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トランプ発言に便乗して、日米関係の不平等について戦後のお互いの政府の駆け引きを検証した著作。
冒頭の説明文書であるが、同じ同盟国でありながら、ドイツやイタリア、フィリピンとも違う、日米の奇妙な関係を、外交、占領の歴史を手がかりに繙くとき、見えてきたのは、主体性を失い続ける「日本」の姿だった。
自ら従属を深める日本。
真の独立のために何が必要なのか。
ということで、内容ですが、
第1章 従属の現実―世界に例を見ない実態
1 裁判権があるのに「裁判をしない」不思議
2 日本全土がアメリカの訓練基地なのか
3 ドイツは主権のために地位協定を改定した
第2章 従属の原点―日本とドイツの占領の違い
1 占領期にアメリカの意図が貫かれたかどうか
2 対米自主性のある人物が支配層になったか
3 独立と同盟への過程でも違いが広がる
第3章 従属の形成―「旧安保条約時代」の意味
1 マッカーサーが与えた「エジプト型の独立」
2 建前としても平等を放棄した旧安保条約
3 世界史に前例のない裁判権の全面放棄
第4章 従属の展開―新安保でも深化したワケ
1 自主性の回復が新安保条約の建前だったのに
2 積み重ねが従属を慣行にする
3 平和か戦争かの決定権がアメリカに
第5章 従属の深層―独自戦略の欠落が背景に
1 鳩山政権の普天間問題での挫折が意味するもの
2 日本型核抑止力依存政策とその形成過程
3 対米従属から抜け出す防衛政策への道
となっています。
読み進めれば進めるほど、日本の外務官僚の事なかれ主義に腹立たしさを覚えます。
徳川幕府が結んだ不平等条約解消に戦った明治維新政府の心意気を見習って欲しいものです。
この本の最後にヒントが書かれています。
「アメリカを変えられるのは日本が独自の哲学を持つ時だけ」
「国民自身の覚悟が問われている」
です。
日本の政府、政治、国民の何が問題点なのか、戦後の歴史を紐解いています。
一読の価値はあります。