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島に公安の魔の手が迫り、いつあの3人が捕まってしまうのか?
とハラハラ・ドキドキの臨場感は半端じゃなかった。
でも、その後の白狐と正光との戦争時代の回顧は結構長く感じてしまった。
それが、軍部によって実際の行われた卑劣な、人間のましてや、戦闘力の無い女性や子供の命を全く無視した結果の、痛ましすぎる都市空襲での莫大な被害者数。
情報操作の恐ろしさがかなりのページ数を使用してしっかり書かれていた。
大本営発表の内容が嘘八百なのは知っていましたが、大都市空襲の怖さを知りながら、それを軍需物資を作るためや、日本の負けている実態を知らせない為に隠ぺいし、その為に死ななくても良い多くの命が失われたことに対する罪はひどすぎる。
同じようなことが起きないように、しっかり自分の目で情報をきちんととらえて考えられる力をつけていきたい。
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戦中の箇所は資料資料していてさすがに読み飛ばす。
ただ、マスコミはどの時代でも都合のいいフェイクニュースばかり流す、ということを、著者の読者であろう若い世代が知るのはいいことだ(テレビや新聞を信じる情弱な高齢者より、ネット情報に精通している若者にはもはやマスコミの嘘つき加減は浸透しているだろうけど)。
上下力作、お疲れ様でした。
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読み始めてすぐに真相らしき物が見えてくるのに、このボリューム。たまらん。
丁寧に丁寧に書き込まれている。深い。
えーっとミステリ的な要素についての謎解き部分はすっとばしたがな。
タイトルの意味がはっきりしていないが、伝わる物はある。何よりこの本の装丁が素晴らしく好き。
何はともあれ読んでほしい一作。
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上巻はいっきによんだが、下巻でぐずぐず、
ちょっとお年寄りの昔話が長かったかなぁ
そこがないと話が成り立たないのかもしれないが、なんか疲れちゃった。
作品としては良かったと思う。
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読み応えありです。正光の指さしからどんな展開になるのか興味津々でしたが、そっちですか、と思ってもいなかった方向に脱帽です。今の時代を見事に描いています。ラストはよくありそうな抽象的なものではなく、具体的なラストで良かった。
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公安の執拗な追跡を逃れ、今行われようとしている陰謀を暴こうと、3人組は協力者の助けを借りながら、縦横無尽の活躍をする。
もはや絶体絶命だと思わせながらも、彼らはそんな危機を再三にわたって乗り越える。読者は、その活躍に爽快感を感じながら読み進むことができる。著者の筆の冴えは、作品ごとにグレードアップするようだ。
しかし、この作品は、そんなハラハラドキドキの面白さばかりではない。
この書は、著者が脚本家として、テレビあるいは報道の現場でそのアンテナに引っかかったある兆しを、小説の形式で書き下ろした、現代への警告の書として読むこともできるのではないだろうか。(むしろ、著者の意図はこちらか)
「ひとつの国が危険な方向に舵を切る時、その兆しが端的に現れるのが報道です。報道が口を噤み始めた時はもう危ないのです」
「しかし、いいですか、常に小さな火から始まるのです。そして闘えるのは、火が小さなうちだけなのです。・・・大火となればもはやなす術はない。もう誰にも、どうすることもできないのです」
戦時下、大本営の報道に携わった元軍人が、後悔の念に駆られながら慙愧の思い出語りかける。
そして我々の時代に目を向けた時、戦時下に類似した行為が、今どこかで進められていないだろうか。
小説が時には、時代を先行してそれを暗示する。
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あの時、あの場所で、一人の老人が何もない空に向かって指差していたもの。
真相とその背景が分かりただただ泣けた。
あまりにも理不尽。何が真実で何を信じれば良いのか…。
時代のせいだった、と簡単には済まされない。
あの戦争での色々な立場の人が出てきたけれど、誰もが後悔の念を背負って生き続けている。
思ったことを話し悲しい時に泣き可笑しい時に笑う、そんな当たり前の自由はこんなにも有り難いものなんだ。
今回もキャラの違う3人の絶妙なやり取りにより、笑い怒り泣き等読み手の様々な感情を巧みに引き出す太田愛さんの文章力に唸った。
回を追う毎にスケールも大きくなっていって、是非とも映画化してほしい。
3人の各々の生い立ちも分かり内容的に深みも出たところで、次回作にも更に期待したい!
