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1815年英国に生まれたエイダは、100年後その計算法が認められ世界初のコンピュータープログラマーと呼ばれるようになった。
エイダの父親は詩人のバイロン。奔放な生き方を嫌った数学者でもある母親に厳しく育てられたという。
あまり子どもに馴染みのない人物だが、コンピューターの基礎的考え方を思いついたのが女性だったことは知られてほしい。
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19世紀のイギリスに生まれたエイダはふうがわりな女の子でした。蒸気で動く空飛ぶ馬を作るのが夢だったのです。でも、お母さんはエイダにふつうのレディになってほしかったのです。17歳の時、エイダは発明家に出会います。そして、彼の考えた「解析機関」(コンピュータの原型)のためのプログラムを考えることになりました。それが、現代でも驚きをもって語られる、世界最初のプログラマーの誕生だったのです!
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19世紀初めのイギリス。エイダは、裕福な家の娘で数学者であった母と自由奔放で有名な詩人の父との間に生まれた。母親は、彼女が生後1か月の時に、夫との生活に疲れて家を出、彼女が真面目な人生を送れるよう、詩から離し、数学をはじめとした学問を身につけさせることに腐心した。ちょうどそのころ起きた産業革命で彼女は工場見学に行き機械に夢中になったが、同時に創造力や詩的な表現も目覚め始めていた。社交界で発明家のバベッジから計算機の開発について知らされたエイダは、織機で使われているカードを計算機のプログラムに使うことを考える。こうして世界で最初のプログラマーとなった彼女は、この機械が絵、音楽、文章までもプログラムできると予見した。彼女は36歳でこの世を去るが、その100年後にコンピュータを設計した人たちは、彼女の考えた計算法に驚くのだった。
世界で最初のプログラマー、エイダ・ラブレスを描いた伝記絵本。水彩画を丸めて切り取って貼り合わせ、立体的に見えるよう組み立てて撮影された印影のある絵が印象的。
伝記としての内容は中学年での十分だが、機械の仕組みやパンチカードを使ったプログラムへの理解を何となくでも求めるのなら、中学生以上がいいでしょう。
織機のパターン入力に使われた穴の開いたカードは、母の編み機で見たことがあったし、PCの前の時代、ホストコンピュータの入力に使われたパンチカードも会社で実際使ったことがあったので、とても懐かしい。
それにしてもこれらのルーツが同じものだったとは。
スマホやタブレットを当たり前のように使う子どもたちには、そんな時代を想像する方が難しいのかも知れませんね。
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エイダ・ラブレス(Ada Lovelace:1815-1852)は、世界で最初のプログラマーと呼ばれる人物です。
父はバイロン卿。詩人として名高い人ですが、天才肌で自由奔放に暮らしていました。母は数学者のアン・イザベラ・ミルバンク。裕福な家のお嬢様でした。
さて、そんな2人の間に生まれた女の子がどのように育ち、「プログラマー」となったかという絵本です。
父と母の結婚生活は長くは続きませんでした。
奔放なバイロン卿の生活態度に、アンが耐え切れなかったのです。エイダが1歳の時にアンはエイダを連れてバイロン卿の元を去ります。
アンは娘が父のように夢見がちな人間にならないようにと、厳しく数学や語学を学ばせます。病弱だったこともあって、小さい頃は、友達と遊ぶこともほとんどありませんでした。
時は産業革命の頃。母に工場見学に連れて行ってもらったエイダは、空飛ぶ機械の馬を発明したいと考えたりします。そのどこか夢見がちな発想は、(母が嫌った)父の血のなせるわざだったのかもしれません。
16歳になって社交界にデビューすると、さまざまな人々と知り合います。
この顔ぶれがすごい。
作家、チャールズ・ディケンズ、科学者、マイケル・ファラデー、数学者、メアリー・フェアファックス・サマービル。
そしてエイダの人生に大きな影響を及ぼす発明家、チャールズ・バベッジ。
バベッジは階差機関(ディファレンス・エンジン)を発明した人物です。蒸気で動く巨大な計算機のようなものでした。のちには、これを改良し、さらに大型の解析機関(アナリティカル・エンジン)を作ろうとします。複雑な計算を行い、結果を保存し、印刷する。コンピュータの原型と言われる機械です。
エイダはこれらの発明にとても興味を持ち、2人は友人関係になります。
エイダはラブレス伯爵と結婚し、エイダ・バイロンからエイダ・ラブレスになるのですが、バベッジとの友人関係は結婚後も続きました。
バベッジは、解析機関にどのような計算をさせるかを、パンチカード(穴の開いたカード)を利用して、機械に伝えようと考えました。
エイダは、パンチカードに書き込む計算式や解説を書くことを申し出ました。
パンチカードはつまり、「プログラム」、そしてエイダはプログラムを考える「プログラマー」になったわけです。
エイダはベルヌーイ数を解析機関で計算するプログラムを書きました。ベルヌーイ数を求めるには漸化式を計算する必要がありますが、解析機関はプログラムにしたがって、次々に計算を繰り返し、正しい答えを導き出せるはずでした。
残念ながら解析機関は最終的には完成しませんでした。費用が掛かりすぎたのです。
プログラムを考えたこともすばらしいことですが、エイダの独創的なところは、むしろ、解析機関で絵や音楽、文章もプログラムできると考えた点だったかもしれません。
バベッジは解析機関に計算をさせる以上のことは考えていなかったようです。
今では、コンピュータにこれらのことができるのはそう驚くことではな���ですが、この時代の発想としては、かなり先見の明があったと言えそうです。
エイダは36歳の若さで世を去ります。
不明な点も多い人物のようですが、人となりと業績が簡潔にまとめられています。
水彩絵の具で紙に色付けし、パーツをカッターで切り取り、のりで貼り合わせて立体的に組み立てたという絵もなかなかポップで楽しい作りです。
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図書館でたまたま見かけてそのまま勢いで読み終わりました。
プログラマーがどんな人なのかという、
わかっていそうでわかっていない部分を絵本にしてわかりやすく教えてくれます。
途中でアラン・チューリングを思い出しました。
導入として小さなお子様から大人まで読みやすい絵本だと思います。
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「詩人バイロンと数学者の間に生まれたエイダ。想像力と数学の知識をあわせもち、世界初のプログラマーと呼ばれる女性の伝記絵本。
この本は、世界初のプログラマーだったひとりの女性、エイダ・ラブレスをえがく伝記絵本です。エイダは、英国を代表する詩人バイロン卿と、数学者のアン・イザベラ・ミルバンクとの間に生まれました。エイダの母は、娘が父親のようにほんぽうな人間にならないよう、てっていして数学を中心にすえた教育を受けさせました。詩なんてもってのほかです!しかし、エイダの想像のつばさは、そんなことで折られたりはしませんでした。「世界で最初のコンピュータ・プログラマー」とよばれるエイダの人生は、たしかな知識と豊かな想像力が結びつけば、だれも思いもおよばない世界がつくりだせることを教えてくれます。コンピュータがとくいな子どもたちや、発明家をめざす子どもたちだけでなく、夢みることが大好きな子どもたちにもおすすめしたい本です。」