紙の本
日本の未来が明るく見えて来る作品でした。
2019/04/29 09:22
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投稿者:ナミ - この投稿者のレビュー一覧を見る
日本の未来が明るく見えて来る作品でした。社会派小説を読んでると言うより、地域再生・日本再生の事業計画を読んでる感じの作品です。前作、614:『プラチナタウン』(2011)では現状打破が課題だったが、今回は10年後20年後の地域政策、そしてその延長線上に日本自体の再生という問題まで据えたのだから凄い。そして、国内で物事を考えようとするのではなく、広く世界的視野で考えようという前向きな姿勢に好感が持てる。そして、そのモデルとして海外に群落を形成して増殖していく「華僑」になぞらえた「和僑」という発想が実に興味深かった。まあ、物事この本のように巧くいくとは思えないが、前途に暗雲の垂れこめる今の日本ではまず何かをやることが重要なのかも。その場合、狭い日本ではなく、世界という視点が重要になって来るという指摘は正しいと思う。こうした希望を持たせてくれる作品がもっと欲しいですね。614:『プラチナタウン』(2011)の続編。
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宮城県緑原町に老人定住型施設「プラチナタウン」が開設され四年。町は活気を取り戻し居住者は増えた。だが、町長の山崎は不安を覚えていた。いずれ高齢者人口も減り、町は廃れてしまう―。山崎は、役場の工藤とともに緑原の食材を海外に広め、農畜産業の活性化を図ろうとする。だが、日本の味を浸透させる案が浮かばず…。新たな視点で日本の未来を考える注目作!
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201708/プラチナタウンの続編。毎回書いてしまうが、楡周平はどのジャンルもハズレない。良いタイミングで都合いい人達があらわれるのでトントン拍子感もあるけど、テンポよく読ませ、希望ある物語で面白かった。
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プラチナタウンの続編。
見事に日本の経済と田舎の行政とアメリカのフードビジネスを絡ませている。
確かに日本のソールフードはアメリカでも流行る可能性はある。寿司がいい例だ。
どんな状況でも諦めずにビジネスチャンスはあるんだ、と信じて攻める山崎は立派だ。
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プラチナタウンの続編。
題名から大筋が推測されてしまうのを差っ引いても充分に楽しめた。政治論的要素の応酬がながかったので星四つ。
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華僑が商売を追い求めて世界に出るのは国を信じていないから。資産を分散して、万が一の時には一番状況の良い国の身内を頼る。しかし日本は滅多なことでは国は捨てないが超高齢化、人口減少社会で20年30年後には和僑になるとの将来に向けての提言になるほど。終章の町長選挙の話は少しサラッとしすぎ感はあるが、総合的に前著プラチナタウンも良かったが続編としても内容は面白かった。
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20180420
プラチナタウンの続編。
日本の農業、畜産業の生き残りを図る唯一の打開策を提示している。
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先輩からの推薦本
ビジネス系の小説(島耕作を小説家したようなもの)で大変面白かった。
あっと驚くトリックなどは無いのだが、四苦八苦しながら、
多重に戦略を立て進めていく姿が、その分リアルに描かれていた。
また、「20年後、30年後の日本の未来を嘆き、和僑や日本食の海外輸出などのビジネスモデル」
を立てて行くところも考えされられた。また主人公からは「大きなビジョンと、先ずは自身が動くこと」の大切さを感じた。
シリース物の2部目の作品だったので、前後の作品も読んでみたい。
(222文字)
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宮城県緑原町に老人定住型施設「プラチナタウン」が開設され四年。町は活気を取り戻し居住者は増えた。だが、町長の山崎は不安を覚えていた。いずれ高齢者人口も減り、町は廃れてしまうー。山崎は、役場の工藤とともに緑原の食材を海外に広め、農畜産業の活性化を図ろうとする。だが、日本の味を浸透させる案が浮かばず…。
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プラチナタウンの続編。
高齢者の大量受け入れで過疎化の進行に一息ついた緑原町。
しかし今後は高齢者人口自体も減っていくことが明らかであり、プラチナタウンの拡張は難しい。地域の復興のため、農産物の販路を海外に求めていこうと苦闘する
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日本の、空洞化する地方、農村をどうしていけばよいのか、インバウンドではなくアウトバウンドで、というソリューションを提示。
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確かにロケーションに拘り過ぎるとビジネスの本質を見誤るよな。でも生活の基盤て大事よ。そもそも国民性が、という事になってしまうかな。
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プラチナタウンから、8年後。
北海道 緑原町に プラチナタウンができて4年。
町は、活気が生まれてきた。
町長 山崎は、緑腹に活気が出てきたが
農業の衰退と、高齢化、
そして独身の農民が、中年になってきている。
このままだと 20年後、30年後の緑原はどうなるのか?