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事実を隠す、捻じ曲げる、権力で、
無実の人、その周りの人生を歪める
それは戦時中も今も変わらない
ということがとても恐ろしい
それでも、ちゃんと事実を日の目に出した3人はもちろん山波の正義が報われてよかったです。
2017.10.29
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面白かった。
戦争苦手の私には
喜重さんの話は結構きつかったけれど。
飛ばそうと思ったけれど、頑張ってナナメ読みしました。
報道の操作の恐ろしさ、
私達が自然と刷り込まれていること。
みんな、報道に携わる人は、
これほどの覚悟があるんでしょうか。
1人1人にききたくなった。
報道や権力について考えさせられたり、
怖いと思うところもあったけれど、
人が人を大切に育てたいと思う、
本当に全うな気持ちが、
何よりも大切にされるべき、
されなければならないと思う。
子ども達はこの国の未来そのもの。
その通りだ。
島のおじいちゃん達がかっこよかった。
特に島をでるところ・・・
この3人の話は前作があるのだね、
勿論読みます。
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おじいちゃん達が主人公でしたか!防災7つ道具を信じて疎開しなかった人達の話が心にくる。1章から2章への緩急が好きだ。
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12月-4。4.5点。
行方不明の公安刑事、戦時中の悲劇、マスコミへの介入。
散らばったテーマを、圧倒的な筆力で一気読みさせる。
スピード感あり、上下700ページ超をあっという間に読んだ。
ラストの手紙は感涙。。
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「犯罪者」「幻夏」シリーズ、待望の文庫化。
奇しくもこれを読んでいたのは3月9日。東京大空襲の日でした。
狙ったわけではありませんが、当時のそれぞれの立場での苦悩、次の世代への責任感、このタイミングでそれを感じる機会となりました。
犯人(?)がわかってからの真相解明のターンがとにかく苦しい。
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久々の上下巻、期限内に読み切るかなと不安だったけど、全くの杞憂だった。登場人物が多くて混乱する場面はあったにせよ夢中で読んでしまった。とにかく面白い。一級のミステリー。
この作品は面白いだけじゃなくて完全に社会派ミステリー。
根底には作者の強い危機感が流れている。
ここ数年、秘密保護法や共謀罪の成立をめぐってメディアで大きく取り上げられたりデモが繰り返し行われた。
正直、私は実害を感じることもなく対岸の火事のような思いで、きちんと目を向けることもなかった。
むしろ、なぜメディアは大騒ぎしているんだろうと。
この本を読んで完全に考えが変わった。なるほど、そういうことだったのかと。
小さな火のうちに消しておかないと取り返しのつかないことになる。太平洋戦争の時に日本で何が起こっていたのか。自由にものが言えない結果どうなってしまったのか。
他のレビューでも書かれているとおり、いささか戦時下の描写が長すぎる気もする。しかしこのくらい詳細に描かないと伝わらないのかもしれない。
作中にもあるように、戦争体験をしてきた人はみな高齢になっていて、直接話を聞く機会も格段に減っている。
だからこそ今のうちに書いておかなければならないのだろう。
その他の描写は全くだれることもなく手に汗握る展開の連続。それぞれのキャラクタの人間味あふれる個性が緻密に計算しつくされたプロットに相まって、どんどん引き込まれていった。
最後の最後の手紙がこれまた泣かせるんだな・・・。
この小説に心わしづかみですよ(笑)
太田愛さんて初読みだったけど、なるほど脚本家なのねー。
納得です。もちろん小説家としても一流ですね。
東野圭吾なんかより断然面白いんじゃないの?
この作品、シリーズものらしいので他のも全部読みますよ。
あの主人公たちにまた会いたい!
できることなら映像かも是非!
でもどうしてこんな面白いのに本屋大賞ノミネートされてないの?不思議ー。
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今の現実の日本でも、世界情勢について情報操作されていたら…?気づかないうちに誰も止めずに戦争に向かっていってしまったら…?と思うと怖い。
昔と違ってメディアや、インターネットの発達している時代だから不可能なはずなのに、これを読むと少し怖い…。
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02/19/2018 読了。
図書館から。
一気読みでした。
喜重さぁぁぁん!
教科書でしか戦争を知らないけれど、
それを経験した方はまだご存命なんですよね。
同じ立場には決して立てないし、
経験は感じることはできないけれど、
そういうことがあったということを留めておかねばいけないのだろうな、と。
物語はフィクションだけど、全くのそれではないのだから。
次作の発売を楽しみに待っています。
鑓水の過去とかも今後出てくるかな、さらに。