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世界が賞賛する日本SF最高峰!
圧倒的想像力に瞠目! 市民皆武装立国法により各家庭には携帯型対空ミサイルが配備。その保守管理と物故者のネット内人工人格の消去が市役所で働くぼくの主な仕事。ある日ぼくの眼前に、死んだはずの親父のアバターが突如として現れる。
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2014年刊行の単行本を文庫化。
なんと講談社文庫に神林長平が初登場……というのに一番驚いた。神林長平はちょこちょこ読んでいたが、言われてみればほぼハヤカワだったような……?
本書では繰り返し『自己とは何か?』という問いが繰り返される。結末はある種の回答になっていると思うのだが、どうだろう?
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冒頭から「この世界は一体どんな世界なんだろう」って思いながら読み進めるんですが、テクノロジーや世界観がするすると入ってきて一気に読んじゃいました。登場人物に愛嬌があって、とてもキャッチー。SFだし、シリアスなってところもあるんだけれど、親子漫才みたいなやりとりがいい感じに脱力させてくれるというか。読み終わって表紙を見た時、あのシーンか!って思わず笑ってしまった。
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インターネット内での人工人格(アバター)が暴走する設定は面白いのだが、アバターの人格とリアルの人格がごっちゃになる描写は、それ系に慣れていないとキツいかも。
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神林長平初挑戦。途中まではかなり面白かった。自分の代理人となれるネットアバターが当たり前の存在であるような世界、こういう世界になると楽しいだろうなと思う。意識のあり方に関するものをはじめとした哲学的な会話も面白かったけれど、最後の方はそれが行き過ぎて、ちょっと追いつけなかった。同じことを繰り返し書いていたのは、そういう表現なのか、それとも校正に問題があったのか、そこがなければ星5でも良かった。
170624
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なんだろう…
途中から全然話が入ってこなくて
どうでもよくなってしまうパターン
私の読書は
たまにこのパターンあるんだよなぁ…
主人公が苦手かも
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短編と中編の中間くらいの小説三作品で構成されている。面白さもありつつ、副産物の多い読書だった。
世界設定はミサイルが各戸に配備されたというような、いかにもSFっぽい世界で、ネットアバターという人工人格がネットという仮想空間でアプリ的に色んなことを代行してくれる。
みたいな設定。
話の顛末は言わないで、個人的に面白く反応できたことを書いてみたい。
量子コンピューターなどコンピューターが超絶に進化したときのキモは、人の構成要素の最小単位が確定すれば、それが原子ならある瞬間のある人の膨大な数の原子の結合をその超絶コンピューターの中に再現してみた時に、その仮想空間にスキャンしたときの意識や記憶、意識や魂のようなものがそこにあるのだろうか? ということと、そのデータと生身は〈同期〉のようなことを通して行き来が可能になるのだろうか? ということだった。
この小説を読むとそのへんの判然としない疑問に一定のifが投げかけられてくるのでいろいろなことを思うことができた。
作品内で説明に使われる言葉の細かいニュアンスに多少自分の感覚的に違ってもとても面白く読めた。
思ったのは「重き」を担保するものの強度みたいなもの。もちろん完全?シュミレートなら心身の痛みもリアルに再現されることになり、今自分が現実と思っているのが現実なのか仮想空間なのかわからないのでは?ということに。
ただ区別がつかないなら、その問いには意味がない。意味がないなら、仮に今の自分か仮想空間内の再現なりデータだったら? ゲームのセーブデータと同程度の存在かもしれない。とか。
何に意味があるのか、というような話に。
そういったことをあれこれと考えさせられる面白い作品だった。SFの設定としては軽めのifなのかもしれないけど、哲学的な思索に貫かれているのでいろいろと深い。
倫理学とかの考察に近いのかな。
科学を突き詰めていった先に見える課題。
素人の仮定はある程度で止まるけど、
SF作家はドライブさせて向こうの景色で起こりそうなことを投げかけてくる。
一粒で二度美味しかった。
科学の進歩と人との関係を考える助けにもなると思う。
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私たちは、自分の情報をたくさんネットワーク内に蓄積している。
ブログやSNSならわかりやすいが、実はクラウドという機能によって住所録や写真、好みの音楽も「バックアップ」の名のもとに預けている。
今や「Siri」や「アレクサ」など、「会話する」人工知能が自分の代わりにネットワークで検索する時代。
さらに、オンラインゲームやSNSでおなじみだった「アバター」は、今では「ビジネス」や「メタバース」まで実用の広がりを見せている。
そして自分自身振り返っても、すでに使用していないサービスのアカウントをそのままにしているなんて…ザラだったりして。
緊迫を増す世界情勢と防衛力強化がクローズアップされる昨今、
「大いなる自分探し」と「ヴァーチャルとリアルの境界線」のこの物語も、すでに現実となり始めている……。