プラチナタウンの増設を希望する 町議がいる。
しかし、20年も経てば、老人はいなくなってしまう。
プラチナタウンを増築したとして、空室になることが見えている。では何をすべきなのか?
緑原出身で、アメリカでレストランチェーンをしている時田が、孫を連れて、緑原の家を処分することで、きていた。
孫は、日本の食を味わうことを目的として日本各地を回る。
そこで、和牛は、脂っこくて健康に良くないという。
ハンバーグ、コロッケ、トンカツ、お好み焼き、たこ焼きなど。B級グルメに感心し、アメリカに持ち込むことができないかと考え始める。
当初は、山崎の実家の日本酒をアメリカに持ち込もうとしていた。
それから、緑原の農産物を運ぼうという話から、
緑原で、加工食品を運んだらどうかという話になった。
山崎は、町長を続けるか、加工食品会社を作るのかを悩む。
何れにしても、農業をどう組み立てて行くのか?
ということが、今後の大きな問題なんでしょうね。
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【感想】
いやー、本当に面白かった!!
この本に出逢えて本当に良かった!!と思える1冊。
前作の「プラチナタウン」を読んでおらず、というより途中でこの作品が続編ということに気がついたが、前作を読んでいなくても充分に楽しめた。
小説というジャンルだけではなく、ビジネス書としても為になる1冊だった。
「プラチナタウン」という組織を元に、現在の高齢化社会が抱える問題だけでなく、その数十年後に日本の迎えるであろう将来について書かれたテーマ。
決してSFチックではなく、今からでも容易に想定されるレベルの問題の大きさに、読んでいて耳が痛くなるというか、絶望感に苛まれてしまう・・・
日本にはこんな残酷な将来が待ち受けているのかと思うとぞっとする。
ただ、この物語は悲観論を語るところで終わらない。
「いま現在の自分たちの生活」を考えている人が多い中、還暦を越えて尚「将来の日本国民たちの生活」に目を向けて奉仕する山崎鉄郎という人物に物語のスポットは当てられている。
既存のビジネスモデルや人間関係のしがらみが多い中、どうやって将来迎えるであろう難局を打破するのか。
自分の損得以上に未来に目を向けて活動してくれるこのような人物が、果たしてこの世にはどれほどいるのだろうか・・・
少なくとも、自分は山崎のような視点には到底なっていないなと赤面の至り・・・・
バイタリティと正義感あふれる山崎が主人公のこの物語は、池井戸潤の作品のように読んでいて非常に爽快感ふれる良書だった。
良いシーンが多かったが、個人的には壁にぶち当たった山崎を奮起させる父親とのやり取りが、一番読んでいてグっときた場面だった。
当たり前だけど、父と子はいくつになっても親子なんだなぁ。
自分の仕事柄、「華僑」をそっくりそのまま真似ることはできないが、これからの時代を生きていくにあたり、島国根性を捨てて海の向こうに目を向けなくてはいけない。
そう思う今日この頃です。
【あらすじ】
地方だからこそ、できることがある――
メイド・イン・ジャパン 「ローカル」を引っ提げて、
出るぜ、世界へ! 示せ、ニッポンの底力!
老人を集めて、豊かな老後と地方再生を――
逆転の発想で大反響を呼んだ『プラチナタウン』刊行から7年。
その構想は、現実に国が掲げる地方創生の切り札となった。
そして今、この物語はネクストビジョンを示す!
