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短編6作。
ページを開くとあっという間に取り込まれ、物語に入り込みその世界をとても近くに感じる。
ダークで哀しみに渦巻く世界に、一縷の光を見る。救われるのか救われないのか、それはまた別の話。
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短編集。相変わらずの恒川節。でもやっぱ、中長編のほうが個人的には好みです。表題作と、最後の虎と人の交流の話が気に入りました。
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貌のない神は、喰う――。赤い橋の向こう、世界から見捨てられたような禁断の地にさまよいこんだ私。
かの地の中心には、顔のない神が坐して、輝きを放っていた。万物を癒やす力を持つその神には、代々受け継がれている秘伝の奥義があった。そのことを知った私がとった行動とは?(「無貌の神」)デビュー作『夜市』を彷彿とさせる表題作ほか、生きることにつきまとうやるせなさをあぶりだしながら、時代も国籍もジャンルも縦横無尽に飛びこえ、自由闊達、神話的な語りの境地をみせる傑作ブラックファンタジー全6作!
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久々の恒川サン♪ なかなかよろしいw
「カイムルとラートリー」だけ、ちょっと異なった趣だったけど、それもまたよしw
この世ならざる和風情緒が漂う表題作ほか、流罪人に青天狗の仮面を届けた男が耳にした後日談、死神に魅入られた少女による七十七人殺しの顛末、人語を話す囚われの獣の数奇な運命…暴力と不条理にあふれた世界に生きるやるせなさを幻想的にあぶり出す、大人のための暗黒童話全六篇♪
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短編集。時代を越えて、世界を越えて、この世ならざるものの未知なる力を感じます。表題作「無貌の神」の循環が無情。「カイムルとラートリー」が好き。獣いい。
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恒川さんの本はいつだって飛びつくように買う。
スタープレイヤーも楽しく読んでいたが、今回みたいな雰囲気は久しぶりな、ホーム感がある。
青天狗の乱、死神と旅する女、カイムルとラートリーがお気に入り。
でもやっぱり和風長編が読みたい。欲を言えば風の古道みたいなやつ
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貌のない神は、喰う。赤い橋の向こう、世界から見捨てられたような禁断の地で、代々受け継がれている奥義とは? 暴力と不条理にあふれた世界に生きるやるせなさを幻想的にあぶり出す暗黒童話全6篇。
最近作風が変わってきた恒川光太郎だけど、この短編集冒頭の表題作はかつての作品を髣髴とさせる暗い、救いのない短篇で、「これは私の好きな恒川作品に近い!」と感じさせるものだった。他の作品も怪談専門誌「幽」に連載されたものだけあって、どれも趣のあるものだった。
(A)
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伝奇ホラー短編集。幻想的で美しい雰囲気を持ちながらも、案外と残酷で凄惨な物語が多いです。でも嫌な感じよりもむしろ神秘的な印象が強いかも。
お気に入りは「死神と旅する女」。一見とてつもなく恐ろしい物語のように思えたのだけれど。「死神」の目的を考えてみると、こういうのがあってもいいのでは、と思えてしまいます。フジの成長も読んでいてすっきりさせられるし。
表題作「無貌の神」も印象が強い作品。「神」も怖いのだけれど、なんの疑問も持たずに暮らしている人たちの姿がとても怖く感じました。でもこれは、現実に当てはめてみてもあることなのかもしれません。
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「スタープレイヤー」シリーズも楽しんでいますが、作者の神髄といったらやっぱりこういうホラー系統の話、だと私は思っているので、今回の短編集はとても楽しみで、かつ読んで大満足でした。
日常と非日常がひそやかにまじりあっている世界観、グロテスクばかりではなく、大きな暗い穴を覗きこまされているような茫漠としたおそろしさ。一見淡泊な文章に紡がれたその奥行き知れない異世界が、とても魅力的なのです。
表題作の人知を超えた無慈悲さ、死神と少女の奇妙な旅道中、とらわれた獣と少女の半生…短編で描かれるのはどこもこの世にはないものであるはずなのに、気が付けば情緒を感じ、この世界の裏側にひそやかに佇んでいるような、そんな質量を感じました。
とても素敵な、そして恐ろしい、お話たちでした。
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★2017年3月18日読了『無貌の神』恒川光太郎著 評価B+
短編6作品 それぞれの関連性はない。やはり表題作が出色か?!
恒川氏らしいミステリアスで良質な作品が並んだ。彼の作品は、高レベル安定。ただ、前作のスタープレイヤーやヘブンメイカーのような新境地も積極的にさらに広げていって欲しい気がする。
1.無貌の神 戦中から戦後の田舎にあった貌のない神様に支配された村
2.青天狗の乱 江戸時代の伊豆諸島流刑地に現れた青色の天狗が悪役人に天誅を下す。
3.死神と旅する女 死神の手先となって約束の77人を殺害したフジとその死神が描いた未来図とは?
4.12月の悪魔 影男に自分の思い出を食われた男女は、実は社会から抹殺された無期懲役または要注意人物だった。
5.廃墟団地の恩人 風に戻れなくなったサブロウは、唯一の人間の友達裕也を助けて犯罪者の肉体を乗っ取る
6.カイムルとラートリー 人の言葉を話す崑崙虎のカイムルと彼を誕生日プレゼントとして貰った第三皇女のラートリーのお話
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久しぶりに初期の頃の恒川さんみたいな雰囲気を味わえて良かった。
どこかにありそうで、やはりない世界。今の世界と同じようで、違う世界。
破滅的になるのか救いがあるのか、緊張感がたまらない。
表題作の「無貌の神」、「死神と旅する女」「廃墟団地の風人」「カイムルとラートリー」が好み。
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閉鎖的な村の神の存在をめぐる表題作ほか、全6編を収録した短編集。現実と異界との境が曖昧な、ホラー要素が漂う。
人間のやるせない哀しみ、喪失感をまとった異世界は、作者のデビュー当時からの大きな魅力だ。
少しだけ軸がずれ現実と隣り合わせに存在するような世界に、神や死神、架空の動物などを登場させているが、決して奇想天外ではない。現実の情け容赦のない無力感や暴力を背景に描くことで、ホラー要素が浮き上がることなく見事に溶け込んでいる。
やりきれない読後感のものが多いなか、最後の一編で救われる。それを考慮しての作品の並び順なのだろう。
本を閉じたあと、ぼんやりと余韻をかみしめたくなる一冊だった。
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恒川光太郎久々の短編集。
以前の「ここではないどこか不思議な世界観」は健在ではある。若干の物悲しいお話や後味がちょっと悪いものもあったりもするので好き好きではあると思いますが、自分は面白かったです。読み終えてどれもこう、うすら寂しい感じがするというか。続きが読みたいな、とどれも思わせてくれる素敵な短編ばかりです。
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ここではないどこかの話にひきこまれる。ハッピーエンドではない話もあるのに読み終えて全てスッキリした気持ちになる。最後の話があれで良かった。爽やかに読み終えた。
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少し不気味な幻想短編集。独創的な世界観で、どの話も夢中になって読みました。嘘寒い雰囲気が漂うのに、根底には優しさや勧善懲悪があり読後感の良い短編集でした。表題の1作目「無貌の神」も秀逸ながら、「死神と旅する女」はスカっとし、「カイムルとラートリー」は感動作で、本当に最初から最後まで楽しめました。文庫が出たら手元に欲しいくらいです。個人的に傑作。