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データ分析について、数式を使うことなくわかりやすい表現で記述されている。
実務でもこの本に書かれている分析を使いたい。
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本書は統計的因果推論の一般向けの本である。著者は新鋭の経済学者であり、内容は一般の人でも理解できるように書かれており、なおかつ興味深いものであったため大変読んでいて感心した。集積分析については自分自身全く知らないものであったため、勉強になった。
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経済学者による「因果関係」を正確にみるためのデータの見方の考え方などを平易な言葉で説明。
ある結果Yに対して原因がXと考えられるとき、どうやったらX→Yの因果関係を示せるか。
世の中には
第3変数により相関関係と因果関係を誤解したもの
因果関係が逆なもの
といったようなみせかけの「因果関係」があふれている。
正確に因果関係を見抜くためにはランダム比較実験、RDデザイン、集積分析、複数期間のパネルデータ分析などの手法が必要だがそれぞれにメリット、デメリットがある
これらの概要とメリット・デメリットを非常に平易な言葉で解説。
内容は専門的かつ高度だが、平易なことばでかかれているため素人でもなんとなく言いたいことがわかる
全体としては「「原因と結果」の経済学―――データから真実を見抜く思考法」に非常に近く入門書として最適。
学者でこの手のわかりやすい本を書ける人は少ないだけに貴重だと思う。
本書の中ではある程度の専門的な内容に対しては「これ以上は本書の内容を超えるので参考文献で勉強しましょう」という記述が結構がでてくる。
不満に思う人もいるかもしれないがわからないと読者は例外なく不満を持つため、ターゲットを絞り、あえて難しいことは説明しない、という姿勢はとても大切。
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経歴だけ見ても間違いないと思ったが中身も良い。原因と結果の経済学よりこちら。依田さんと何度も組んでおるというのも安心感。
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データ利活用と言いながらなかなか使いこなせない自分がいたため、手に取った。
安易にデータを集めてそれなりに分析するのでは、ダメ妥当ことがよくわかった。
この中に書いてあるようにデータからいえないことを伝えることのないように、エビデンスから読み取れる分析に心がけたい。
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本書は、第一線で研究しているシカゴ大学公共政策大学院のテニュアトラックの助教授が書いた「実践的データ分析に焦点を当てた、計量経済学への超入門書」(P.265)であり、数式を全く使わずに、最新の研究成果をもとに、実例を交えながら因果関係分析に焦点を当てたデータ分析手法(ランダム化比較試験(RCT)、自然実験(RDデザイン、集積分析、パネル・データ分析))を解説したもの。
ランダム化比較試験(RCT)とは、新薬の臨床試験や、ウェブ・マーケティングで普通に使われている「A/Bテスト」https://ja.wikipedia.org/wiki/A/B%E3%83%86%E3%82%B9%E3%83%88 のことで、近年では開発経済学でも良く使われている手法です。 本書では、著者達が行った「日本初のRCTを用いた本格的なフィールド実験」である北九州市での電力価格フィールド実験~電力価格を上げると本当に節電に繋がるのか? https://e2e.haas.berkeley.edu/pdf/briefs/moral_suasion_policy_summary.pdf や、オバマ前大統領が再選の際にグーグルからRCTの専門家を引き抜いてファンドレイズ用のウェブサイトでA/Bテストを行いデザインを最適化した話等が紹介されています。
次に、現実にはこうしたRCTによるフィールド実験が困難な場合の方法として、「自然実験」の手法が紹介され、具体的には、日本の70歳時点での「医療需要の価格弾力性」の推定=-0.18 http://www.columbia.edu/~hs2166/Shigeoka_JMP.pdf 、カリフォルニア州での電力消費量の価格弾力性(RDデザイン)、日本の自動車に対する燃料規制の弊害http://www.rieti.go.jp/jp/publications/dp/14e057.pdf 、デンマークでの所得税率に対する所得弾力性(集積分析)、デンマークでの所得税率の移民流入への影響、米国のポンコツ車買い替え支援プログラム(2008年)の効果(パネル・データ分析)等々が紹介されています。(また、第7章では、こうしたデータ分析の限界も詳述されています。)
米国では、こうしたデータ分析を企業経営や政策形成に使う動きが、シリコンバレーからスーパーなどの一般企業や公益事業・政府等、全米に広がりつつあり、昨年オバマ政権下で、「エビデンスに基づく政策のための評議会設置法」が民主党・共和党の共同法案として成立したそうです。さすが、日清戦争時に海戦データ収集のためだけに軍艦を極東まで派遣し(『坂の上の雲』)、1世紀以上前から”evidence-based” だった国は違いますね。翻って我が国は、「大和魂」と「神風」の伝統よろしく、政策が”evidence-based”になるのはいつの日になるのやら。。
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今後のevidenced-based policymakingの方向性を考える上での基礎と特徴、限界をわかりやすく示す入門書。
データ分析の素地をつくる上で役立つ一冊。
・相関関係ではなく因果関係を掴む
・RCT
・自然実験
-RDデザイン:境界線付近での非連続な変化がある際、この付近のみ