読めば元気になる、時代先取り小説!
日本初の、豊かな老後がコンセプトの巨大定住型老人施設「プラチナタウン」を誘致、財政破綻寸前からV字回復した緑原町。
Uターンする人々も増え、町は活気を取り戻していた。
しかしその立役者で、元四井商事の町長・山崎鉄郎は、忍び寄る危機に気がついていた。
――高齢者人口も減少に転じる将来、この町はどうなる?
もう一つの主要産業・農畜産業は、TPPや従事者の高齢化と後継者不足という難問を抱えたままなのだ。
産業振興課課長の工藤登美子を相棒に、山崎の商社マンの血が騒ぎ出す!
【内容まとめ】
1.超高齢社会の展望
「老人だらけの国になる」と騒いでいるが、それはあと30年の話。
そこから先は、老人そのものの人口が減り始める。老人対象のビジネスが有効なのはそれまでの期間である。
「介護は有望な産業だっていってんけどよ。そんな言葉に乗せられて、これから介護産業に乗り出して来る経営者は、学生なみの頭しかねえってことの証だぜ。今しか見てねえってことだ!」
2.人が押し寄せるようになったらもう終わり。美味しいとこなんて残ってない。
誰も手をつけてないビジネスを、リスクを冒して手がけて成功させた者が、美味しいところを全部かっさらう。
3.総合商社の実態
商社マンは、自ら飯の種を探し、自分の食い扶持はもちろん、仕事を支えるスタッフの分まで稼いで来ることを宿命づけられている。
要は、大看板を借りた中小企業の寄り合い所帯。
利に聡い連中が、鵜の目鷹の目で飯の種を探している。
4.日本の農業における農協の役割は、かつて山崎が在籍した総合商社の機能と極めて似ていることに気がつく。
かつて総合商社は輸出入、売り買い、そして物流で食ってきたが、情報網や流通網が進化するに従って、その役割は不要のものとなった。
商社不要論がまことしやかに語られるようになって、危機感を覚えた商社マンは活路を投資に見出した。
環境変化にいち早く対応したからこそ、いまを以てして尚、世界に類を見ない企業形態を維持しているのだ。
5.ビジネスモデルは永遠不滅のものではない。
時代の流れに対応できなければ淘汰されるのが世の宿命だ。
そして、メリットが見出せなくなれば、人は離れていく。ましてよりよい環境を提示してくれる人間が現れれば尚更のことだ。
6.世界に目を転ずれば、今後人口は爆発的に増えていく。
つまり、否応無しに海外に目を向けざるを得なくなる。
そうした時代がやって来るのは間違いないことなのだ。
7.「華僑」と日本人の比較について
世界中のどこの国にも中国人がいる。それも町を作るくらいの規模。
「商売を追い求めて、華僑となって世界を彷徨い歩く。それが中国人。」という訳だけではない。
そもそも、中国人が世界各地に行くのは、自分の国だけを信じていないという側面がある。
歴史上、幾つもの王朝が現れでは消え、離合集散を繰り返してきた国。それも、その度に国が乱れ、大変な血が流れた。中国の赤は血なのである。
そのため、資産どころか家族を各地に分散し、仮に移り住んだとしても、身内がいればゼロじゃないため、生活の目処も立てやすい。
まして身内が世界中に散らばっているとなれば、各地の精度の高いフレッシュな情報が常に入ってくる。ビジネスやリスク管理の点からも理にかなっている。
ところが、日本人は滅多なことでは国を捨てようとしない。
土地を離れると言っても、都市部に出るのが精々。国が沈没すれば、一族郎党運命を共にする。
「本人はもづろん、その子供の代になっても、この国が今まで通り、何の不足もなぐやっていげる保証なんがどごさある?」
8.「プラチナタウン」創設時のプロセス
いきなり問題点���論っては前に進まない。
大きな仕事を手がける時には、まず夢を共有する。
それができれば、後はいかにしてそれを実現するかに知恵を絞るだけ。
そうすれば、乗り越えなければならないハードルが自然と見えてくるものだ。
