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まだまだ先は長いと思っていた人生が
ここで途絶えてしまうとわかったら、
人生やり直したいと思う人もいるだろう。
あの日あの時あの場所で(・・・歌詞ではない)
あの選択をしてなければと。
後悔を抱えた余命いくばくもない末期がんの患者に、医師のルミ子が見せるもう一つの『あったかもしれない人生』は決して甘いバラ色の人生ではない。
後悔する人は、たとえもう一つの人生を選んでいたとしても、やっぱり後悔したのかもしれないけれど
やり直しのきかない一度きりの人生だからこそ
愛おしく輝くのだろう。
『このパターンね』・・・と思って安心して読んでいると、面白い展開が待っていますよ^^
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なんか既読感があるなぁと思ったら「if サヨナラが言えない理由」を改題、加筆・改稿したものでした。それでも新たな気分で読める内容。自分の人生を、過去をやり直せるとしたら?…結局はどの道を選んでいてもプラスマイナスは同じようにあるだろう、だから自分の人生を肯定しては?というメッセージなのかなぁと思います。
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あなたの人生、片づけます
が良くて、購入しました。
鈍くて、不用意な発言をして患者さんを怒らせてしまう女医ルミ子。
そんなルミ子が手にした不思議な聴診器を使うと、患者の心の声が聞こえ、過去をやり直せる…
知らなくても良かったことや、やり直しをイメージすることで現在について考えさせられることも多く、ずしっときました。
後悔したことと、向き合うのはしんどいこともあるけど、なんか…胸が苦しくなる話と、一筋縄ではいかない人間模様にどきっとしたり。
ルミ子のキャラクターはあまり好きではなかったけど、この作品のフォーカスはそこではないと思ってました。
だからエピローグにはびっくり!
最後に茶目っ気がでてて、びっくりしました。笑
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「今を全力で生きること」の大切さを感じた。
余命が短い患者さんが自分の人生を嘆き、不思議な聴診器の力によって、人生をやり直す。ただ、やり直したとしても自分が望んでいた結果が得られるとは限らない。だからこそ、一期一会を大切にし今を全力で生きることが大切なのだろう。
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後悔することは誰だってある。
あのときああしていれば、のやり直しをした場合の人生とは…。
必ずしも幸せとは限らないのがリアルだなあと。
結局どう過ごしたって後悔は付き物で
苦労したり嫌なことがあったりするものです。
今生きてる人生が最良と思って
今を懸命に過ごすことが大事だな、と感じました。
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いまいち患者の気持ちがわからない女医のルミ子は不思議な聴診器を拾い、患者の心の声が聞こえるようになり、過去へ戻りもう一つの人生を体験させることもできるようになる。
4人の末期がんの患者の最期に心の中で過去をやり直す手助けをする。人生の終わりにある後悔。あの時違う選択をしていたら違った人生だったかもしれないのに。
もう一つの人生は果たして幸せなのか?今の人生の幸せをかみしめるというよりは、今の方が幾分かマシといった感じだったりするのだけど、納得した上で人生を終えられるという意味で一役買ったのでは。
過去のやり直しという意味では同じ作者の「リセット」に少し似た感じ。こちらは短編もの。
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人とは、人生の中でいくつかの岐路に立たされつつ、今の人生を歩んでいる。しかし、時として、「もしも、あの時、別の選択をしていれば?」と思うことも多々ある。それが、人生の終わりが見えた末期ガンだと知った時には。そんなときに、その「たられば」が可能なら・・・。
33歳の女医が、ある日花壇で不思議な聴診器を見つけたことからは始まるストーリーとは。
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今読むべきタイミングではなかったのかも?
