紙の本
喜劇のような悲劇
2017/10/19 22:52
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投稿者:J・P・フリーマン - この投稿者のレビュー一覧を見る
喜劇のような悲劇。発端はアトゥのプレイボーイっぷりだけど、事件関係者のほとんどが事件を誤解してとらえていたことで事がどんどん大きくなっていく。先が気になる展開の連続で一気に読み進めました。Qメンバーの連携も見事に描かれています。身を呈してカールを守るアサドがかっこいい。
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一つのピースのおかげで一面が解けることもある。それを得るための勘や技術そして根気もいるのだろう。男と女、不思議な関係だね。
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事件自体は、それなりの事件ですが、それよりなにより、物語終盤のカールとアサドに起きた出来事が衝撃的。いや、正確には、アサドが衝撃的。大丈夫なのかな、アサド。
あと、最後の最後に、ローセにも大変な事が起きたようですね。
アサドも、ローセも謎が多い人物ですが、これで彼らの謎が、少しでも明らかにされていくのでしょうか?
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全ては フランクのせい。
フランクがいなければ、
コミュニティカレッジの女子たちが、自分の彼氏をほっぽって、フランクと浮気する事はなかった。
フランクがいなければ、クレスチャンの妻が浮気することはなかった。
フランクがいなければ、ビャーゲが恋することはなかった。
フランクがいなければ、”人と自然の超越的総合センター”はなかった。
それがなければ、ワンダもイーベンもクラウディアも殺される事はなかった。
シャーリーも死にかける事はなかった。
ピルヨも3人を殺して、更に数人殺そうとすることはなかった。
クレスチャンとビャーゲが自殺することもなかった。
フランクがいなければ 起こらなかっただろう。
みんなの人生を狂わせた。
それほどまでに、フランクは魅力的だったのだ。
そして、女に手も早かったね・・・。
何又かけてたよ?>フランク
上巻読み終わった時点では、アルバーテを殺害したのは、ピルヨだと思ってた。
嫉妬でやったんだと。
読み進めて、違うのに気づいた。
で、フランクとクレスチャンと同じ事考えた。
でも、それも違ってた。
クレスチャンもビャーゲもお互いに悩んでたんだな・・・
クレスチャンが自殺したのは・・・
ビャーゲは真実を知ってたから・・・
それを、伝える事ができなかったから・・・
だから「父さんごめん」なんだね。
フランクさえいなければ。
こんな事件は起こらなかったんじゃないんか?
確かに、アルバーテが被害者なんだけど
クレスチャン一家の事件だったね・・・
これはきついわ。
で、ロニーよ・・・
いったい、何が真実なんだ・・・
本当に困ったいとこだよ・・・
アマー島事件も動きがあって、どうなっていくんだか・・・
ラムス・ボーンはバラバラ死体じゃなかったの?
彼はカールを知っていた!?
アンカーは何にからんでいたの?カールを巻き込んでたの?どうつながってたの?
そして、アサドの指は?ローセの精神は?
ふたりは大丈夫なのか?
あー、続きが気になるのに、手元にない!
近隣の本屋に売ってない!
アマゾン先生、早く!
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事件と主人公たちのエピソードのバランスが絶妙なシリーズ。
毎回ちゃんと労災保険が下りるのかが気になるところ。
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4月-5。3.5点。
目まぐるしく変わる展開。犯人と思われる男を捜す特捜部Q。スピード感溢れる展開、カールとアサドを襲う危機。
面白い。読み応えあり。これでもか、と変わる犯人像。
次作も期待。アサド、いつも良い味。
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(上巻より)
ハーディは車いすに乗れるようになり良かったが、
カール警部補の女性関係は暗礁に乗り上げたまま。
さらに、子供の頃の伯父の事故が殺人だったという従兄弟の告白は
面倒なことになって、私生活は最悪。
新人ゴードンは皆に特捜部Qの一員と認められて良かった。
そして、事件の方は意外な犯人だった。
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過去作品に比べると及第点くらいかな…。
過去が現在に追いつく過程は、いつもならハラハラして「カール、アサド、早く早く!」なのだけれど、今回はそれは控え目。この過去と現在が並行してストーリーが展開していく手法は、未解決事件専門の捜査班なので当然だけど、カールとアサドが終盤、事件関係者にぼろぼろにされる展開も定番なのかな…。
