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【ネタバレあり】
「炎と花」のヒーロー、ブランドン・バーミンガムの弟・ジェフリーと
罪に問われ亡くなった英国伯爵の娘・レイリンの物語……の実は三編目。
一編目の「The Kiss /巡り逢うまで」は
原書房さんがアンソロジーを出してくれていた為、読めていましたが
二編目の「Beyond The Kiss」が(これもアンソロジー?)未訳の状態で、
本作が邦訳出版されてしまったので
冒頭の部分で「???」となったのは否めません。
ま、読んでいく内に段々分かってはきましたが。
一編目では、母の兄を名乗るクーパー・フライによって、
ドイツ人のならず者(と私は見なしている)グスタフ・フリードリヒに売られてしまったレイリンが
ジェフリー達に助けられ
彼と結婚し、初夜を迎え……る? 所で
終わっていたのですが
どうやらその後の二編目で騒動が二つばかり起こったらしく
(一つは前述のグスタフ・フリードリヒがレイリンを誘拐したこと、
もう一つは、ジェフリーの元使用人のネルとやらが、ジェフリーと寝て子供を身ごもったと主張したこと)
本作は、ジェフリーとの初夜を拒み続けているレイリンの、惨めな目覚めから始まる……のです。
兄・ブランドンに比べ、ジェフリーは紳士ですので、嫌悪感は全くないんですよね。
「炎と花」でも、義姉となったヘザーと仲良くしていたし、彼女を愛情込めて「トーリー」と呼んでいる姿が印象的でした。
(この作品のおかげで、トーリー党の名前は覚えましたし、現在放送中の「女王ヴィクトリア」を観ながら、「あ、トーリー党な」と思ったり。)
一方のレイリンは……可哀想な境遇だとは思うんですけど、今の段階ではあまり好きになれないです。
ヘザーや、息子ボウの相手は好感持てたんですけども。
ちなみに、ジェフリーの屋敷(オークリー・プランテーション・ハウス)は、「炎と花」でブランドンに執着していた女のものだったんですね。
次は下巻を読みますけれども
少しでもレイリンを好きになれればよいのですが。
ところで、ふたりの結婚披露パーティに来ていたミセス・リディア・ウィンスロップは
もしかして前述のボウの相手を引き取る女性でしょうか?