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【退廃の世紀末。二人の天才を、“運命の女”が悲劇へといざなう】十九世紀末のロンドン。美貌とスキャンダルで時代の寵児となった作家オスカー・ワイルドと、天才画家ビアズリーの愛憎を描く。
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史実を元にしたフィクション。圧倒的な勢いで物語に引き込まれました。思わず、オスカー・ワイルドの「サロメ」も購入。ハマさんの美術を巡る物語が大好き。
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史実に沿いつつ、オーブリー、メイベルのビアズリー姉弟を描く。
メイベルをサロメに擬している(というか本作中ではメイベルが劇中のサロメに魅いられている)のは明らかで、それを象徴する大吐血したオーブリーの口から血を吸い出すシーンのイメージは、オーブリーによる挿し絵そのものだ。
本書を読みながら、ワイルドの「サロメ」も同時に読んだかのような気になる。
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2017年早々凄い本が出た…
何この愛憎劇は…
オスカー、ビアズリーを中心に皆んなの2人へ対する愛と言うより所有欲が凄まじくて地獄のような展開に。
世紀末のロンドンで、2人が天才同士、男同士にも関わらず深い関係だからこそ起きた歴史の一幕。
史実はどうか分からないけど、もしこれが本当の話だったら凄い事件だなと思った。
人間誰しもサロメになり得る…
泥沼っぷりが最高でした。
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カテゴリーは敢えてミステリーに。
この世界は嫌いではなく、とても興味深く読了。
聖書は全く身近かでないですが、なんでこんな話があるのだろう?とても興味深い。
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19世紀を代表する作家オスカー・ワイルドと彼の代表作「サロメ」の挿絵を描いたオーブリー・ビアズリーの物語をオーブリーの姉・メイベルの目線で描いた物語。時代の寵児と言われたオスカーと急速に仲を深めていくオーブリーに嫉妬するメイベルが恐ろしい…どこまで真実かは分からないけど、男色家として世間をあっという間に追われるオスカー、それに巻き込まれるビアズリー姉弟。そういう時代が確かにあったんだと実感する力作。物語にぐいぐい引き込まれ、長編とは思えないくらい、一気に読み終わってしまった。
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これはすごい。ワイルドとピアズリーの関係をサロメに擬えた傑作。
真実は知らない。でもこうだったらいい。
原田さんの作品を読むたびにそう思ってしまう。
オーブリーの最期も、オスカーの最期も、これでよかったのではと思わせてしまう。
愛と憎しみは表裏一体で元を辿れば同じものに辿り着く。
誰もが誰かを全力で愛して憎んで、その首をと願う。
サロメのごとく狂気に満ちた物語。タイミングを間違えて読んでしまったら此方側に戻れなくなりそうな気がする。
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本書を読むに先立って、平野啓一郎さん訳(講談社古典新訳版)のサロメを読みました。同書で、平野さんは、「モローだとか、ビアズリーだとかによって、ワイルドの≪サロメ≫は、随分と塗りつぶされてしまっている。」(「訳者あとがき」128頁)と指摘します。ワイルド自身の意図を超え、三島由紀夫をして「ビアズレイを選ぶことと、≪サロメ≫を選ぶこととの間に、そもそもどれだけの径庭があろうか。」とまで言わせてしまう、ビアズリーの挿絵の魔力は凄まじいですね。
「<サロメ>は誰によって書かれたと思いますか?」(本書19頁)という冒頭の問いは、まさしくここに繋がっていきます。
この出発点から、架空の未発表資料を登場させて、ちゃんと原田さんの小説世界は出来上がっていく。本書の主人公は、ビアズリーでもワイルドでもなく、メイベル=サロメなのだから。
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刺激的で、ドキドキし、焦り、不安で、物語の中で溺れるような
そんな感じでずっと読んでいた
ネットで見たオーブリー・ピアズリーの絵は不思議で
その不思議さがこの小説を支配しているような気持ち
すごい時間を過ごしたけれど、疲れた
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面白く読めました。サロメは今度読んでみたいと
思いました。また、ピアズリーの絵はどこかで見たことが
ありますが、もう一度よく見てみると、なかなかすごい絵
です。
原田さんの美術界の史実を使った小説は、絵を見ながら
読んでいくとひきこまれて行きます。
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19世紀末イギリス出身の画家オーブリービアズリーの人生、サロメの挿絵についてを姉メイベルの視点から描いたもの。劇作家オスカーワイルドとの絡みはこの作者の他の作品にはない、ドロドロとしたものだった。作品全体に妖異な空気が漂う
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出版から一年後…手に取るまで長かった。
今なお魅惑的なピアズリーの挿絵。
ワイルドとの破滅的な展開が、
輪郭と闇とが、入り乱れるのは必定。
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何冊目かの原田マハさん。
やっぱり美術といえばマハさんです。
読者が続きが読みたくなるツボをご存知で、ストーリーを引っ張るドロドロ感と緊迫感はさすがとしか言いようがない。
そして圧巻のラストの演出。
虚構か、現実かといろいろな意味で考えさせられる。
本書の題が「サロメ」なのも一つの仕掛けなのだと思います。
美術に関心がなくても、オスカーとオーブリーの関係や、メイベルのちょっと行き過ぎた兄弟愛にハラハラさせられます。
絵と音楽のそれっぽさを伝えるのは至難の技だと思うんですが、オーブリーの絵の妖艶さをうまく表現しています。
登場人物の誰にも共感できないストーリーでありながら、何かを渇望したり、禁忌の恋や関係性に溺れ、愛憎を向ける相手へのドス黒い欲望が読み手を惹きつけます。
危険な香りのする本ですが、やっぱり文体や人物描写は王道的なところもあり、万人が読める形にも落ち着いています。
人間の泥ついた感情を描いて入るけれど、描き方が絵画的。作られた作品なんだな、フィクションなんだな、そういう安心感もあるんですよね、
悪く言えばリアリティがあんまりないとも言えるんですが…。たぶん、あんまりにも台詞も人物描写も芝居がかったように感じてしまうことからきているのかも。
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原田マハ著作は『楽園のカンヴァス』以来2作目。『楽園のカンヴァス』のようなものを想像して読むと裏切られる。『サロメ』にはミステリー的要素はない。本書はオスカー・ワイルドとオーブリー・ビアズリーという2人の天才と、オーブリーの姉であるメイベル・ビアズリー、ワイルドの愛人アルフレッド・ダグラスの"サロメ"的愛憎劇である。読後感は正直あまりよろしくない。愛憎劇というにはあまりにも憎しみと狂気が物語を覆っているからだ。"サロメ"というモチーフが持つ狂気が物語の隅々まで行き渡っており、全ての愛は破滅へ向かっているようにすら思う。聖書の"サロメ"、ワイルドの"サロメ"に新たな解釈を加えた現代の新・"サロメ"だと、本書を定義付けるのは果たして乱暴だろうか。しかし本書の中で誰が"サロメ"たる人物であるかは、解釈の分かれるところだと思った。
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普段ハードカバー本は買わないけれど、妖しく緻密なイラストに目が離せず、思わず購入。
オーブリーのお姉さん、最初は健気できらきらしたイメージだったけれど、読み終わる頃にはすっかりサロメに見えてきました。。