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あれ?この結末は?
これで終わりか。そんな印象。
残念ながら子は親を選べない。
ハッキリ言って怖いです。人間は簡単に洗脳されてしまうのですね。
主人公のクラスの子達が案外、主人公に対して普通に接しているのが意外だった。
最後に出てきたツダさんが、一波乱起こすのかと思いきや。何もなく。南先生は、まぁ不快だったけど毎時間似顔絵はなぁ。
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こと日本においては宗教の話題と言うのは非常にセンシティブな話題であって。さて、今村夏子さんの本を読むのはあひるに次いでこの星の子で二冊目になった。宗教絡みの本と言うことで非常に楽しみにしていた。あひるを読んだ時の、なんとも言えないぞわぞわさがあまりにも強烈で、今回はどんなぞわぞわを感じるのだろうと期待半分不安半分。結論から言うとぞわぞわしなかった。あひるよりも長編と言うこともあり、描写が比較的丁寧であったこともあり、得も言われぬぞわぞわ感を感じなかったのだろうと思った。
内容に関してだが、この展開から一体どんな最後が待っているのか?と、終盤は気になって仕方がなかった。最後のページを読み終えた後に(ははぁ…こう終わるのか)とやけに感心してしまった。この本に出て来る登場人物の中で、明確に「悪い人」として書かれているのは(あくまで個人的な見解だが)南先生だけだった。(二人ばかし若干怪しい人がいたが…)他の登場人物はみな「良い人」であった。無下に他人を否定する事もなく、自分に従っている人間ばかりだった。だからこそあの終わり方ができたのだなと。個人的にはとてもきれいな終わり方だと思う。宗教と言うフィルターはあるのかもしれないけれど、家族としての愛を感じるラストだった。
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あやしい宗教にのめりこんでいく両親、歪んでいく家族、周りの人の目…。一見ほのぼのしていても背後に歪みや毒があって、心のざわつきが止まらなかったです。ラストのシーン、無邪気なやりとりかと思いきや修復不可能な怖さが出ていて、ほんと怖かったです。
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病弱だった「わたし」を救ったのは、特別な「水」だった。健康になったわたしと、少しずつおかしくなっていく父と母。物語は宗教にのめり込みひずんでいく家庭の中で、無自覚なのか自覚しているのか、とにかく少し違った「普通」のなかで生き、育つ少女の視点で描かれる。
自分が分かっていないということが、分からない。
知らないということを知らない。
気付けていない、ということにすら、気付けない。気付きようがない。
そんな私の「普通」。
それこそ流れる「水」のような淡々とした文体、柔らかくもするどい言葉で。
でもほんとうにこの小説のすごいところは、その小さな漣のような言葉に、どうしようもなく胸がかき立てられることだ。小説自体が秘めた熱よりも、読む僕たちのほうが、どうしても熱っぽくなってしまう。底知れない静かな力が、文字の裏側に隠れている。
日本で「宗教もの」と言えばこういう語られ方になってしまいがちであることには少し反感を覚えるけど、それはまあ作品の評価とは切り離して考えるべきだろう。
それに、この作品における宗教はあくまでモチーフであって、本当に描かれていたのは、ただ純粋に家族がわかり合えなくなってしまうということの、どうしようもない切なさなのだと思う。
ただ、いい小説を読んだという感覚が、強く残っている。
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なるほど、なるほど…。
今回の芥川賞候補作として発表されたこちら。
何より装丁が素敵。
色が良い。
内容は新興宗教ものなのでだいぶデリケートなんだけど、
切ない暖かさがつまっている。
友達、みんなこんな風なら良いのにね。
そうしたら色んなこと乗り越えられるね。
愛するひとの信じることを自分は信じられるのか。
お友達の、みんな騙されてるのかもしれないという話のくだりに哲学を感じた。
ラストの余韻が凄い。
きっとあの夜のあと、色んなことが大きく変わるんだと思う。
良い方向だけでは無いだろうけれど。
あえて描かれない部分に深い奥行きを感じる作品だった。
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テーマがテーマゆえに
ずっと常に
薄気味悪さを感じる物語
最後の場面も私は読んでいて怖くなってしまったのだけれど
結局
どうなってしまったのか
読み取るのが難しかった
たぶん
正直、読み取れてない
とにかくすごくすごく怖かった
不気味で
もう読み返せないかも。
ただ、
「ぼくは
ぼくの好きな人が信じるものを
一緒に信じたいです」
この一文は
とても好き
せつない
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話題の?今村夏子さんの『星の子』読了。台詞が多いし、文量も多くないので、あっという間。面白いけど、あの辛口選者の芥川賞は難しいんじゃないかなあ。著者の意図というかロジックはわかりやすいし、設定もそこまで斬新ではないし。装丁が綺麗。
著者の他の作品を読んでみるか。
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芥川賞受賞候補
色々意見はあるが、受賞の有力候補ではないかと感じた。他の作品に比べ、読みやすくテーマがシンプルで作者の表現したいところが比較的わかりやすく、またそれがハンデになっていない。起承転結というか話の流れもわかりやすく追いやすい。導入と、主人公の戸惑い、失望と転落、緩やかな希望といった、王道という感じがする。それぞれの場面転換のために、教団幹部の息子、憧れの先生、友人の彼氏など、人物の登場の仕方もいい意味でその意図がわかりやすい。
ただ決して、語彙や深みのある描写が多いというわけではないと思われた。会話文も多い。語彙や描写力で言えばもしかすると古川さんや「影裏」の方が上手かもしれないのだが…。会話文での特徴としてディスコミュニケーション的要素を読書会の他の方が指摘されており、なるほどと思った。「四時過ぎの船」も面白かったので、迷ったが、この作品は票が割れにくいのではないかと…また勝手なことを書いている。ネットは怖い。
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デビュー作『こちらあみ子』で三島賞受賞。第2作『あひる』で芥川賞候補と話題になっていた作者で、ずっと気になっていた。この『星の子』が初読みである。遅読の私が久しぶりに一気読み!物語の中に入りやすかった。すごい作家だ!デビュー作と第2作目も是非とも読みたい!