軽さを求めている時に読むとちょうど良いかも。この本から何かを得ようとするのは、難しい。気分転換に。
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現実世界に変化があると思ってたのに読むと心の中で後悔をやりなおすとは!ルミ子さんご苦労様相談にのるって元気な人でも大変。やっぱり失敗や後悔があっても人生は一度きりやから頑張れるって思いました。
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もしあの時にああしていたら。人間誰しも後悔するが、もし自分がもうすぐ死ぬ身で一瞬だけでも過去に戻れるのなら。不思議な聴診器の力で末期癌患者の「後悔」を読み取り「もしもの世界」へ誘う主人公の女医・ルミ子。筆者にしてはとてもファンタジーな作風で、しかしながら現実もしっかり見据えていて実に面白く読み進めていた。
家族と自分自身のあり方、人生の送り方、遺されたものの生き方について考えてしまう。選択肢が色々ある中で果たしてベストな人生だったと思える人がどれだけいるだろう?作品の中で「やり直した人生」(扉の向こう)は必ずしもハッピーエンドではない。現実より酷い結果も待ち受けている。不満や後悔があっても、自分が選んだ「今」ほど恵まれた人生はないのである。少しの幸せを感じ旅立ちを迎えられたらそれで充分なのだろう。ルミ子の母の言葉「人生プラスマイナスゼロ」ではないか。
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もやもやとした不安なんだけど、はっきり見たくないなあ…と先送りにしている問題を、「ちゃんと見なさいよ!」と目の前に付き付けてくる、そんな作品が多い垣谷氏。
これはちょっと、ファンタジーっぽいかな?
患者の心の声が聞こえるという聴診器は「ききみみずきん」みたいだし、別の人生を5分で体験できるのは、「邯鄲の夢」のようでもある。
人は時々、「あの時、別の答えを選べば違った人生を送れたのかなあ」などと考える。
もっといい連れ合いと結婚できたかも、とか、もっと裕福になれたかも、とか。
それは人間が欲張りだからだ。
どちらかを選ばないといけないと言われても、本当はどちらも欲しい。
あとから、選ばなかった方の物件が惜しくてたまらなくなるのだ。
そう思いつつも、毎日を生きるのに忙しく、そのまま人生を終えてしまう。
ところが、ヒロインの女医・早坂ルミ子が担当する、余命いくばくもない癌患者たちは、過去への悔いが鮮明で激しい。
ルミ子は、せめて心残りを取り除いて安らかに旅立ってほしいと思い、不思議な聴診器を使う。
別の人生を生きた結果、どうでした?
これが「別の現実」です。
良いことだけの人生もなければ、悪いことだけの人生もない。
生きるのはあなたなのだから、待っているのはあなたに応じた人生です。
あっ!
ファンタジーと見せかけて、やっぱり現実を突きつけられてる垣谷作品!
しかし、別の人生を体験することで、「今」ある家族の真実が浮かび上がったり…
亡くなった人はもうあずかり知らぬことではあるが、意外な結末が待っていたりした。
そして、KYで、患者の気にさわることを悪気なく言ってしまう、という欠点を持つルミ子だったが、患者に付き添って人生のやり直しを体験する中で、人それぞれの考え方の変化を見る。
患者への、ルミ子の接し方も段々変って行くのが分かる。
「人の気持ちが分からない」のは、他人にあまり関心がなく、経験値が少なかったからだろう。
母を喜ばせるために勉強をして、医者になった後は仕事以外は寝るだけの生活をし…
ルミ子は真面目すぎるあまり、世界が狭かったのだ。
もう一つの人生なんて夢。
今までの自分の選択に自信を持つこと。
今まで生きてきた自分を肯定すること。
振り返ってもいいけれど、首は必ず前向きに戻すことが大切なのだろう。
ルミ子の"卒業"おめでとう。
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空気が読めないと悩むお医者様(早坂ルミ子)、患者さんに余計なことを言ってしまい顰蹙もの、まして余命宣告を受けている患者さんにはキツイ。ところが、当てると「心の声」が聞こえる聴診器を拾って使ったことから、患者さんの気持ちや後悔などがわかるようになった。ちょっとファンタジーみたいなんだけど、さすが垣谷美雨さんの筆運びは、人生の真実を突いてなるほどと思わせる物語になる。4つの物語にヒロインルミ子の人生が絡まって大団円となるのは安心して読めるということ。
