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病気を患っている主人公が多かった。余命わずかなところを達観しているせいか、全体の雰囲気は暗いものではなく、どこかのほほんとしている。
やはり代表作の檸檬が一番好き。鬱々とした気分の時にふと檸檬を思い出すと、主人公と同じで、少しだけ気分が晴れる気がする。
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《きっかけ》
猫町倶楽部の課題図書。2018年2018年9月23日(日)
《感想》
檸檬は教科書で学習していた。その他の作品は初読。ある崖下の感情は変態性が、Kの昇天はミステリアス性が、桜の樹の下にははグロテスク性が特徴。それぞれ違った作風で面白かった。
梶井の作家としてのポジション(~派など)が結局よく分からない。誰と最も関係性があるのか。夏目漱石?芥川龍之介?太宰治?
《好きな順》
檸檬 4
城のある町にて 11
雪後 9
Kの昇天 2
冬の日 10
桜の樹の下には 3
冬の蠅 7
ある崖下の感情 1
闇の絵巻 5
交尾 6
のんきな患者 8
瀬山の話 未読
海 未読
温泉 未読
ある崖下の感情
4章構成。1は見知らぬ男と二人が喫茶点で会話をしている。話し手と聞き手。二人の名前はまだ明かされない。
話し手は崖上から窓を眺めるのが好きらしい(=崖の上に家を建てるほど金持ち?)のぞき趣味。聞き手をのぞき趣味に誘うが・・・
聞き手。話し手ののぞき趣味をある程度共感しつつ聞いている。ジャズが嫌いらしい。
《感想》
話し手の生島はそのはなしぶりから崖上に家があると思っていた。しかし実際は、のぞき見られるほうの崖下に家がある。(叙述トリック的)生島は崖の上の家に住んでいるのではないのか?
のぞきをしているうちに、のぞきをしている自分に酔ってくる。恍惚状態。
何かのゲームに似ている。サイレントヒル4は逆に部屋に閉じ込められて出られないパターン。
《クイズ》
1 崖上から窓をのぞき見る男が夢中で窓をのぞき見しているとある感情の変化が訪れる。それはどんな感情か。
2 小母さんとの性行為に満足しない生島はある空想をして、それに満足しようとする。それはどんな行為で、その行為の意図は。
3 石田は生島に教えられた通り、崖の上から窓を眺めてみた。そのとき、石田は生島とは違った感情を抱く。その感情とは。6文字。
4 石田は崖上からある光景を目にし、3の感情をさらに進化させた。石田が見た光景と進化させた感情とは。
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粋で素敵でとても好き。
憂鬱な青年のささやかな革命。
途方もなく憂鬱な人にもきっと届く、粒子の細かい言葉。
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最後の、画本をめくって重ねて頂上に檸檬を置くシーン。普通なら店員に注意されるはずなのに、なぜされなかったのか。もしかしたら、彼は自分以外の周りの世界が見えていなかったのかもしれませんね。数ある果物から檸檬が選ばれたのは、どんよりした世界観に色味を持たせるためだったのかなと思います。
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これも教科書で読んだっけな。それとも夏休みの読書感想文のために読んだかな。とりあえず短いから。感性の文学だね。
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きっとこれを読んでみんな丸善で本の上に檸檬を起きたくなるだろうなと思ったら、京都の丸善からは萎びた檸檬がたくさん出てきたとか、今では置く場所と置くための檸檬があるなどの逸話が。
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現代では使わない言葉の数々…
すごく勉強になりました。
短編集ということですが、話が繋がってないようで繋がっている。登場人物の名前の漢字が変わっているけれどそれは別人のようで本人達にリンクしている。とても面白いと思いました。
作者、梶井基次郎の追い立ちなどを解釈で呼んでいると物語がさらに理解できます。
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9月の読書会課題本。未完のものや習作なども含めた代表的な短編を集めたもの。長いものでも50pほどしかないので本を読みなれてない人でもサクサク読めると思う。文体が詩的で独特であり、それが「名著」とされる所以なのだろうけど。著者自身が重い肺病だったのもあるのか、病人が出てくる陰鬱とした話が多く、個人的にはあまり楽しめなかった。
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重松清の「エイジ」作中で表題作が引用されていて購入。心地よくて気を抜くとすぐ眠くなってしまう一冊。冬の蠅まで読了。表題作は檸檬を持つと元気になる気の病んだ人が丸善に行って檸檬を置いて、「檸檬爆発したらおもしろいなあ」と空想する話。全体的に病人の気の弱った雰囲気が伝わってきて、加えてきれいで詳しい情景描写がまた哀愁を出してるように感じた。「桜の樹の下」や「冬の蠅」の着目点も面白かった。
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Kの昇天がいちばん好き。
梶井基次郎は、透明感のある絵のような作品と、闘病生活による闇の深い作品とのギャップがすごい。
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描写が的確で、感覚を刺激させられますね。
檸檬の匂いを嗅いだときの体にスゥーっと入っていく刺激、スカッとする爽快感、そういうものが詰め込まれています。
独特ですが面白い
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主人公の心情をわかりやすく書いてたとは
おもいますが、文章がなかなかむつかしい…ですね。
もっと沢山の文章に触れてから読み返したいと思いました。時代というのもあるのかな?
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冒頭気分が重いはずなのに、描写によってか、何故だかとても爽やかで透明感があり、みずみずしい絵が浮かんでくる。文体の美しさだけでお酒が飲めそう。
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この中の『檸檬』が一番好きです。
「得体の知れない不吉な塊」
この表現にとても救われました。私がずっと言葉にできず、求めあぐねていたものでした。
その衝撃もさることながら、花火だとかビイドロだとかいった、主人公が心惹かれたものたちの描写は非常に鮮やかで美しい。頭の中がとても彩どりになります!檸檬で丸善を爆発させるという最後のシーン、高校の時現代文の授業で読んだときは意味わかんないなと思っていたけど、何度も読み返すうち、その全てを破壊したい衝動に駆られる気持ちに共感し、興奮を覚えるようになりました。暗唱できるようになりたいくらい大好きな作品です
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京都丸善が近くにあるので楽しめた。自分は好きで本を買うけど、そうでなくなったときどういった感情になるのか。