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猫をテーマにしたSFアンソロジー。
『地上編』と『宇宙編』に別れていて、前者は舞台が地球上の短編、後者は舞台が宇宙の短編が収録されている。『地上編』の方が好みの短編が多かった。
巻末解説にも猫が登場するSFが数多く挙げられていて、読書ガイドにもなっている。猫好きのSF読者は是非。
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猫の出てくる話が多いのが先ず羨ましい!
ニャンコも好きだけどワンコの方がもっと好きなので犬は駆け回るな傑作選も出して欲しいです!!
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良質なクラシックSF集。どの話の猫もなにものにもおもねらない猫らしい猫で、編者の猫愛は本物だ‥と感じる。SFだから猫を越えた猫が出てくる中で『宇宙に猫パンチ』のケルヴィンが可愛すぎて癒されました。各作品の解説やあとがきがブックガイドとしても素晴らしい。
宇宙編は若干懐かしさを古くさが上回ると感じる作品もあるけど‥(笑)
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短編集。SF。猫。
知らない作家さんが多数。
好きな作品も、苦手な作品もあり。全体的には、まずまず満足。
コイストラ「パフ」がベストかな。
ジェフリー・D・コイストラ「パフ」
遺伝子操作。生物の進化を描いたSF。20ページの短さで、ストーリーも面白く、想像力も刺激される。
デニス・ダンヴァーズ「ベンジャミンの治癒」
超能力…というか、不思議な能力もの。非現実的な設定を用いながら、主人公と飼い猫の一生を描いたヒューマンドラマ。なんとも言えない結末が…好きです。
シオドア・スタージョン「ヘリックス・ザ・キャット」
はじめてスタージョン作品読めた…。SFとファンタジーの真ん中らしい。
ジョディ・リン・ナイ「宇宙に猫パンチ」
かるい宇宙航海もの。
アンドレ・ノートン「猫の世界は灰色」
ショート・ショート。宇宙船内探検。ページ数のわりにストーリー性あり。もう少し長くても良かったかも。
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「ベンジャミンの治癒」デニス・ダンヴァーズ->人の営みはただ空虚。生命は愛おしく寂しい
「宇宙に猫パンチ」ジョディ・リン・ナイ->ネコに振り回されるドタバタが好き
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ねこ好きなら読んで損はしないアンソロジー。本邦初訳出の作品が多い。
猫が悪い役をする話は、全体のなかで少ないので安心してお読みいただきたい。良くも悪くも猫だから。
作品紹介の短文に、同作家の『猫もの』作品紹介もついてるので、今後の読書案内としても役立つ。
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猫が好きだから買って読んだ。
猫が主役ではなく猫が出てくる作品も
SF、ファンタジー、ちょっとゾクっとする話も。
個人的に
・猫らしいと感じたのは「宇宙に猫パンチ」
・猫好きの空気を感じたのは「ベンジャミンの治癒」
・妖しげ、という猫のイメージを表したのは「化身」
では、ベストはというと「パフ」子猫がねぇ・・・
ラストのフレーズの印象がねぇ。
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猫好きなら読むしかないでしょ!な、アンソロジー。<地上編><宇宙編>それぞれに5篇ずつ収録。お気に入りは<宇宙編>に多かった。「宇宙に猫パンチ」そのまんま(笑「チックタックとわたし」は『テルジーの冒険』で続きを読まなきゃ!「猫の世界は灰色」は初アンドレ・ノートン。20数ページだけど面白かった!「影の船」は初フリッツ・ライバー。苦手なファンタジーかと思いきや。。。面白いじゃないの!
