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「賢い人は、難しいことでも簡単に説明できるものだ」という言説がある。
この「俺が説明を理解できないのはお前の頭が悪くて説明が下手だからだ」と言わんばかりの、自分から理解する努力を一切放棄した老害的主張を、自分は大変醜いと思う。
しかし、この本を読んで思った。
いるものだ、世の中には。
複雑なことを頭の悪い自分にもわかるレベルで簡単に説明できてしまう人が。
池上彰といえばこどもニュースや選挙特番の顔だが、大学で授業をすることもあるとは知らなかった。
その説明はものすごくわかりやすいの一言で、加えて取り上げられるトピックがどれも大変興味深い。どんな隙間時間でもサクサク読める。
朝鮮戦争、ソ連崩壊、バブルなど、いまいち判然としなかった現代史を経済の切り口でざっくりやってくれており、大変痛快。
個人的に高ポイントだったのが、近頃何かと過剰に美化されがちな昭和の時代を
「街は今よりずっと汚かった」「昔から日本人が礼儀正しかったわけではない」「今の中国の公害はかつて日本でも起きていたこと」としっかり明言していたこと。
最近ではNHKも体制側のプロパガンダ装置じみてきており政権ともども歴史歪曲甚だしいが、
池上彰個人としてはそういった勢力とは距離を置いているらしい。
逆に語り口が中立過ぎて、この人の意見はどこにあるんだろうと考えてしまう。
池上彰という人がポジショントークではない本音を出したときにどこまで中立中庸な人間なのか、どうにかして知る手段はないだろうか。
なんにせよ、この人の他の本も読んでみたい。
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高校生までが生徒、大学は学生。
行動経済学では、買い物は夕方によくされる。
経済学で言う「期待」とは予想のこと。
太平洋戦争後、軍隊の身分を失った兵隊さんたちには退職金が支払われた。
三菱鉛筆はスリーダイヤの紋章も使っているが三菱グループとはなんら関係ない。
明治安田生命は三菱グループだが、人が死んで設けるとは何たることとして、当初三菱の名前を付けられなかった。そして今に至る。
朝鮮戦争時、ソウルまで攻めてきた北朝鮮軍から逃れるため、ソウル南の漢江にかかる橋を超えて人々は逃げたが、北朝鮮軍が通ってはいけないということで、まだ人々が橋にいる間に橋が爆破された。今でも、北朝鮮による進入に備えて橋には爆薬があり、ソウル北の国道沿いにはたくさんのトンネルがあってそこに爆薬が仕掛けられている。
東西冷戦の初期の時代、アメリカは砂漠に長大な地下トンネルを掘り、地上に多数の穴を開けて、トンネル内を核ミサイルを積んだ列車が走りどこの穴から飛んでくるか分からないような仕掛けをした。
北極海のしたでは、ソ連とアメリカの潜水艦がよく接触事故を起こしていたが、マスコミには伏せられていた。
水爆は強力すぎて兵器としては使えず、今の核ミサイルはすべて原爆。水爆は、いわば原爆を爆発させたエネルギーで核融合を起こす仕掛け。すごい。
ベルリンの壁が崩壊したとき、東ドイツの放送局がまず放送したがだれも従わなかった。信用されていなくてみんな西ドイツの放送を聞いていた。西ドイツのラジオ局がベルリンお壁がなくなったことを放送してやっと東ベルリンの住民は確信した。
神武景気より好景気が来たので、神武より高い名称をつけないといけず、岩戸景気とした、さらに好景気が来て、国つくり神話までさかのぼろうとし、いざなぎ景気とした。
日本はインフラがぜんぜん整備されていなくて、太平洋戦争中もゼロ戦は作るが、名古屋から飛行試験場の各務原までは牛車でぼこぼこ道を引いていった。
第1次世界大戦中、日本は製品をヨーロッパに輸出したが、シャツのボタンは糊付けとか、魚と鉄の釘を一緒に入れて重さを増していたなどをして、メイド・イン・ジャパンは粗悪品と同義語になってしまった。
戦後、預金しましょうという一大キャンペーンが行なわれて、預金を刷り込まれてしまった。
東京オリンピックの最中はし尿の汲み取りをやめましょう、みっともないから、ということになり、ありとあらゆるところにハエがたかった。
ロバート・ケネディが来日した際早稲田大学で講演して、エネルギッシュの源はアイスクリームだと述べたときに聴衆は驚いた。なぜなら当時に日本でアイスクリームは色のついたジュースを凍らせたもので、どうしてそんなものがエネルギーになるのか分からなかった。アメリカでアイスクリームというのは乳脂肪分が8㌫以上あるものを言う。日本でも食品表示をきちんとしようということになり、基準がこの頃から整備されていった。
通勤ラッシュ時、学生アルバイトがあって、ドアごとに尻押し係と剥ぎ取る係りがいた。
会社にはクーラーがあるが家にはクー��ーがないので、社員は遅くまで会社に残った結果猛烈社員に。
スターリンは本名ではない。
