投稿元:
レビューを見る
六通りの、生活圏にある物語。
子どもが産まれて、成長して、徐々に変わっていく家族のカタチに戸惑い、振り回され、疲れてしまった大人の姿がそこにはあった。
本当は誰のことも嫌いになりたくない。
そんなことは分かってる。
卓上のテラリウムを眺めながら、ひとり発泡酒を飲む夜。
投稿元:
レビューを見る
家族の間って毎日が同じような繰り返しで単調で、変化もわかりづらいのかもしれないけど。曖昧な光で、救いがわかりにくいかなあと思った。ただ実際にはその通りだとは思うから、誇張はしてなくて良いのかもしれないけど。
投稿元:
レビューを見る
人間の心の中で、人には見せない嫌な部分を丁寧に描いていて、読んでいてザワザワした。自分の心は、ままならない。
まして、他人は。
でも、理解しようと努力すれば乗り越えることも出来る。
みたいな物語。
読み切るのに、力がいった。
投稿元:
レビューを見る
暗い部屋に一筋の光が差し込んでくるような読了感。
悩みは尽きないけれど、ささやかな幸せを噛み締めて生きていこうと思いました。
投稿元:
レビューを見る
6作品による短編集。
難しい内容ではないのに、手間かかってしまった…と、反省。
あぁ、わかるわ〜って作品があった。
でも、帯に有るよに「泣ける」では無かった。
心理描写は、良かった…ね〜
'18.01.20読書完了
投稿元:
レビューを見る
[墨田区図書館]
正確には最初のショートストーリーのみ立ち読みで。
今回、「装丁フェア」と題して本が集められていた。いくつかには、その本の「装丁者」の名前を表紙にポストイットしてあったけれど、この本には特にその情報はなく、表紙写真も多少のインパクトはあるが特に取り立てて思うほどの独自性や奇抜さもなく、「本当にこのフェアの一冊かな?」と最初に興味をひき、「よくある現代小説の一つだよな、最近のは表題から中が窺い知れないよなー、この表題はどこから来てるんだ?」と、次に表題の掴みも気になって手に取ってみた。
すると思った通り?恐らく現代小説?の短編集。最初の短編集が、空虚なママ友付き合いに疲れ、ブログで半ば仮想の現実を投じ続ける母親の話だったのでどう話が終わるのかと興味を持ってそれだけ読んでみた。自分には実感がなくてもある種理解と共感を持てる題材。女(性)としての人付き合いの悩み、母親としての微妙な距離感の人間関係、どれもとても身近な話題。
一応ハッピーエンド?だったし読後感は悪くはなかったけれど、全部読んでみたいと思うほどではなく、この表題がどこからとられたかはこの話だけでは分からず。でも恐らく、どの話からとった、というよりは、「忙しく働きづくめで友達やともすると家族もいない寂しい自宅に夜遅く帰り、癒しのためと一人育てている植物?に深夜水やりをする」という、現代社会の疲れた日々を象徴して付けた題名なんじゃないかな。だとすると残りも日々の人間関係話かな。
投稿元:
レビューを見る
結婚直後の夫婦、子供ができてからの夫婦の関係って確実に変わると思う。言葉にせず、相手のせいにしたり、見て見ぬ振りをすることが浮気やら不倫に走らせるのは少なからずあると思う。所詮は他人同士だから思いやり、気遣いが必要。お互い、それができればきっといい夫婦になれると思ったし、そうなりたいと強く思う。
投稿元:
レビューを見る
窪さんの小説はほんと好きだな。
人が隠してる心の内を覗き見してるような、そんな感覚になる。
サボテンの咆哮が特に好きだった。
砂のないテラリウムの男は大嫌い。
でも気持ちはわかる。わかるけど嫌い。
投稿元:
レビューを見る
窪美澄さんの作品を読むのは「よるのふくらみ」に続いて2作目。
今回も表紙が素敵で思わず手に取った。
