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時は、天保九年。大飢饉と悪政により、江戸の町には窮民が溢れかえっていた。
強請りたかりを生業にする茶坊主・河内山宗俊は、時の老中・水野忠邦にとらえられ、ある謀略を持ちかけられる。
幕府の金で私腹を肥やす不届き者から、金を根こそぎ奪えという。
狙いは大御所・徳川家斉の側近中の側近、中野碩翁の隠し財産十万両に定まった。
しかし、贅を尽くした中野屋敷の金蔵には、危険なからくり罠が何重にも仕掛けられている。
予測不能の騙し合いの果てに浮かび上がる、真の目論見とは――! ?
災害、貧困、悪政……息苦しい世を陽気にエネルギッシュに生き抜く、痛快エンターテインメント小説!
無謀も無謀の大博打に挑むのは、一癖も二癖もある悪党たち――。
悪に強いが情に脆い騙しのプロ、河内山宗俊(こうちやま・そうしゅん)
ニヒルな流れ者、片岡直次郎(かたおか・なおじろう)
無口だが頼れる軽業師、暗闇の丑松(くらやみのうしまつ)
謎めいた吉原のNo.1花魁、三千歳(みちとせ)
天才からくり技師、国友突貫斎(くにとも・とっかんさい)
父親想いの密偵、芳野波路(よしの・なみじ)
さても揃いし悪党どもが、生(ノル)か死(ソル)かの大勝負。
敵が味方か味方が敵か? 賽の目次第の騙り屋稼業、
運が悪けりゃオサラバさ!
軽妙にして大胆。
洒脱でありながら懇篤。
こういう自由で小粋で痛快な時代劇を、
太秦か帷子ノ辻でいっぱい撮って欲しいです。
――樋口真嗣(映画監督など)
「シン・ゴジラ」「ローレライ」