策を考えるのは、それからでいい。
【引用】
p21
「施設を拡張するのは簡単だ。新たに入居者を募集すれば、これだけ注目を浴びてんだ。人を集めるのもそう難しい話じゃないだろう。」
「団塊の世代がこれからどんどん引退するんだ。プラチナタウンのような定住型老人介護施設の需要は高まる一方だろう。」
「問題は、その需要がいつまで続くのか。肝心の入居者がいなくなっちまったらどうすんのかってことだ。」
「世間じゃ超高齢社会がやって来る、老人だらけの国になるって騒いじゃいるが、そんなもんあと30年かそこらの話だ。そっから先は、肝心の老人そのものの人口が減り始める。ピークに合わせてばんばん施設を造りゃ、日本中の老人介護施設は空きだらけになっちまうじゃねえか」
「それより深刻なのは介護士だ。これから現場に入って来る若い世代は、それこそ40年以上も働くことになるんだぞ。40代、50代を迎えたその時に、『入居者がいません、よって施設は閉鎖します』なんてことになってみろ。人生で一番金が必要な時に、職を失ってしまうことになるじゃねえか!」
「介護は有望な産業だっていってんけどよ。そんな言葉に乗せられて、これから介護産業に乗り出して来る経営者は、学生なみの頭しかねえってことの証だぜ。今しか見てねえってことだ。」
p23
「人が押し寄せるようになったらもう終わり。美味しいとこなんて、残ってねえんだよ。誰も手をつけてねえビジネスを、リスクを冒して手がけて成功させたやつが、美味しいのころを全部かっさらうんだ。」
p40
「町長はTPPが始まれば、日本の畜産業が大きなダメージを被ることになると懸念していらっしゃるんでしょうが、もしそうなれば、特に加工食品向けの比率が圧倒的に高い豚や鶏が、壊滅的打撃を受けると見ておくべきです。牛にしたって、これからの日本は高齢者が激増するんです。価格もさることながら、サシの多い和牛の消費は格段に落ちることは間違いありません。」
「ブランド肉の競争は、ますます激化する。その中で、どうやって生き残っていくか?左助のように、緑原産の農畜産物を専門に扱う店をいかにして多く確保するか。その一点にしかないと思うんです。」
p51
「契約農家は販売先が確保できる上に実入りは増える。仕入れる方は、市場よりも安い価格で良質な原材料が手に入る。既存流通をスキップすることで、両者ウィンウィンの関係を構築したってわけか。」
いや、西山はしかるべき利鞘を抜くのだ。それを考えれば両者じゃない、三者だ。
生産農家は一旦流通ができさえすれば、オーダーを右から左に流すだけ。そこから先は労せずして日々金が入って来る。
これぞ、まさにネットビジネスの醍醐味だ。
p65
大組織は官僚化し、動きが鈍い。
おそらく金井は、四井もまたその例に漏れないという、大企業に対するステレオタイプのイメージを抱いているに違いない。
しかし、総合商社の実態はそのイメージとは程遠い。
なぜなら商社マンは、自ら飯の種を探し、自分の食い扶持はもちろん、仕事を支えるスタッフの分まで稼いで来ることを宿命づけられているからだ。
要は、大看板を借りた中小企業の寄り合い所帯。利に聡い連中が、鵜の目鷹の目で飯の種を探している。
それが総合商社の実態なのだ。
p107
「確かに、日頃赤身ばかりを食べている人たちには、霜降りのお肉なんてたくさんは食べられないでしょうね。まして、健康志向の高いアメリカ人ともなると・・・」
「もちろん、国が違えば嗜好も違う。実際、中国人には和牛は大人気だからね。だから、どの国のどんな層をターゲットにするのか、もう一度市場ってものをよく分析する必要があると思うんだよ。日頃慣れ親しんだ味ってもんは、そう変わるわけじゃない。」
「でも、勘違いしないでくれよ。君の発想は正しいし、ゴールもはっきりしている。だから、どうしたら失敗しないかを考えるべきだと思うんだ。そのためには、考え得る問題点を洗い出して、ひとつひとつ潰していくしかないんじゃないかな。」
