紙の本
こんな人生はあってはならない
2018/06/06 15:44
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投稿者:のりちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
マイコの人生についてそうしてしまった大人たちの責任のあり方に一切触れていない。不満である。そういうことを許していては人間としての尊厳が薄れる。
金のためとは言えいや金をもらうために20年もの根無し草生活を選んだ気持ちが理解できない。そんなんでいいのか。母親の葛藤こそ作品の骨子にするべきではあるまいか。
それにしてもイタリアも大したことない国だとよくわかった。政治体制がいつまでも確立しないはずだよ。
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生ぬるい日本の感覚とは違った外国育ちで、純朴だった舞子は、厳しい環境の中で成長を遂げていく。それぞれに思わぬ生い立ちを持つエリン、アナと共にアンダーグラウンドな生活を潜り抜け,行きぬけていけるたくましさを手に入れた。
自分の本能にこんな強さはあるか。それを眠らせてないか。
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あまりに健全すぎないか!?ってびっくりするくらい、イヤミス的な読後感の憂鬱さがなかった。なんだろ、村のミロシリーズとかよりもぜんぜんさわやかな感じ。ここ数作は読んでなかったんだけど、最近こんな路線なのか?
ゆるふわのアナ、姉御肌のリーダーエリス、近くて遠いシュン、と設定としては定型的なのに、掘り下げて夜の闇みたいに深い奥行きを出しているのはさすが。一生ついていきます。
ただ、宗教がらみに話を展開しちゃうとこ、個人的に食傷気味だったので少し退屈だった。東直己がわりとやるのよ。尤も東直己は消費者問題とかと絡めて現代の軋みを炙り出すんだけど。純文学的な文脈で新興宗教を扱うのであれば、ひとひねりないとしんどいかなー。
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一瞬だけ立ち寄ったことがあるナポリを思い出す。行動範囲は観光バスの車体の幅だけ。街路にゴミが舞い、街全体が灰色、犯罪をすぐそばに感じる異様さだった。
そんなナポリにたどり着いた、死のとなりで毎日を生きる彼女たちを取り巻くミステリー小説。読み進めるのをためらうような、世界のどこかにある残虐さや哀しみも、それを共有することで深まる友情で救われる。
#夜また夜の深い夜 #桐野夏生 #最後の数行息が止まる
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人生に底はないと思った。
それは夜が深いという感覚と似ていると思う。
すごくしっくりくるタイトル。
すごい。
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2018.01.25読了。
んんん。。。なんだろう?!
なんのために読んでたんだろう?と思ってしまう結末。
何が真実であったのか?すべて闇の中。
七海さんはだれ?
シュンは何者?
そもそもだれの話が本当なの?
ちょー、中途半端です(笑)
一番騙されていたのは、わたしです。
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失速感いなめずもう読むのやめようかと思ってたナッツだけど、本作は往年の感覚をかなり取り戻しているような( ´ ▽ ` )ノ
既作でいちばんテイストが近いのは「メタボラ」かな?( ´ ▽ ` )ノ
不幸な少女が奇妙な人物・出来事との遭遇を経て成長していく、ディケンズ風のいわゆるビルドゥングスロマン(なんか、ついこないだも同じような感想を書いたな……)( ´ ▽ ` )ノ
翻訳調の文体(「ですます」の手紙形式、シュンの生硬なセリフ)がまた、懐かしの海外児童文学ぽさを醸し出している( ´ ▽ ` )ノ
行き当たりばったり、出たとこ勝負のマイコの冒険、ほんと危なっかしくて面白いね( ´ ▽ ` )ノ
舞台はイタリアだけど、これがシブヤだろうとミナミだろうとNYダウンタウンだろうと、どこでも成立するような話( ´ ▽ ` )ノ
ナッツ描く「少女」は、いつだってどこだって「少女」だからね( ´ ▽ ` )ノ
「原罪」に押しつぶされそうになりながらも、結局「ソンナノシッタコッチャネエヨ! フン!」と吹っ切り、新たな世界に飛び出していく 勇気・元気・したたかさ( ´ ▽ ` )ノ
これぞナッツの真骨頂( ´ ▽ ` )ノ