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本当に何気ない日常の空気感を書くのが上手だなーと思った。
きっと主人公の家族や家族の周りの人達を外から見ると、宗教にかぶれたやばい人達だと思うのだろうけど、主人公の視点から毎日を見ていると何も問題がない普通の女の子に見える。
友達もいて、恋をして、宗教の集まりとは言え楽しく過ごせる友達もいる。
最後の終わりなんてなんて幸せな家族の姿なのだろうと思う。
人の幸せはきっと他人の物差しでなんかじゃ測れないものだな…何が幸せで何が正しいかなんて、本当にわからない。
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あひるよりは魂がこもっているように感じた。今村夏子さんが書きたくて書いてるならいいけど。
わたしは読み間違ったりしない。全部の本に対しては無理かもしれないし、一回読んだだけなら失敗するかもしれないけど。わたしにとって大事になる本なら、読んだ直後は間違ったことを思っても、ちゃんとああそういうことかってたどり着く。足らなかったら再読する運命にある。だから自信をもって読める。
関係ない人のことは誤解しちゃうことがあるけど、大事な人のことは間違わない自信があります。
信じてもらって大丈夫。書きたくないことは書かなくて大丈夫。誤解をおそれず書きたい言葉で書いて大丈夫。
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読後感をどこにもっていけばいいかわからなかった作品。
わたしの行間を読む力が弱いのか「え?ここで終わり?」と放り出されたような気分になりました。
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とても面白かった。子供を精神年齢できちんと幼く描いているところなど、神業レベルではないだろうか。同級生のなべちゃんは大人びているが、彼女もそれなりの幼さで見事に描かれている。ここまで見事に描くことはなかなかできることではない。素晴らしかった。
怪しいオカルト的な水が出てくるのだが、オレの従姉妹がアトピーで悩んでいた時に、水道の元にイオンを発生させる機械を取り付けて、その水で料理したりお風呂に入ったりしていたら本当に治った。その器具はうちの水道にも取り付けてあって今も使っている。そのような経験があるので、主人公のご両親を変であるとは思えなかった。この小説ではそんな水や宗教を排斥するような表現はしていない。また、その集会も別に悪く描いていないところもよかった。
ご両親がカッパだと思われていたところがとても面白くて思わず吹いてしまいほどであった。また、主人公は『ターミネーター2』を見て夢中になるのだが、その見方がオレとは全然違っていて、それも映画の力であると思った。
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再読したら全然細部を覚えていなかった。
今村夏子作品の中では、「語り手の信用できない度合いが低い」という点で異色だと思う。
ちひろが初めて自分たち家族のことを客観視したシーンが、幸せなのか不幸なのか読んでいて辛かった。
教師に家族のことを言われてクラスメイトが庇ってくれるシーンがよかった。
子供のほうが物の見方がフラットだ。
ラストシーンは心中だと私は思っている。
両親はちひろが、姿を眩ましてしまった姉の二の舞にならないように、半分外に出かかっている彼女を繋ぎ止めたのだ。
あくまでそれがちひろの幸せだと信じて。というよりは、外に出て不幸にならないように今起きている物事を天秤にかけたのだ。
ちひろは何一つ不幸ではなかった。そのことが一番の不幸だったのかもしれない。
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宗教にハマった家族の話。
展開がなくて退屈なのと会話がただ続いていくのが苦手だった。
私には良さが分からなかった。