-集積分析:階段状にインセンティブが変化する際、この付近のみ
-パネル・データ分析:複数期間の介入前後のデータが入手でき、2つのグループの平行トレンドの仮定が成立する際、介入前後の広範
・内部妥当性:実験参加者に対する因果関係の科学的立証性
・外部妥当性:分析結果の実験参加者以外への適用可能性
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データ分析の考え方で「因果関係の見極め方」をテーマに初心者向けに"わかりやすさ"にも心を砕いていると感じることが出来る新書。
そのデータの因果関係を正しく把握するにはどのような視点が必要か、過去の興味深い実例を提示しての説明には、データを見る力が養われるように思います。
しかし、わかりやすかったと言っても読後に「RDデザイン」・「集積分析」・「パネル・データ分析」をそれぞれそらで説明出来るまでには至らずなので、より理解するには再読が必要かと思ってます。
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データ分析手法についていい復習になる教材。
参考資料等も詳しく掲載されている良本である。
「〇〇導入に効果があったか?」という問いに答えるために、いくつかの統計手法が紹介されている。解説の流れは、「ランダム化比較実験」がデータであるか?→できない場合はほかの三つを試せる条件を満たしていないかというものである。
・ランダム化比較実験
・RDデザイン
・集積分析
・パネルデータ分析
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・臨床場面では最もエビデンスが高いとされるRCT論文を重視するべき
・論文を読者が評価しながら、取捨選択して行く必要性かがある
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20170610読了
データの因果関係や分析方法について、数式等を使わず具体例とビジュアルで示した本。
分かりやすかった。ビッグデータやAIが持て囃されているが、本書のデータ分析方法の様な根底にある考え方を理解した上で、それらの技術を活用できるようになりたいと思う次第である。
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データ分析のためのデータの集め方として、ランダム化比較試験、自然実験としてRDデザイン、階段化のデータを使った集積分析、複数のグループのデータが並行であるという前提のパネル・データ分析を具体例を挙げて解説。RDデザインはある一つのデータが非連続的に変化する局面を用い、ほかに非連続に動くデータがないことを確認し、それに関する感応度を計算することができる。集積分析も同様に主に政府によるインセンティブなどに反応して階段状に変化するものに対し、感応度を調べる。パネルデータは異なるグループが並行に動くと仮定して、それが異なる場合、どういった要因があるか判別しそれに対する感応度を計算する。
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数学が苦手な読み手としては、途中で挫折するかも…と警戒しつつ手を出したのだが、平易な語り口のおかげでどうにか読み通すことができた。
もちろん、著者が述べるとおり、数式をはしょった超入門編なので、あくまでデータ分析の世界への入口をかいま見た程度なのだろう。それでも、読み進めるにつれて、こんな手法があるのかーという興味がわいてくる。著者が紹介している教科書・参考書も読んでみたい。
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データ分析について、統計学の基礎をベースに、正しい推論と分析を行うやり方を説明した平易な作品。
計量経済学のとっかかりとしてはわかりやすいのではないかと思う。
自分自身で調査設計をしないまでも、コンサルに発注する場合や、他者のデータ分析を用いて判断する場合の前提として、本書に書かれている内容を把握しておくことは非常に有益と思う。
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アメリカの経済学会の第一線でバリバリに活躍される著者の公一郎さんには一度お会いしたことがあり、非常に物事を考えて行動されている印象を持ったのだが、そういった考える→行動するというビジネス的な側面も本書では表現されていると思う。
同時期に出た「原因と結果の経済学」と比較すると、手法自体の説明は簡潔に直感程度で済ませていて、その応用や考え方に重点が置かれている気がした。また「原因と結果」の著者たちとは違う分野の方なので、扱う事例も異なっていて面白い。
経済学を大学院レベルで学ぶと口が酸っぱくなるまで叩き込まれる因果関係の推定について、今や私は当たり前に感じているものの日本のニュースや新聞を読むとその考え方が浸透しているとは言いづらい状況である。それをデータ分析の理想型、RCTからそれが使えない自然実験のそれぞれの手法を直感のみで理解できるように書かれている。経済の大学院生として恥ずかしい話であるが、集積分析というのは知らなかった。
手法が簡潔に説明されていると述べたが、その説明が十分であると感じる理由が、その強みと弱みが直感的に把握できるように説明されているからである。データがRCTで取られてない限り、それぞれの手法は仮定を置いていたり、推定できるものが(内部・外部妥当性の面で)限られていたりする。手法を理解するということはその有用性と限界を知っておくことである。
そのうえで、非常に事例が豊富でかつ、ビジネスに近い内容が多いので、「この分析手法でこういうことができるなら、自分の分野ではこういうのができるのでは。」というイメージが湧きやすい。タイトルになっている「データ分析の力」を感じるには第6章だけでも読む価値があると思う。
著者は一応同じ大学の同じプログラムの出身なのでずっと憧れているが、学問の一線で活躍しながら一般向けにも非常に分かりやすい本がかけてしまうその努力と能力にため息が出るばかりであるが、自分もがんばろうと思う。