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猫が活躍するSF中短編小説アンソロジー。
地上編◆5作+宇宙編★5作。
◆ジェフリー・D・コイストラ「パフ」(Puff:1993年)
◆ロバート・F・ヤング
「ピネロピへの贈りもの」(Pattern for Penelope:1954年)
◆デニス・ダンヴァーズ
「ベンジャミンの治癒」(Healing Benjamin:2009年)
◆ナンシー・スプリンガー
「化身」(In Carnation:1991年)
◆シオドア・スタージョン「ヘリックス・ザ・キャット」
(Helix the Cat:1938/1939年)
★ジョディ・リン・ナイ「宇宙に猫パンチ」
(Well Worth the Money:1992年)
★ジェイムズ・ホワイト「共謀者たち」
(The Conspirators:1954年)
★ジェイムズ・H・シュミッツ
「チックタックとわたし」(Novice:1962年)
★アンドレ・ノートン「猫の世界は灰色」
(All Cats are Gray:1953年)
★フリッツ・ライバー「影の船」
(Ship of Shadows:1969年)
少し事前の期待値が高過ぎたかな~(笑)。
中には「別に猫でなくてもいいんじゃ……」みたいなものも。
そんな中でハートを鷲掴みにされたのが、
執筆年が一番新しいダンヴァーズ「ベンジャミンの治癒」。
愛猫の死を受け入れられない飼い主が必死で介抱したら、
特異能力が発露し、猫は生き返り、しかも、
不老不死になるわ、人間の言葉で会話出来るようになるわ――で、
願ったり叶ったりと言いたいところだったが、
それを他人に知られてはいけないので
様々な苦労が……という話。
男一人と猫一匹が旅に出る展開が素晴らしい。
そして、結末は、
これまた飼い主にとって理想的なエンディングだろうけれども、
とても切ない。
グッと来た(涙)。
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「猫ほど素敵なエイリアンはいない」という帯の文句が冴えてます。
まさにそのエイリアンたる猫が登場する「チックタックとわたし」ちょっと異色でおもしろかった。テレパシーの使える異星の猫たちと、15歳の天才少女の話。
「ベンジャミンの治癒」はいとおしい物語。彼女が去っても猫がいればだいじょうぶ。
「パフ」はかわいいけどちょっとこわい。
「宇宙に猫パンチ」は一番なんも考えずに楽しめたかも。
そういえば、知能を持つ猫、テレパシーを使う猫、けっこう
出てきたな。スタージョンの「ヘリックス・ザ・キャット」も。キケンでした(笑)。
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ジェフリー・D・コイストラ「パフ」
知能の高い猫その一。利己的な部分あり。
ロバート・F・ヤング「ピネロピへの贈りもの」
猫を知らない宇宙人その一。請求書の文を変えたところで解決するのだろうか?
デニス・ダンヴァーズ「ベンジャミンの治癒」
知能の高い猫その二。主人公のために生きて、死んでくれた。
ナンシー・スプリンガー「化身」
北欧神の転生もの。SF?
シオドア・スタージョン「ヘリックス・ザ・キャット」
知能の高い猫その三。人間の魂の器にするため改造させられる。後味が悪い。
ジョディ・リン・ナイ「宇宙に猫パンチ」
猫を知らない宇宙人(宇宙船)その二。ご都合主義とはいえ一番好き。
ジェイムズ・ホワイト「共謀者たち」
知能の高い猫(と鼠とモルモットたちとインコ)その四。人間を含めた動物が皆変質していく。
ジェイムズ・H・シュミッツ「チックタックとわたし」
猫型宇宙人。主人公の能力が一番こわい…。
アンドレ・ノートン「猫の世界は灰色」
猫と同じ眼を持つ女性。ちょっとホラー。
フリッツ・ライバー「影の船」
知能が高い(?)猫その五。しゃべり方がかわいい。世界観を想像するのに苦労した。
編者が収録をやめた作品
フリッツ・ライバー「跳躍者の時空」
コードウェイナー・スミス「鼠と竜のゲーム」
ロバート・A・ハインライン「宇宙での試練」
アーサー・C・クラーク「幽霊宇宙服」
アイザック・アシモフ「時猫」
パメラ・サージェント「猫は知っている」
サキ「トバモリー」
シオドア・スタージョン「ふわふわちゃん」
タニス・リー「ナゴじるし」
ジョージ・R・Rマーティン「守護者」
レイ・ヴクサヴィッチ「キャッチ」
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ネコたちの、不思議な物語がいっぱいです。
世界はきっとネコを中心に動いている。
そう思わずにはいられないほど魅力的な短編集でした。
ネコ好きな私にとって、とても面白い一冊でした。
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好きだったのは、
「パフ」「ペネロピへの贈りもの」「ベンジャミンの治癒」「宇宙に猫パンチ」
タイトルの「猫は宇宙で丸くなる」、童謡の「雪やこんこ」のメロディで脳内にずっと流れていたよ……。
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アンソロジーの常として玉石混交。猫SFでまとめてはいるが、猫が酷い目にあう話もあって残念。
