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*組織のなかで開発や、工程の改善を行うとき、どうしても利益や安全、コスト、納期といった相反する要素がエンジニアの肩に乗りかかって来る。元々、技術というものが危険なものを扱うのだから、相反しないほうが珍しい。また、金のかからない開発などないのだから、コストの圧迫も常にある。だから、エンジニアは、相反する要求のなかで常に頭を悩める。
*コミュニケーション能力は、訓練で上達する。これは間違いない。ここで、最も簡単な方法を説明しよう。自分からは話さなくてもいい。とにかく人の話を聴くことだ。コーチングの世界では傾聴ともいう。真剣に聴いて相槌を打って、時々でも質問するといい。それだけで、周りはあなたのコミュニケーション能力の不足を疑うことはない。それを長く続ける、ことで「彼は人の話をよく聴くコミュニケーションの達人」といわれるだろう。本来コミュニケーションの基本は聴くことだ。相手とのコミュニケーションを重視するなら、まず、聴くことに専念する。そのなかで、相手が特に力を入れて話しているところを、「そこを詳しく教えて頂けますか?」と聞き返すことで相手は話を聴いてもらっていると感じる。
*「力量」とは「コンピテンシー」のことだ。学術的な話やISOは置いておいて、普通にいえば、知識やスキル、モチベーション維持など広く含んだ職務を遂行する能力だ。知識や、やる気だけがあっても、個々の組織のなかではそれが活かしきれない時もある。人事評価にコンピテンシーを入れている企業は、個人のコンピテンシーを、「親密性」「傾聴力」「ムードメーカー」「計数処理能力」「論理思考」などで評価している。
*これからのエンジニアは、グローバル化のなか、世界の基準を意識して業務を遂行するしかない。殻に閉じこもるよりも、外を見よう。そのほうが活躍できる場も広い。やはり、エンジニアは口下手な人が多いということだ。解答論文の書き方が、そもそも口下手である。書き方が口下手とは変ないい方だが、自分の主張を相手にうまく伝える技術が不足しているということだ。
コミュニケーション能力は、これから増々重要視される能力である。もちろん、日本語だけではなく、外国語の能力も必要とされる。しかし、英語やほかの言語を堪能に使えるようになる前にまず、日本語のコミュニケーション能力を磨こう。まずは、聞き上手から始めればいいが、その次は文章伝達能力や、プレゼンテーション能力も重要だ。技術屋は技術のことがわかればよいうという時代はとうに終わっている。
*通常、現代のエンジニアはチームを組んで業務に当たるから、チームのメンバーとして他のメンバーとうまく活動できない人は成果を出せないことが多い。
専門的な能力・スキルが高いだけでは成果につながらない。広く森を見ながら、細部の木を観察できて、それを他の人とも共有できなければならない。あなたの周りで成果を上げ続けている人は、そんな行動特性を持っているはずだ。能力だけで成果を上げることもあるだろうが、けっして長続きはしない。テレビタレントでいえば一発屋ということだ。ビジネスマナーや社会的・一般的な常識も含め、広く知識を身につけながら、専門的な部分を深く追求することで、コンピテンシーは上がっていくだろう。
*エンジニアは、簿記よりも経営感覚が求められる。簿記あるいは、会計管理の詳細な知識より大くくりで経営感覚を磨いたほうがいい。
経営感覚=コスト意識+現場に対する観察力+観察にもとづく先見性+金と時間のバランス感覚。
経営者としては、不足があるかもしれないが、現場のエンジニアはこれを身につければ十分だ。あまり、詳細な部分にこだわって全体が見えなくなるのはマイナスだ。もちろん、経営感覚が身についた上で、詳細な簿記の知識を学ぶのは一向にかまわない。ただ、逆はお勧めしないということだ。
*営業活動は、あなたにできること、あなたが役立てることを広く知らしめるための「布教活動」と考える。頭を下げて、相手が嫌がるものを無理やり買ってもらうことではない。クライアントにとって必要な能力や商品を持っていることを示すことが営業活動の原点だ。
*自社の方向性、将来の姿を決める戦略なのだから、頭から汗が出るまで考えて考え抜くしかないのだ。これは、経営者だけの話ではない。若い時に取り組む小さなプロジェクトひとつにしても、自社の経営戦略のどこに位置して、どんな役割を担っているのか考えて取り組む必要がある。これを、軽く考え、技術の面からだけしか見ようとせず、MOTに関して何も考えずに取り組んでいたら、あなたの成長に何も寄与しない。小さな、ほんの技術の一部を任された時でも、その活用を考えながら、プロジェクトを進めることで、あなたはきっと成長できる。
*一世を風靡して消えていく技術は多いということだ。というより、技術とはそういったものと考えて開発しなければならない。開発者はどうしても昔自分が作ってよかった製品や技術にしがみついてしまう。ある製品や技術が世に出た経緯を知っていると、どうしてもその流れで次の製品や技術も同系列の中で考えてしまう。特に、その分野の草創期や黎明期に開発した技術や製品はそうなりやすい。その罠に陥ってしまうとその企業は次の時代に取り残されてしまう。やはり、成功体験はどこかで捨てなければならない。
*人間は競争のある状況に追い込まれないと力を発揮できないことが多い。一部の天才的な人はそんな状況を作り出せるのかもしれないが、大半の人はそんなことはできないのだ。逆にいえば、競争社会は、凡人を天才に変えることができる社会といえる。
