紙の本
隠さないグリムの世界観。
2011/03/15 16:19
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:真愛 - この投稿者のレビュー一覧を見る
ディズにー映画『塔の上のラプンツェル』の公開を機に朧げな記憶しか無いラプンツェルを読み返してみました。テレビの予告等で観る美しい世界を想像して持っている絵本の表紙を見るとそれだけで全く違う話の様な気がしました。
案の定美しい長い髪をたゆたわせ塔から出た世界に歓喜する。。そんな描写はありません。そこはグリム童話特有の残酷さ後味の悪いハッピーエンドが広がっていました。
初めは[ラプンツェル]って今で言うレタスの事なんだ、へぇ〜、と思っていましたが魔女の育てたレタス(ラプンツェル)が引き金で始まるとは思いませんでした。最近類を見ない極悪魔女。その魔女がレタスを食べた夫婦に身ごもった子どもを産まれるや否やレタスを盗んだ代わりに有無を言わさずかっさらって行きます。その子をラプンツェルと名付け大切に育て、12歳になると塔の一番上に住まわせ一切外と関係を絶たせます。魔女はラプンツェルの長い髪を使いラプンツェルの元へ行き来をする。そんな折り通りかかった王子様がラプンツェルの歌声に魅了され密会を繰り返します。勿論魔女にバレない様に。しかしポロッと口に出してしまったラプンツェルによってラプンツェルも王子も魔女の怒りに触れ大変なことになります。だけど何とか奇跡の様に助かる二人。童話らしい、とその時やっと感じました。幾年も掛け魔女にもしっぺ返しがきます。
最近の絵本では読む事の無い言葉のチョイス、描写。この本が今では購入出来ない訳がわかりますが逆にグリム童話本来の姿を見た気がしました。情け容赦ないストーリー展開に大人のわたしでさえ恐怖を感じます。しかし無闇にオブラートに包むぼんやりした物より刺激があり幼い頃読んでもらったり読んだりした懐かしさを覚えました。時にはこの様なむき出しの表現がされた本があっても良いのかもしれません。
紙の本
グリムらしい
2020/11/26 18:23
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投稿者:owls - この投稿者のレビュー一覧を見る
限定復刊されたのを知らず、なかなか手に入らず、やっと購入できました。色々な挿絵で出版されている有名なお話ですが、この絵本はグリムらしい暗さが濃い感じです。ホフマンの絵が、独特の世界観を築いていて興味深くよみました。子どもの時にであっていたら、怖かったかも。
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何かしら間違った人は不幸になっている話。特に何もしていないのであれば塔から飛び降りても平気だという話。おいしいレタスの話。
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(2011.04.11読了)(2011.04.06借入)
映画「塔の上のラプンツェル」を見たのですが、原作はどのようなものなのか知りたくて、読んでみました。
映画では、ラプンツェルは、国王夫妻の子供と言う設定ですが、この絵本では、貧しい夫婦です。ラプンツェルと言うのは、レタスのことだそうです。
妻が、隣の魔女の家で栽培しているレタスを見ているうちにたまらなく食べたくなり、「レタスを食べられなきゃ、死んでしまうわ」と夫に言うものですから、夫は隣の庭に忍び込んで、レタスを取って帰り、妻に食べさせます。
翌日になると、妻はもっと食べたいというので、夫は、また、隣の庭に忍び込みますが、魔女に見つかってしまいます。
魔女は、また、レタスを取りに来たときは、これから生まれてくるおまえたちの子供をもらうという条件で、夫を解放してくれました。
夫は、再び来る気はなかったのですが、2~3日したら、また妻がせがむので、やむを得ず、レタスを盗みに行ったら、魔女に見つかってしまいました。
夫婦に子供が生まれると、魔女がすぐさまやってきて、子供を連れて行き、ラプンツェルと名付けました。
ラプンツェルが12歳になると魔女は、その子を森の奥の高い塔に閉じ込め、階段をはずし、戸口をふさいでしまいました。
魔女がラプンツェルに会いにくると、塔の下で、「おまえの髪を下げとくれ」と呼ぶのです。
15メートルもある髪を塔の下まで垂らすので、魔女はそれをよじ登ってくるのです。
何年かたったある日のこと、近くを王子が通りかかり、ラプンツェルの歌声を聞きつけます。塔の入り口を探しますが、見つかりません。
諦めきれずに、毎日森に出かけては、ラプンツェルの歌に耳を傾けていました。
ある日、魔女が塔に登るのを見て、「おまえの髪を下げとくれ」と呼びかけてみました。
すると髪の毛が降りてきたので、塔に登って、ラプンツェルと会うことができました。
王子とラプンツェルは、お互いに気に入って、夫婦となることを約束します。でも塔から抜け出す方法がありません。王子が来るたびに絹紐を一本持ってきてもらい、ラプンツェルがそれではしごを編むことにします。
ある日ラプンツェルは、魔女に王子のことをしゃべってしまいます。
魔女は怒って、ラプンツェルの髪を切ってしまいます。
結末は、書かずに置きましょう。
(2011年4月12日・記)
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最後はちょっと怖いお話でしょうか。
かみのながいラプンツェル。
途中は怖い思いをします。
最後に怖い思いをするのは誰でしょう。
グリムらしい、ちょっと怖いお話かもしれません。
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何度読んでもおばあさんがかわいそう。
大事に育てたキャベツ(ラプンツェル)を
二度も横取りされたあげく
自業自得と言われるなんて。
魔女差別(笑)としか思えない。
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ねむりひめと違って
妖精じゃなくて魔法使いが出てくる
本当は、ラストにつらい思いをして
出会えるらしいけど
こちらは、素直にハッピーエンドです
魔法使いのレタスを盗むなんて
ラプンツェルのママは何てことしちゃったんでしょうね
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Coccoのアルバム「ラプンツェル」でその名を知って以来、なんとなく気になっていたけれど、そのままにしていた。
今回、瀬田貞二作品をよむにあたって、いい機会なので借りてみた。
グリム童話。
子のない夫婦は、魔女のラプンツェル(レタス)の代わりに、生まれた子どもをさらわれる。
魔女はその子にラプンツェルと名付け、天下一の器量よしになると、森の奥の塔に閉じこめる。
「ラプンツェルというのは、いまでいう レタスのことです。」!
まず、それに驚いた。
話の筋は、なんというか、よくあるおはなし。
残酷だけれど残虐ではない。
『ねむりひめ』同様、暗い色調なのだけれど、それがまた、鬱蒼とした森と魔女の感じに合っている。
ときどきでてくる見開きの絵が、美しいこと。
ラプンツェルと王子が塔で見つめ合うシーンなんて、どきどきしちゃう。
見返しの360°の森の視点も、とってもすてきです。