかりたい。
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タイトルに出てくる「一冊」は作中に登場したどの一冊のことなのか。読み終えてから少し考えて、この作品そのもののことなんだろうなという結論にすんなり落ち着いた。
たまたまこの本を読み始めたタイミングで私は熱を出していて、身体感覚が鈍って空間認識が危うくなると、物語への没入感もいつもより深くなる。
作中に登場する物語に引き込まれる田中さんの物語に更に没入する読書感。自分の現実までふわふわとした虚構の一部が紛れ込んできたようで、田中さんと同じく久々にこの感覚を味わったななどと思いながらぐいぐい読んでしまった。
うまく言葉に表せないけれど、あとがきに書かれていた影の主人公の話、そしてこのタイトル。私の中ではすとんと繋がって腑に落ちた感じ。
全く世界観の異なるお話だけど、お話の中のお話そして今ページを捲っている読者である自分自身を意識させられる雰囲気は同じ作者さんの「世界画廊の住人」も思い出した。こちらもまた読み返してみようかな。
この一冊だけだと物足りないので「ある小説家をめぐるもう一冊」が出るなら、また読みたいなあ。
あと、料理の描写の丁寧さと温室のシーンの描写も好き。どちらも匂いや空気の湿り気が伝わってくるようだった。
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どうしても、小説家や本や図書館がモチーフと聞くと、気になってしまう傾向にあるワシがまんまと手に取ってしまった現代ファンタジー。
小説に書いたことが現実になってしまう、ということを気にしている若き女性小説家と編集者がメイン。基本設定を含めて怪異な現象は起こっており、ファンタジーを醸しているのだが、今ひとつ「なぜ」が見えてこず、個人的にはその怪異要素が中途半端に感じてしまった。
メイン二人のキャラ立ては良いので、設定と現象により深みを感じると、もっと面白く読めた気がする。
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設定を生かしきれてない感じはしたかな。でもキャラクターと、キャラクターが繰り広げる軽快な会話はよかった!