人の心はわからない、だから複雑に解いて見せる文学が生まれる。byばあチャル(笑)
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誰もが思う「あの時に戻れたら」
末期がん等で死ぬ間際にそんな世界に戻れる病棟。
医師ルミ子が偶然拾った聴診器で、そんな世界を体験できる数々の患者。後悔したポイントに戻ってやり直す。
そんな体験を基に後悔を解消してあの世に旅立つ。
このパターンで全編行くのかと思いきや。。。
初めての著者だけど他の著作も読んでみたいと思わせる面白さ。また注目できる作家ができてしまった。
作品紹介・あらすじ--------------------------
「過去に戻れる聴診器」を使ってみたら…
33歳の医師・早坂ルミ子は末期のがん患者を診ているが、「患者の気持ちがわからない女医」というレッテルを貼られ、悩んでいる。ある日、ルミ子は病院の中庭で不思議な聴診器を拾う。その聴診器を胸に当てると、患者の心の”後悔”が聞こえてくるのだ。
「過去に戻って、もう一度、人生をやり直したい」
聴診器の力を借りて、”もうひとつの人生”の扉を開けた患者たちが見たものは――!?
●dream――千木良小都子(33歳)
母は大女優。「芸能界デビュー」の夢を諦めきれなくて…
●family――日向慶一(37歳)
俺はもうすぐ死ぬというのに、なぜ妻は金の話ばかりするのか。
●marriage――雪村千登勢(76歳)
娘の幸せを奪ったのは私だ。結婚に反対したから、46歳の今も独り身で…
●friend――八重樫光司(45歳)
中三の時の、爽子をめぐるあの”事件”。俺が罪をかぶるべきだった。
この世の中の誰もが、「長生き」することを前提に生きている。
もしも、この歳で死ぬことを知っていたら…
家族、結婚、夢、友情。
女性から圧倒的な支持を受ける著者が描くヒューマン・ドラマ!!
【編集担当からのおすすめ情報】
読むと必ず、自分の人生を振り返ってみたくなる一冊です。人生に後悔がある人も、後悔がない人も、生き方がちょっと変わるはず!
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20021年12月に入院した時に同室のSさんから頂いた本
私が入院してた病棟は4階「絆病棟」だった
あー今だに思い出す皆んな元気かなぁ
又会いたいよー
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神田川病院に勤務する医師の早坂ルミ子は末期のがん患者を診ているが、患者の気持ちがわからないのが悩みの種。ある日、ルミ子は病院の中庭で不思議な聴診器を拾う。その聴診器を胸に当てると、患者の“心の声”が聞こえてくるのだ。「もし高校時代に戻れたら、芸能界デビューしたい」―母に反対されて夢を諦めた小都子が目を閉じて願うと、“もうひとつの人生”へ通じる扉が現れる。念願の女優になった小都子だが…。聴診器の力で“あの日”へ戻った患者達の人生は、どんな結末を迎えるのか。夢、家族、結婚、友情。共感の嵐を呼んだヒューマンドラマ。
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題材はシリアスなのだが、設定にファンタジー要素があるためか、深刻になり過ぎずに読める。患者や家族の前で、無意識に不用意な発言をして、不興を買ったり、空気が読めずに気まずい思いをしたりすることが多かったルミ子だが、ある日、患者の心の声が聞こえ、過去に戻って人生をやり直すことができる不思議な聴診器を拾ったことから、患者に寄り添って安心して最期を任せられる医師、という評判を得ることになる。いくら不思議な聴診器を拾ったからと言って、それを生かせなければどうにもならないわけで、患者のために生かすことができたルミ子の医療に取り組む真剣な姿勢が好ましい。実際に過去に戻って人生の悔いを改めた患者たちの第二の人生が、本来の人生と比べてどうだったかはそれぞれだが、読者は、いま生きている人生について考えることになる。人生をやり直したくなるような悔いを残さないように日々を生きようと、改めて思わされる一冊でもある。