スターリンは背が低いことがコンプレックスで、ヤルタ会談でもひときわ背の高い椅子に座っている。
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池上彰さんが愛知の大学で15回経済学の講義を行った記録の内、戦後の日本や世界の経済史の部分が本になったもの。400ページを超え、脚注も充実しているのでボリュームはたっぷり。印象深かったのは、社会主義陣営の失敗の話で農業を知らぬ指導者の指導と、それに反対できず媚びへつらいしかしようのない民衆が何千万人と餓死した経緯は唖然もの。
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戦後の日本経済やソ連崩壊後のロシア、戦後の中国の歴史について、池上彰氏の大学生向け講座を書籍化したもの。
とてもわかりやすい。
日本の高度経済成長時の当時の様子(マナーの悪さ、公害問題、空気汚染)や、大戦後のロシアや中国の経済についての話は非常に面白い。
社会主義の失敗について少し学ぶことが出来る。
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池上彰さんは、TV番組などの解説でおなじみ。
とても分かりやすい話し方をするなーと思っていましたが、書籍を手に取ったのは初めてでした。
愛知学院大学での講義をもとに書籍化された本書の、文庫版を読みました。
私は「経済学」の基本のキも知りませんが、とてもわかりやすい内容だったので、引き込まれてサクッと読めてしまいました。
講義形式の語り口調だったから、余計にわかりやすかった。
経済学って面白そう~という感想を持ちました。
時事的にはちょっと古い内容ですけど、話の内容が戦時中の話だったりして、最新の時事ネタを扱うものではありませんから見劣りはしませんでした。
経済学に関して基礎的な知識が欠落している社会人の方には、背伸びをせずに本書のような本から入ることをおすすめします。
自分にとって馴染みの無い分野の本を読む時というのは、このような「通俗本」(というか易しい本)から入って興味を持ち、徐々に専門的な本に進んでいくのが正しい道筋だと感じました。
いきなり、小難しい本を買ってみたところで、きっと挫折してしまう。
教養を付けるために本を読むにあたっては、決して背伸びをせずに、自分のレベルと同じか、自分より少し上を行く内容の本を手に取って地道に読むことが大切。
私は、この著者の本を一通り読んでみようと思いました。
そんなキッカケとなった一冊。
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なぜ、その事柄が起こったのかを分かりやすく解説してくれるので、スっと頭に入るためとても読みやすい。
豆知識も所々出てくるのでなるほど!と思うことがあり面白かった。とても勉強になった。
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Kindle Unlimitedにて。相変わらずものすごくわかりやすい語り口。戦後の世界経済をざっくりと知りたい方におすすめ。
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過去の歴史を学び今にいかに生かせるか。
歴史は知らないと必ず繰り返されるはず。
日本だけでなく世界がどう成り立っているか、経済、宗教、文化を多面的に知っていき自分の人生に生かしていきたい。
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「経済学」ではありながらも歴史についても知ることができる。歴史を知ることで経済も知ることができる。
知っているのは名ばかりで、なぜそれが起こったのか、その影響でどんなことが起きたのか、正直「えっと...」と詰まってしまうことばかり。
池上さんならではの、噛み砕いた内容で、理解しやすい。
失敗を繰り返しながら、今がある。
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あんまり学校でも習わず、よく知らなかった戦後の経済史をしっかり学べる本。日本だけでなく、社会主義など世界の経済の歴史もよく分かります。
日本は、高度経済成長やバブル経済で、環境問題や融資のやりすぎなど、後々大問題となったこともありました。また、中国・ソ連など、社会主義国家は、生産性低下や大飢饉など、いろいろな問題が噴出しました。そのような失敗談をそのまま語ったり、批判したりするだけでなく、そこから学べる教訓や生かせることなども、同時に話されており、池上さんらしい解説で、学びが深まった感じがしました。
今までの経済学は合理的にしか考えていませんでしたが、実際は人間の心理までしっかり考えないと、成功しないことを感じました。