投稿元:
レビューを見る
山に関する不思議な本として、「山と村の怖い話」を読んだあと、俄然、山に関する怖い話についてさらに知りたくなって購入。
半分ほど読んで積読1年半ほどだったのを、本の整理をしようと手にとり、再度読みはじめる。
残り半分で、読了2時間半ほどか。
案外に時間がかかったのは、最初に積読状態になる原因だった、「場所の地名が割に詳しく載ってるんだけどよくわからん」ところに改善を入れ、グーグルマップで検索しつつ読んだから。日本には思いがけずまだ緑の絨毯みたいなところがたくさんある……と気づけたところもまた嬉しい発見だった。
グッと面白さが広がったし、ただ検索するだけでも、その地の写真が見られるので、身に迫るものがあった。
特徴としては、数名の書き手が、知っていたり聞いたり取材したりした内容を同人誌のように持ち寄った感じで出来上がっている。
百物語のように、とあるが、そのような形式にしたかったのなら、起こる怪異別に、もっと小さなセンテンスにわけて書く方が効果的だっただろうと思う。
面白くはあったが、個々人の書き手の書きぶりの違いもあって、そこが残念な点だった。また、中部地方と四国の山の話が多く、北海道や九州まで他にも怪異の話はいっぱいあったろうに……と思うと、そこもちょっと残念だった。
しかし、やはり足で行って歩いて見聞きした人の話には目を見開かされる。これが遠い世界の話でなく、同じ地続きの日本の事だと思うと、怖い中にも誇らしいような気持の不思議となった。