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2017年で30周年を迎えるコロコロコミック創刊伝説の第2巻となる今作では、
「超人キンタマン」「ファミコンロッキー」「高橋名人」の誕生秘話が紹介されている。
超人キンタマンでガンダムの行き過ぎたパロディをしてバンダイから
怒られたエピソードの『えぐりあい編』など確かにパッと見の面白さはあるけど、
実際にその企画が通って漫画となって出版された、
当時のおおらかな環境や関係性は今考えても不思議だ。
コロコロの漫画家は小学館ビル内にある執筆室(通称タコ部屋)で〆切の迫る
原稿を仕上げることも多く、漫画家同士の交流が他誌に比べて盛んだった、
そのためにコラボ企画や合体漫画が独自に多く生まれていったのが特徴だけど、
その内輪の仲の良さは、やはりそれは内輪だけのものであって、
勝手に他所に見出してはいけないと思った。
要するに露骨な盗作はいけないということだが、超人キンタマン作者の
立石先生のインタビュー記事で上記の件について「横槍が入った」という言葉で
回想されていて、その点がすごく引っかかった。
これに関しては、悪いのは明らかにコロコロ側なのに。
高橋名人の出自みたいなエピソードは、最近多くのメディアで紹介されることも
多いけど、コロコロ編集部の関わりが非常に大きな意味を持つので、
やはりその渦中にいた人物のエピソードを通じて読む方がいかにして
スターが生まれたか、それが後に与えた影響がよくわかって面白かった。