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カフェに来店する人の困りごとを紙野くんは古書部門にある本を買ってもらうことで解消する。なぜその本なのか、がミステリとしての主眼。ブックガイドとしてもけっこう楽しい。
前巻で紹介されてて読んだ『パン屋のパンセ』はとてもよかったので続編も読もう読もうと思いつつ5年ほど間があいてしまいました。今回も興味を抱かされた本がありました。
■心覚えのためのメモ
ブログを読んでくれている松下さんと気が合ってオフ会したがうまくいかなかったようだと落ち込んでいる知穂さんには興津要『古典落語(上)』。
紙野くんの新刊書店員時代の後輩、堺くんの悩みは優秀な後輩への嫉妬心が自分の中に芽生えたことだった。それに対して紙野くんが薦めたのはB・エドワーズ『脳の右側で描け』という絵画の入門書のように見える本だった。
パン屋の大泉さんの常連の母親が老人性のうつになりコミュニケーションとりにくくなったが「ジョーさんのハンバーガー」を食べたいと、ふと漏らしたので試行錯誤するすみれさんにはウディ・アレン『これでおあいこ』。
華道の家元家の一員である中村司さんと大道芸人である青木楓さんのカップルが別れるかも? 紙野くんは幸田文『台所のおと』を薦める。
■この巻で名前が出た本や著者
・『辻征夫詩集』…なんらかの形で持ってると思う。
・太田和彦
・吉田類…なにか一冊読んだと思う。
・ローレンス・ブロック『マット・スカダー・シリーズ』…数冊読みました。
・開高健『地球はグラスのふちを回る』
・興津要『古典落語(上)』…全巻読みました。
・B・エドワーズ『脳の右側で描け』…すごく興味抱きました。
・夏目漱石のとある作品
・光村ライブラリー第一巻…へえ、こんなのがあるんや。
・『長くつ下のピッピ』…シリーズ全巻読了。
・『ムーミン』…シリーズ全巻読了。
・『若草物語』…読了。
・『赤毛のアン』…シリーズ全巻読了。
・『小さなバイキング』…たぶんシリーズ全巻読了。
・『エルマーのぼうけん』…小学生の頃何度も何度も読んだ。
・『カロリーヌカナダへいく』
・『くまの子ウーフ』
・松岡享子『サンタクロースの部屋』
・ウディ・アレン『これでおあいこ』…おもしろそう。
・池波正太郎『むかしの味』…部分的に読んでると思う。
・内田百閒『御馳走帖』…読了。
・幸田文『台所のおと』
・野村紘子『消えないレセピ 娘へ継ぐ味と心』
・辰巳浜子『料理歳時記』
・玉村豊男『男子厨房学入門』
・檀一雄『檀流クッキング』…読了。
▼古書カフェすみれ屋に関する簡単なメモ
【青木楓/あおき・かえで】常連さん。中村司そんの恋人。プロの大道芸人として世界を飛び回っている。人生の意義はチャレンジすることだと言う。
【飯山伸子/いいやま・のぶこ】大泉さんとこの常連さん。五十代の主婦。夫の邦夫(くにお)さんは建設会社勤務。数年前から邦夫さんの母の富代(とみよ)さんと同居を始めたが富代さんは老人性のう���でコミュニケーションが取りにくくなってきた。
【五十嵐知穂/いがらし・ちほ】常連。薬剤師。
【大泉】すみれ屋がパンを仕入れているパン屋さん。
【紙野頁/かみの・よう】古書カフェすみれ屋の古書部の店長。長身、痩身、猫背、メガネ。最初の時点でたぶん31歳。古書部に客がいないときはカフェ部を手伝っている。相手が必要とする本を薦め、さらにプラスα可能な本を薦めることも。縁側のあるアパートに住んでいる。大家さんが猫好きなので猫だけは飼ってもいいことになっている。
【キビ】紙野くんちの三毛猫。名前の由来は焚き火から。いつまでも飽きずにずっと眺めていられるから。
【古書カフェすみれ屋】カフェと古書店が合体した店。東京バンドワゴンみたいな感じやね。それぞれは独立採算制で古書部の本をカフェの客は無料で読むことができる。カフェ部の店長は玉川すみれで古書部の店長は紙野くん。
【堺/さかい】すみれと紙野が知り合った、カフェを併設した新刊書店の店員。紙野よりほっそりしている。
【宍戸明美/ししど・あけみ】常連客。紙永出版で雑誌の編集長をしている。
【玉川すみれ】古書カフェすみれ屋のオーナー店主。最初の時点で36歳。
【中村司/なかむら・つかさ】常連さん。実家は代々続く華道の家元。いつもは同いどしの恋人青木楓(あおき・かえで)さんといっしょに来店する。
【日向/ひゅうが】堺くんの後輩。ビジュアル優先のポップが評判となりルックスも人当たりもよく、いまやカリスマ書店員。前職は美容師だったが薬品へのアレルギーが出て続けることができなくなった。
【森緒ほまり/もりお・ほまり】前髪ぱっつんの個性的な女性。常連客となったのち弟子にしてほしいと言ってきた。すみれさんは一度は断ったが自分が紙野くんにけっこう負担をかけていることに気づきめでたく弟子入りできた。将来は子どもの本専門のブックカフェを開きたい。
【レシピ】レシピ本はレシピの紹介本ではあるのですが著者の思想の書でもあるように、個人的には思えます。