それにアンカー釘打ち事件もあるのに、さらに親戚恐喝事件まで追加されては、正直しんどい展開。これ以上カールを窮地に立たせてどうするのか、という素朴な疑問が湧く。
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【特捜部Q―吊された少女】
毎度毎度適当な捜査入りからヤバイ事件に巻き込まれていく特捜部q。これまでで最大の窮地に追い込まれちゃうカールとアサド。
巻を重ねるごとに強まるメンバーの結束。サブキャラのゴードンもついにメンバーとして認められたよう。
一方で、アサドの出自についての記載がチラチラ出始めたのは、これから何か波乱があるんだろうなと。今後も楽しみ。
#読書 #小説 #北欧ミステリー
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シリーズ6作目、これで既刊は全部読んだ。まだ解決してない事件があるしアサドの過去も少しずつしか明らかになってない。話は続くしかないので楽しみに待っている。
映画化されているというので、ビデオを借りに行った。8月3日に並んだばかりで、あまり残っていなかった。1話の 一檻の中の女一 が目当てだったが全部貸し出し中で、二話の 一キジ殺し一 しかなかった。
貸し出して残ってないと言うのはQのファンが多いのかなと密かに嬉しかったが、
「ミレニアム」のスタッフ製作ということで、隣り合うスエーデンとデンマーク、同じ様な色調の海や森の匂いがした。
映画になるとやはり「ミレニアム臭」というのか、原作にあるチームの雰囲気作りか猟奇的で、グロテスクで、暴力的なシーンが多い、これが見せる技術かもしれないが。
原作もそういった犯罪がテーマなので、ストーリーを損なってはいない。読んでいるときよりも映像で見ると生々しく、原作はこういうことだったのかな、違うのではないか、自分は作者の意図をただ辿っっただけで謎解きやチームの働きに付いてきただけだったのか、などと映像から受けたショックが大きく考えてしまった。映画の出来は悪くなく面白かったが、それでも改めて心地よい文字の世界を見直してしまった。
ただ漠然と想像していた、カール・マーク、アサド。ローセが俳優であっても実体として感じられ、見る目的それでよかった。特にアサドは、削ったような細身のアラブ人で、ラクダの例えもぴったりな人だった。
観光客もよく訪れるという、今回は風光明媚な史跡も多いボーンホルム島が舞台だった。山道で美しい少女が木から逆さ吊りになった形で死んでいた。事件は20年近く前で地元警察でもすでに捜査の手は離れていた。カールのところにボーンホルム警察の警官から電話がかかる。「私が捜査してきた件をぜひ特捜部Qに引き継いで欲しい」そういってきた警官ハーバーザードは、マークに断られたこともあり、退官式当日に職場の上司やわずかな列席者の前で拳銃自殺をした。彼は今までコツコツと調べていて、済んだ事にしたい仲間からが爪弾きにされていた。
「放って置くのですか」腰の重いカールをいつものようにアサドとローセが立ち上がらせる。
未解決事件を扱う特捜部Qは、常に過去に遡ってわずかな手がかりから出発しなくてはならない。推理して、調べて動かぬ証拠を見つけ出さないといけない。だが調べる価値があるのだろうか。「警官が命をかけたんですよ」
まず自殺した警官が集めに集めたガラクタやメモの箱を地下室まで運び入れる、地下にある特捜部Qの部屋に入れると身動きがとれないくらいの量があった。
しかし、アサドとローセ、それに押し付けられてきた新米のゴードンの手で、殺された少女とその頃関わりがあった人たちなどが次第に浮き彫りになって来る。だが時間がたっている、少年は大人になり。大人は初老になり、手掛かりは消えかかっていた。
ひき逃げ事件だった。そうとなれば誰が犯人でどういう経緯だったか。やる気のなかったカールは少女殺人事件と決まり俄然やる気が��てきた。「罪もない少女を無残に吊るしたのは誰だ」そして、複雑な背後に群がる人々の中に入っていく。
当時少女がいたフォルケフォイスコーレというのは成人教育機関で、そこの同窓生、岬に固まっていた反戦ヒッピーたち、時間がたってヒーリング団体から一種の宗教団体になった一団とその教祖。自殺した警官の息子と一時付き合っていた男性などがいた。睡眠療法の医者も挙がってくる。カールとアサドは新興宗教の教義を知るために天文学者の話を聞く。この説はとても面白い。
古代から全ての宗教の始まりは太陽と天のめぐりだという、そこになんらかの手がかりは無いか。
一人の男が浮かぶ、今は教祖になり自然と一体になれば平和で安らかな境地に達することが出来る。それを瞑想と祈りで日々実践する団体を作っている。若い頃はハンサムで目に強い魅力があり女に不自由しなかった、死んだ少女と関わりもあった。
