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曳舟島に迫り来る追っ手。白狐はあの人だった。勝負に出る三人+山波と鳥山、それに兵頭。→読むのに時間がかかった。戦時中の章は特に、毎晩読みはじめては寝落ち…。戦時中の報道について、こんな事実があったとは…作者の太田愛さんはテレビの人なので、問題意識を持って挑んだのかもしれない。
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ドキドキするストーリー展開の合間に、ふいに挟まれる風景描写が美しくて好き。個人的に馴染みのある方言も引き込まれる要因だったかも。
三部作と言わずまたこの三人の出てくる作品を読んでみたい。
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太田さん、どれだけ天才なのって思う。
渋谷のスクランブル交差点のど真ん中で天を指さし絶命した老人からはじまり、太平洋戦争の戦前戦中戦後、そして警察公安の闇。
戦争の本かと思うくらい当時の話にかなりのページを割いて細かく描かれている。
戦争に興味が薄い人は、少し苦痛に感じるかもしれないけど、当時の日本の状況など、すごく分かりやすく面白く書いてある。
言論の封鎖と弾圧により多くの女子供の命が奪われた日本。リアルすぎて怖い。この本は、フィクションだけど、戦時中の政府と軍の話はきっと9割以上が真実のはず。
公安、政治、報道が国を亡ぼす。
戦時中の事だけでなく、今現在のコロナ禍でも当て嵌まりそうで寒気がした。
現代は、ネット社会で良くも悪くも言論の自由とだれでもそれを全世界に発信ができる。と思われるけどネットの規制をすれば一気に戦時中と同じ状況に陥る可能性もあるのでは。
国民のほとんどがオリンピックに反対しているのにオリンピック開催になだれ込む日本と戦争に突入していく当時の日本がリンクして見えてゾッとした。
そして、今回もクライマックスは心臓バクバク。
本当に心臓に悪いから。
かなりの長編だっただけにロスが大きい。
鑓水、相馬、修司の三部作これで全部読んでしまったけど、シリーズ化してくれないかなぁ。新刊お願いします
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正直、立住の冤罪をでっちあげることで報道業界が変わる…?と思った。戦時中の章を読むまでは。本当に、小さい火から始まる、恐ろしい報道規制による国民の戦争賛歌。非常を常とされ、当然とされていたら。やっぱり自分も普通に思い、国のために死のうと考えたのだろうな。報道官としての正光の苦しみ。新聞記者としての喜重のもどかしさ。声が上げられないことの恐ろしさ。経験しないと本当には実感することはないのだろうけど、それは絶対経験してはいけないことなんだな。
公安の半田はどこまでも悪者として書かれているけど、半田も公安の規律に忠実に生きてるだけであり、それもまた正義っちゃ正義なんだろうな。
今回も、色々と勉強できたし考えさせられた。
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鑓水、修二、相馬のトリオとマスコミをコントロールしようとする公安と政治家。
情報を操作して、戦時下多くの人を死に至らせた。
その後の人生を医師として、教員として生きた二人の絆が、そして瀬戸内の島の共同体とも言える老人達の連携、絆。
読みごたえがあった。しかし思いがけない展開に夢中になっていました。
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老人と山波の繋がりを追ううちに、たどり着いた曳舟島。
島の老人達から改めて知る、戦争での酷い出来事。
家族の前でもうかつな事は何も話せない時代。
戦後数十年経った今も、政治の圧力により握り潰される事実。
どうなってしまうのかハラハラしっぱなしで読み進める。
どんな窮地に陥っても、間一髪助かってきた三人だったが鑓水が捕まった時は終わったと思った。
修司、相馬、今回は鑓水の過去がわかり、益々作品のファンに。
映画化しないかな~。
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CL 2022.10.10-2022.10.12
国家の都合のいいように世論を作っていく。
なんとも恐ろしい。これが決してフィクションだけにとどまらない、現実の現代の日本でもあり得るという恐ろしさ。
気づいた時には誰も何も言えなくなっていた。
重くて恐ろしい事件だけど、鮮やかな伏線回収、どんでん返しの連続、チーム戦に、3人の掛け合い漫才。楽しいのよね。
そしていつものギリギリの反撃。
これがまたよく考えられていて素晴らしい。
このシリーズ、次はないのかな。
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失踪した公安警察官山波の捜索のため、鑓水、修司、相馬は瀬戸内海の離島曳舟島にたどり着く…。山波とスクランブル交差点で絶命した正光が接点を持っていたことが判明し、正光が戦時下を一緒に過ごした「白狐」を訪ねてのことだった…。島に暮らす正光と同年代の老人達、彼らは苦しくも悲しく凄惨な戦時中の記憶を抱えていた…。山波の目的は?「白狐」は誰か?その裏にある事件の真相は??