ただ、宇宙に猫パンチ、共謀者たちはとても可愛くてSFで良かった。
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猫SFである。猫でSFである。最強である。吾輩は猫ではない、狐である。だが猫はかわいい。SFはかっこいい。つまりこのアンソロジーはすばらしい。重要なのは内容よりも読むときのシチュエーションだ。なんせ「宇宙」で「丸く」なのだから、私たちもそれに習ってふとんで丸くなりながら読むのが最適解だろう。うーん、エレガントな選択。いま私は丸くなることで宇宙に近づいている。猫という概念を理解し始めている。いや”猫という概念を拡張しつつある”。猫とは宇宙。宇宙とは生命。生命とは愛。つまり猫SFとは愛なのだ。愛の証明なのだ。
全10編の内、地球上を舞台とした《地上篇》と、宇宙へ飛び出していく《宇宙篇》に5編ずつ分かれており、各々の作家たちが猫とともに想像力を飛躍させていく。猫の自由で気ままなところを捉えた短編もあれば、猫という存在を魔のものとして捉え人間が翻弄される姿を描いた作品もあり、いずれにしろ猫に対する重ためな感情から描かれたものばかり。「猫SF」と言われる作品は割とあるけれど、本アンソロジーを読んで改めて相性の良さを実感しました。
以下は気に入った短編の感想。
「パフ」ジェフリー・D・コイストラ
「子猫のなにが困るかといえば、成長して猫になることだ」という一文から始まり、子猫のまま成長するパフの成長記録が描かれていく。パフはほぼ一生幼児が外国語を覚える並の吸収力を維持する「速修状態」に固定されており、マシュマロを焼き始めたり、犬を罠にかけたり急速なスピードで成長していく。ケンリュウの『円弧』に若干似てるなあと思ったけど、あちらが成長が止まることを悲しいことだとしたのとは違い、こちらの短編はそれを恐るべきものとして扱っている。
「ピネロピへの贈りもの」ロバート・F・ヤング
ピネロピは猫の名前。雪の降る寒い時期、海辺に住むミス・ハスケルはオテリスと名乗る少年と出会う。実はこの少年は宇宙人であり、「私の好きな未開惑星」というテーマの論文のために地球へ訪れていたのだ。たぶんいままで読んだ中で一番スケールの小さい歴史改変もの。歴史改変させる動機が「猫にミルクを飲ませてあげたいから」というのもささやかさに拍車をかけている。
デニス・ダンヴァーズ「ベンジャミンの治癒」
「治癒の手」という能力を持つ主人公が愛猫との生活を綴った短編。現在46歳の語り手は30年連れ添った47歳の猫と一緒に暮らしている。これまで付き合ってきた女性のことを思い返したりしていくのだけど中心にはいつも愛猫であるベンジャミンのことがある。死を克服した猫と一緒に暮らす、というこのお話は作者が生き物との別れを経験するにあたって書いたであろうセラピーのような短編だ。一人称で過去を振り返りつつ語られることは、恋人が猫嫌いで別れたことや、猫トイレや健診のことで猫と暮らしていた作者の経験がそのまま反映されている。愛猫といつまでも一緒にいたいという作者の想いがそのままかたちになったような短編だった。
ナンシー・スプリンガー「化身」
猫として"実体化"した彼女は街から離れ、緑豊かな田舎へと足を運ぶ。やがてストリッパーの仕事に就いた彼女は「キャット」と呼ばれ働き始めることとなり、その妖艶さで人々を魅了していく・・・・・・というのがあらすじ。「キャット」が猫の姿なのか人の姿なのかいまいちわからないのだけど、多くの人を魅了し、人と恋に落ちているので多分「人間に化けた猫」ということなのだと思う。官能的なファンタジーの世界を演出する筆致が魅力的だ。
シオドア・スタージョン「ヘリックス・ザ・キャット」
魂と肉体についての疑似科学を”あるべきもの”として扱い、猫と人間の意識の違いをアイロニカルに表現した短編。始まりは金庫破りを倒すため放たれた銃弾の先に猫の屍体が転がっていたーーというややミステリ調であり、そこから「瓶」の中に魂となって入ってしまった男の登場、愛猫ヘリックスが言葉を話す、という展開が用意され、最終的にオタク科学者であるところの主人公がちょっと孤独な気分になって幕となる。
人類が持つ猫への愛情というのは意思疎通ができないからこそ持ち得る幻想に過ぎないと痛烈に描きつつ、それでも猫に対しての愛が残り続けてしまう主人公の姿が心に残る。
ジョディ・リン・ナイ「宇宙に猫パンチ」
宇宙船の中で起こるてんやわんやな出来事を描いた作品。異星人からの襲撃に遭った乗組員たちは成すすべなく撃沈されそうになるが、コンピューターによって乗組員と同様の権限を与えられた猫のケルヴィンはついに「猫パンチ」を繰り出すのだった――!
ドタバタSFであり、バカSFであり、猫SFであり本アンソロジーの中でも特に好きな作品。作者の猫を神聖視する精神がビシバシ感じられるハッピーな一遍だった。
フリッツ・ライバー「影の船」
「バカ! ウシュノロ! ヨッパライ!」という猫の罵りから始まるこのお話は、船の中での生活が描かれていくのだが、〈ウィンドラッシュ〉と言われる話のキーとなるものが何なのか詳しくは説明されずに進んでいくのでやや乗りづらかった。でも全体的に猫のキムがしゃべる赤ちゃん言葉のようなカタコトが可愛くてほっこり。