工藤の顔に笑みが浮かんだ。
この切り替えの早さと、あくまでも前向きな姿勢が彼女のいいところだ。
p130
日本の農業における農協の役割は、かつて山崎が在籍した総合商社の機能と極めて似ていることに気がつく。
かつて総合商社は輸出入、売り買い、そして物流で食ってきたが、情報網や流通網が進化するに従って、その役割は不要のものとなった。
商社不要論がまことしやかに語られるようになって、危機感を覚えた商社マンは活路を投資に見出した。
環境変化にいち早く対応したからこそ、いまを以てして尚、世界に類を見ない企業形態を維持しているのだ。
ビジネスモデルは永遠不滅のものではない。
時代の流れに対応できなければ淘汰されるのが世の宿命だ。
そして、メリットが見出せなくなれば、人は離れていく。ましてよりよい環境を提示してくれる人間が現れれば尚更のことだ。
p159
「世界中のどごの国さ行っても中国人がいんべ?それも町を作るくれえの勢いで、外さ出て行ぐ。あれはなすてだが分がっか?」
「商売を追い求めて、華僑となって世界を彷徨い歩く。それが中国人ですからね。」
「そいづあ少す違うな。」
「あの人だづが外さ出て行ぐのは、国なんか信ずでねえがらだ。」
「幾つもの王朝が現れでは消え、離合集散を繰り返してきた国だもの。それも、その度に国が乱れ、大変な血が流れた。中国の赤は血の赤だど、中国人自身が語っからね。」
「資産も分散しれているわけだす、移り住んだどすても、身内がいればゼロがらやるわけでねえがらね。生活の目処も立てやすがすべ。」
「まして身内が世界中に散らばっているとなれば、精度の高いフレッシュな情報が常に入ってくるでしょうからね。ビジネス、リスク管理の点からも理にかなってますね。」
「身内ばりでねえ。中国人は必ずコミュニティを作る。そこで集めた情報をやり取りすぎら、次はどこの国さビジネスチャンスが生まれっか、あ���人だゔは鵜の目鷹の目で探してんだな。要は、国さば執着しねえ。生きるためにはどごの国が一番いいが、常に考えてんだよ。」
「ところが、日本人は滅多なことでは国を捨てようとしない。土地を離れると言っても、都市部に出るのが精々。国が沈没すれば、一族郎党運命を共にする…」
「本人はもづろん、その子供の代になっても、この国が今まで通り、何の不足もなぐやっていげる保証なんがどごさある?」
p169
「日本人は、サービスはタダだど思ってると語られっけんども、それは素晴らしいごどだど思うんだよね。アメリカだば、人さものを頼めば大抵対価が発生すっからね。無償の奉仕が当たり前、お客様は神様だどいう考えが染み付いている日本人と、そうでねえアメリカ人との差を、客は敏感に感ずんだよな。」
世界に目を転ずれば、今後人口は爆発的に増えていく。
つまり、否応無しに海外に目を向けざるを得なくなる。
そうした時代がやって来るのは間違いないことなのだ。
p171
「肝心な部分だけど、いきなり具体論に入るのも何だかなって思ってさ」
その時、山崎の脳裏に浮かんだのは、プラチナタウンを立ち上げた際のプロセスだ。
いきなり問題点を論っては前に進まない。
大きな仕事を手がける時には、まず夢を共有する。
それができれば、後はいかにしてそれを実現するかに知恵を絞るだけ。
そうすれば、乗り越えなければならないハードルが自然と見えてくるものだ。
策を考えるのは、それからでいい。
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『学生の就職志望先ランキング上位に名を連ねるのは、今が旬を迎えた業績絶好調の企業ばっかだろう。人が押し寄せるようになったら、もう終わり。おいしいところなんて、残ってねえんだよ。誰も手を付けてないビジネスを、リスクを冒して手がけて成功させたやつが、おいしいところを全部かっさらうってことがわかってない。』