捜査はこの男性を目指して進んでいく。証拠はないもののカールは何らかの繋がりがあると思い、行方を捜し求める。
教団はヨーロッパでも信者を増やし続けていた。名もそれらしく変え、彼は世界の宗教を一つにしたいと大望を抱いていた。
彼の現在の名前がやっと分かる、しかし事件は複雑に絡んで、カールとアサドは命をかけて縺れを解こうとする。
ますます重くて長くなったポケミス620ぺージの終わりに来て、単純そうに見えた事件は、実はねじれにねじれていてカールとアサドを駆け回らせ、やがてこれまでの幕切れのように、2人は負傷しつつ犯人を追い詰める。ねじれて絡んだ人間関係がミソ、予想外な部分は、書けないけれどあっと驚く。
新興宗教が、それなりに古代の信仰といかに結びついているか、人間の生命が宇宙のめぐりにどんなに関わりがあるか、複雑さはハンパではない。
学者に教わり、医師に訊き、Qの三人は睡眠療法の患者になり三日ほど後まで宙にさまようような副作用に悩まされたりする。
どの作品も社会に関わる現代生活を描いてきている。
多くを占める作者の宗教についての語りを読むことは、ミステリの要素として、深い動機を抜きには語れないけれど、この作品を読むと、他の作品にもあるように北ヨーロッパでも例外なく人は悩み、やはり宗教に救いを求めているのかと感じる。宗教活動か、金集めか、1歩間違えば詐欺か、危ない境界で起きた事件は、執拗な調査とチームの活躍で死んだ警官が関わった人々とともに悲劇的な幕を下ろした。
アサドのラクダのたとえが、真面目に真剣に思いやりがあるだけに聞いたときは噴き出してしまう。
書き出しおこうかと思ったが余り多くて書ききれなくなった。
ユッシ・エーズラ・オールスンさんは、大きな賞を受け欧米だけでなくアジアでも大ベストセラーになり、勲章もうけたそうだ。お忙しいでしょうが次を早くを待っている。ラクダの数は多ければ多いほどいい。
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色々な複雑な人間関係が混じった事件の展開は
面白かった。最後の事件の怒涛の展開は予想外で
上下巻読んだ甲斐があった。
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アサド、アサド、あなたには何が隠されているのか、そればかりが気になっている
これだけ混迷した事件が結局は恋愛絡みだったというのが、なんというか、げっそり。
これは映画にはならないだろうな、話が散漫で人物が多すぎる。
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特捜部Qあるあるなのか、「そして(犯人は)誰もいなくなった」パターン。
全体を通して読み終わってから考えると1人の男に人生狂わされた女性たちの嫉妬バトルでした。
アトゥが一番悪いでしょ…これは。結局取っ替え引っ替えしていて、その時その時で「君が一番だ」って言うから言われた本人は本気にするし人生賭けようと思うのに、賭け始めた瞬間アトゥは別の人に移っていていつの間にか捨てられてるって最悪すぎる。「恋は盲目」を極限まで高めさせる魅力がきっとあるのだろうけど、それにしたって周り見えてなさすぎる。アトゥもその相手も。
事件もさることながら、スピリチュアル催眠のせいでアサドの裏の事情がまた垣間見れたこと、ローセの内面の示唆がされたのは次回作が楽しみになるいいところ。
そしてカールのトラウマ・釘打ち機事件に新展開があり犯人へ一歩前進するものの、カールには捜査へ進む意欲が湧いていないのも気になる。
今回は残酷描写少ないのでサクッと読めました。
次回作も期待。
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シリーズ第6弾。
今回はある一人の男を巡る事件です。
特捜部はその男を犯人として追い続けますが、
そこに様々な人間の思惑が絡んできて・・・。
このシリーズは事件の特殊性もさることながら、
特捜部Qというチームそのものに興味を惹かれます。
チームはけしてまとまりのある集まりとは言えません。
団結力、一枚岩という言葉は似合わないチームです。
捜査官たちは個性が強く、
考え方も行動もどちらかというとちぐはぐ。
警察組織の中でも鼻つまみ者の集まりです。
けれどそんなチームが
数々の難事件を解決してきたのですから、
個々の能力は高いのでしょう。
ただ、捜査員それぞれに影の部分があって、
本作でまた少しだけ
彼らの秘密を垣間見ることができました。
それがまたこのシリーズの魅力でもありますね。
べそかきアルルカンの詩的日常
http://blog.goo.ne.jp/b-arlequin/
べそかきアルルカンの“スケッチブックを小脇に抱え”
http://blog.goo.ne.jp/besokaki-a
べそかきアルルカンの“銀幕の向こうがわ”
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