さまざまな夫婦の物語。
独身の私でも その気持ちわかるなあって思ったり、夫にイライラしたり、思わず感情移入して読めてしまうのが不思議。
文章がとてもきれいで、胸が苦しくなった。
投稿元:
レビューを見る
この作家さんは初めてだけどすごく読みやすかった。
オムニバス形式で、どの話も程よく余韻を残してくれる。
他の作品も読みたくなった。
投稿元:
レビューを見る
窪美澄は初めて。
以前「ふがいない僕は空を見た」を立ち読みして、独特な雰囲気だなと思っていた。
今年の春以降だったか、色々本を立ち読みし、改めて気になる作家さんとなった。
この本はタイトルが気になったのと、立ち読みして良さそうだと思ったから。
どの話にも植物のエピソードが出てきて、小さな子供がいる母親や父親が視点の話が多い。
高校生が主人公の最後の2話は除いて。
小さな子供を育てる話って事から「きみはいい子」を連想させた。
どちらも現実的でリアルな描写が多いけど、こちらの方が希望が持てる終わり方で、読後感はこっちの方が好きだなぁ。
この中では「砂のないテラリウム」が好き。
投稿元:
レビューを見る
大抵、文庫本の帯に書かれたコピーって過大広告だけど。
この作品についてはまさしく!という感じだ。
コピーには「泣ける」とあった。
家族間の苦しみや葛藤を描いた6つの短編からなる本作。
どの作品も本当に甲乙つけがたい。それくらいに素晴らしい。読んでいて辛くて苦しい作品ばかりだ。
特に自分と重ね合わせて読んだ「サボテンの咆哮」。
幼稚園児の父親と、子育てに口を出す義母との軋轢を描いた物語なのだが、まさしく私の家と同じ問題だった。
読んでいて胸が苦しくなるのに、なぜ読んでしまうのか。
小説の中に答えを求めたかったのかもしれない。
物語と私の実生活とは結果が異なったけれど、この作品を読んだ後は少しだけ胸のつかえが取れたような気もする。
高校生の男の子と女の子の爽やかなやりとりを描いた「かそけきサンカヨウ」と「ノーチェ・ブエナのポインセチア」がそれまでの苦しみを少しだけ癒やしてくれた。
小説のすばらしさの一つに、登場人物に感情移入してその人生の一部分を追体験できることにあると思う。
「あの時こうしていれば」と後悔ともつかない感情が、今も胸に去来している。
投稿元:
レビューを見る
1番初めの話は私か?と思うくらい、主人公の気持ちに共感できて読むのが辛かった。
女の集団って何歳になっても嫌な雰囲気がある。
結婚がスタートというのは本当で、文庫本の最後に載ってる対談も読み応えがあった。
加藤シゲアキが本当に理解してるのかは謎だけど。
サボテンの話で男性視点になったが、そこもまた辛かった。
男性は叩かれがちだが、精一杯頑張っている分は認められるべきだと思う。
投稿元:
レビューを見る
泣いた…!
私はこんなにも本に心を揺さぶられるタイプの人間だったか、と、感情が決壊する瞬間を感じて心底驚いた。
つらい、つらい、つらい、
何に対してなのかもわからずに、そう思いながら機械のように日々を送っていたからだろうか。
登場人物それぞれが心の何処かに抱える重しのようなものに共感してしまう。
境遇も抱える問題も全く違うのに。
自分でもよくわからないモヤモヤがじんわりじんわり温められていく。
必ずしも明るい内容ではないのに、つらさすらも、本は軽くしてくれるんだなあと嬉しくなってしまった。
何回でも読みたくなる本。
投稿元:
レビューを見る
窪さんの本は何冊か読んだが、これは良かった。
短編5つ。
短編だから、いつものねっとり感がなくて、好みだったのかもしれないな。共感して泣いてしまったものもいくつか。
「お母さん、一人でそんなに抱え込まなくても大丈夫だよ」
と言ってあげたい。…自分自身にも。