上巻を読み終え、すぐに下巻も読まなきゃっ!いや、読みたいと、一心不乱に読み続けました!!読み切ったあとの、満足感、半端ないです。戦時中の描写に関しては読んでて辛くなりほど、忠実にかつ詳細に描かれています。情報操作って、今も戦時下も恐ろしいです…。正光と「白狐」との間の友情…友情とひと言で言ってしまっていいのか迷いますが、最期まで2人の目指すところは一緒だったんだと思うと、何とも言えない読後感を得られます!読み切っちゃった…続編、熱烈期待します(^^)
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これは自分が読んだタイミングが余りにもタイムリーで鳥肌が立つ思いだった。
テレビや新聞等で毎日のように流れるコロナ、戦争、宗教、芸能界を発端とした事件…
最近報道というものの在り方が疑わしく思い始めたところに読んだものだから本当に驚いた。
この本が出版されたのは2017年。本当に凄い。
物語内で語られる戦争体験。自分はずっと祖父のことを思い出していた。シベリアで捕虜になり、運良く帰って来る事ができたが確かに当時の事は殆ど語られる事はなかった。晩年になってから少し語るようにはなったが、それはもしかしたら正光達のような思いがあったのかもしれない。
今回は三人の奮闘が比較的身を結んだ方かな?うまくすり抜けた人もいるけど。
新メンバー?の四郎が個人的に癒し。
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取り返しがつかなくなるまでに自分がやるべきことをやる。強い思いが心に刺さりました。久しぶりに涙がこぼれた。
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感想は上巻に。
ダ・ヴィンチ2017.4月号「天上の葦」インタビュー(部分)
https://ddnavi.com/news/355618/
執筆には時間がかかったというが、政権政党から公平中立報道の要望書が出されたり、その当時政府によるメディア統制のような空気があり、これは今書かねば、と思ったということだ。
太田愛公式HP
https://www.ai-ota.jp/
太田愛ブログ
https://ameblo.jp/gralphan3/
ブログ2017.3.2にインタビューを受けたとの記事
https://ameblo.jp/gralphan3/entry-12249755517.html
「ブック・バン」文庫版の解説・町山智浩氏が公開されている
https://www.bookbang.jp/review/article/607063
法学者・水島朝穂氏HP(早稲田大学)2017.6.12
介入と忖度・・水島朝穂氏と太田愛さんの対談
(「世界」2017.6月号)
防空法と疎開の記述について水島氏の著作から多大なる示唆を受けた、と太田氏が記しているので対談が実現。
http://www.asaho.com/jpn/bkno/2017/0612.html
2017.2.18初版 2018.5.20再版 図書館
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一気に読んだ。権力に絡めとられない機敏な動きと、事実を伝える声を上げる、当たり前の権利を死守する覚悟ある人々のドラマ、読みごたえありました。
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毎朝通る道ですれ違う保育園児達のお散歩。
「こんにちは」と言ってくれるあどけない声…そんなことを思い出して無性に涙が止まらなかった。それはどんなことをしても護らなければいけないことなんだ。そんな覚悟を持った人達のお話。
様々に張り巡らされた伏線が回収されていくさまには毎回驚かされるが今回も見事としか言いようがなかった。その伏線一つ一つに込められた人の思いや背景がとても深く切ない。
[まるで空気が薄くなるように自由がなくなっていったあの時代]無関心でいてはいけないんだよね。
読みながら思い出したことがある。
祖父が戦時中にお風呂場で「日本は負けた方がいい」と話したことが漏れ警察に捕まったこと…実家が資産家だったからお金を払って釈放してもらったこと…私が祖母に聞いた戦争の話でこれが一番心に残っている。そんな時代が本当にあった。そしてそんな時代を醸成させてはいけないのだ。
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戦争の記述はノンフィクションなんだろうな。
戦争の時代を生きてきた壮絶な生き様に、圧倒され、胸が潰れそうになりました。
今の当たり前の日々に感謝して生きなければならない、
もう、これ以上子どもが苦しむ世の中を作ってはならない。
これはできるだけ多くの人に読んでほしいです。
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この作者の他の作品を読みましたが、ストーリーがよく練られていて、飽きさせない展開で面白いと感じました。本作品も少し長いと感じましたが、作品の世界に入りこんで読めた気がしました。