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"小さな、ほんの小さな技術の一部を任された時でも、その活用を考えながら、プロジェクトを進めることで、あなたはきっと成長できる。"
どちらかというと工学系のエンジニアにフォーカスした内容であるため、IT系には必ずしも当てはまらない記述が多かったのが残念。
エンジニアが一生勉強が必要な職というのはそのとおりだと思う。
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幅広いエンジニアを対象にしているからか焦点が定まっておらず参考にならなかった
エンジニアは生涯勉強であるという一般論に尽きる
読了日:2017/10/20
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# 書評☆2 エンジニアの成長戦略 | 現役技術士による理系の勉強方法指南
## 概要
技術士事務所の代表である著者による理系技術者全般に対する成長戦略が書かれている。
成長戦略とはあるが,勉強のしかたについて著者の考えが書かれているだけの本の印象を持った。
ところどころに参考文献はあるものの,言葉の言い回しなど何というかあまり重要でない部分での引用が多く,参考文献があってもいまいちな本だった。
参考文献があっても,著者の考えが強いので,この著者を信頼できるなら参考になるだろう。
## 参考
> ### p. 069: 10年に一度『現代用語の基礎知識』の読破の勧め
現代の様々な分野に関するキーワードの基礎知識のベースが頭のなかに構築される。何か新しい分野の勉強を始める時にそれが役に立つ。
このような本の存在を知らなかった。たしかに,薄く広い知識があると,次回以降にそれに関わる際の理解の速度が劇的に早くなる。著者の主張に同意した。
実際に自分もこの本を読んでみようと思った。
## 結論
書名が歯切れのよいフレーズだったので期待していた。しかし,内容が著者の独自の考えが書かれているだけで,そこまで客観性はなく,重要な内容がなく感じてしまった。
どこかで著者のセミナーなどを受講して,いいなと思ったならば,読む価値はあるだろうけれど,それ以外の場合,一般的な浅い内容が書かれているのであまり参考にならないように感じた。
ただし,『現代用語の基礎知識』を10年に一度読むというのはいい方法だと思ったので,ここだけ参考にしようと思った。
パーマリンク: https://senooken.jp/blog/2019/07/05/
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・心理テストは、あてにならない(バーナム効果:一般性の高い質問を投げかけ、自分のことだと思い込んでしまうこと)
・経歴表は、業務報告ではない。業務の目的は何で、自分はどのような役割で、どんな立場で仕事をしたのか。課題の背景や取り組んだアイディア、成果は示せているか。
・
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エンジニアは常に学び続ける必要がある。
技術領域としてはI型→T型→π型と、深い専門分野を複数持つように広げていくことが重要
また、技術だけでなく、それを伝えるためのコミュニケーション能力やプレゼン能力や、技術を使う方向を考えるための経営的視点やマーケティング知識など、技術者が身につけるとよい領域は多い。
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工学系のエンジニアのためのキャリア本.市場において自分の立ち位置を見て成長することが大事.結局は感覚が大事になってくると感じた.
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# 技術屋としてサバイブしていくための基本方針
## 面白かったところ
- 過去のNASAのロケット打ち上げ失敗例を取り上げて、技術屋としてどう取り組むべきだったか振り返っていた点
## 微妙だったところ
- 勉強会への参加や、違う畑の根本的な技術の学習を推奨など、当たり前すぎることが書かれていた点
- 後半が特にひどかったが、エンジニアのキャリアとは関係のないトピックに熱が入っていた点
## 感想
Webや組み込みなど、業界の垣根を超えた包括的なエンジニアに対して向けて書かれたと思われる一冊。
「勉強会に参加するなんて、上を目指すなんて当たり前だろ」と思っていたが、業界が異なれば風習や流れている空気が異なることを学んだ。
そもそも、有志の勉強会が開かれるようなコミュニティカルチャーがないことのほうが多い。紹介されている勉強会もすごく硬そうな感じだったし。
自分の腕一つで挑戦できるような風土の業界でなければ、転職や新天地への切符を手にする動機にも繋がりづらい。
選択する環境は大切。
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題名からエンジニアのキャリア形成に関して学べるかと思い手に取ってみた。
しかしあまり為になる情報はなく、薄い内容がつらつらと書かれてる本であった
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やや自己啓発的だが、序盤に書かれているエンジニアは自燃型であれという内容は考えさせられた。
新卒が読む分には何か得れるものがあるかもしれないが、中堅以上が読んでも今までの経験の中でわかっていることがほとんどなので得れるものは少ない気がする。