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「『予防医学』に関する考え方が変わりました」
予防医学が叫ばれている昨今ですが、本書を読んで自分の予防医学の定義が塗り替えられました。
これまでは人間ドックや定期検診を受けて早期に病気を発見することが予防医学だと考えていました。ところが本書では、検査等で病気を発見することに重点を置くのではなく、個人レベルで病気に罹らない生活をすることだと言っています。
検診などでガンを早期発見するという重要性は理解できますが、ガンが発見された時点で、その悪しき細胞は体内で20年という長い年月をかけて増殖してきており、その数は10億個にも達していたりするのです。そして、定期検査を受けていても、このサイレントキラーはやすやすと検査を擦り抜けてしまうこともあるのです。
そうしたことを踏まえれば、本当の意味での予防医学とは、医者に全任して病気を発見してもらい、治るかどうか分からない病気の治療をしていくことではないのかもしれません。本書を読んで思ったのは、自分の健康には自らが責任を持つことが何よりも重要だということです。もちろん、病気に罹る確率をゼロにすることは不可能だ思いますが。
しかし健康に関しては、メディア、製薬会社と食品会社、さらには政府や専門家でさえ言っていることがバラバラで、何を信じていいのかわからなくなるのも事実です。
でも、あまり難しく考えず、活力があって、頭が冴えている状態でいるためには、きちんとした栄養を摂ればいいだけのことです。日本人の食生活ではタンパク質や脂質が少なめで、炭水化物や糖質を多く摂りがちです。また、ミネラルやビタミン類も不足しています。
私は実際にタンパク質の量を増やし、サプリでマグネシウム、亜鉛、ビタミンBやCを取り始めたところ、疲れにくい体質になり、以前よりも筋トレでは筋肉が付くようになりました。また、しっかりと栄養を摂ることで、スイーツなどの甘いものを食べなくなりました。
少し不思議だったのは、著者は断糖や低糖質を推奨しておらず、白米を食べてもいいと言っています。こちらの本の初版はかなり前に書かれたものだと思うので、現在は分子生物学がどんな栄養素や食事内容を勧めているのか、今後は調べていきたいを思いました。