元気があれば何でもできる( ´ ▽ ` )ノ
初めてさわったiPhoneだってラクラク使いこなせる( ´ ▽ ` )ノ
(児童文学風で、舞台がイタリア。「ヒト」でない主人公が自らの存在証明を求めて家出し、チンピラ二人と仲間になる……てと、「ピノキオ」の筋書きにも似てるな。いま気づいたけど)
ナッツのマンガへの「造詣」にも笑った(駆け出し時代マンガ原作もやってたんだっけ?)( ´ ▽ ` )ノ
山のように挙げられてるタイトル、その選択が面白い( ´ ▽ ` )ノ
マンガを読まない人からすれば「オタク」そのもの、オタクからすれば「ニワカ」という、中間地帯にあるようなやつばっか( ´ ▽ ` )ノ
「PLUTO」(ピノキオモチーフ「鉄腕アトム」が原作)( ´ ▽ ` )ノ
にしても、やっぱ読者はナッツを見限りつつあるのか、本書のブクログレビュー、ここまでわずか16個……(´ヘ`;)ウーム…
残念だけど仕方ないか……(T_T)
しかし、解説の金原蛇ピ……(´ヘ`;)ウーム…
震災を言い訳に楽園逃亡してる人って、自ら敵を作りたいんだろうか……(´ヘ`;)ウーム…
俵万智とかさ……(´ヘ`;)ウーム…
こういう手合は、自分語りをすればするほど被災地民の感情に塩をすり込んでいることに気づかないんだろうか?……(´ヘ`;)ウーム…
最もかわいそうなのは彼女らの子どもなんだけど……(´ヘ`;)ウーム…
(そも、なんで人の本の解説でまで自分語りを始めるんだろう、こういう手合……(´ヘ`;)ウーム…)
金原蛇ピ。この人の文章、今後いっさい読まないと決めた……(´ヘ`;)ウーム…
(あ。いま調べたら「2018年、日本に帰国」だって)
2019/05/27
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第1部はナポリで母と二人暮らしの国籍を持たない18歳の少女マイコから七海への9通の手紙です。
七海とは一体誰なのか。そしてこれはどういう話なのかと思いました。
マイコは母に内緒でMANGA CAFEのシュンの店に毎日、通うようになります。
しかし、マイコはヤマザキという日本人男性から逃れるため逃げます。
そして、同じような少女、エリスとアナと知り合い、マイコは男装して、三人で逃避行する生活をはじめます。
第2部は、七海への手紙のかわりに書いたマイコの手記です。私の奇妙な人生を記録したかったとマイコは語ります。
七海から初めての返事が届きます。七海も海外に暮らす少女だということが、わかります。
そして、マイコたち3人は、知り合った少年、カマールの家で暮らし始めます。
しばらくして、ヤマザキから、マイコの母親の秘密がわかったからMANGA CAFEで会おうと連絡が入ります。シュンとの再会。でももうシュンのことも信用できなくなったマイコ。
そして、シュンの口からマイコの出生の秘密が明らかになります。
途中で、「オウム真理教」の名前が登場しますが、作者は、その辺から、このお話を発想したのかが、気になりました。オウム関連書は、以前に何冊かまとめて関係者の手記を読みましたが、マイコのような人物はいなかったと思います。
でも、何もかもひっくり返した、最後のどんでん返しはよかったです。
すごく、すっきりしました。
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友達に本当の名前を教えることも禁止されて生きてきたマイコ。
そんな母は、家を空ける度に顔を変えて帰ってくる。
住むところはアジアやヨーロッパから、今はナポリのスラムに住んでいる。
今までだって貧しい暮らしばかりで、学校もろくに行かせてもらえなかった。
それでも母を信じながらも、難民キャンプで育ったという、雑誌で知った七海という女性宛に本名で手紙を書き始める。
そして、隠し事の多い母に嫌気が差して、とうとう家出をする。
そこで国を出てきた二人の女性と暮らし始める。
彼女たちはマイコよりももっと厳しい年月を過ごしてきた。
そんな彼女たちとの生活が始まるが、母の本当の姿にも近付いてくる。
本当の自分を知り、大切な人との別れがあり。
リアルじゃないようで、きっとリアルなお話。
2019.6.20
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舞子の生活には緊張感もあるが不思議とワクワクさせられた。
一定の場所にはとどまらず、ヒラヒラヒラヒラ彷徨う舞子。その様に生活せざるを得なくさせるような親は罪深い。
逞しく生まれ変わった舞子の冒険は続いていく。
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さいご、ほんと?うそじゃない?と思うんだけど、さらっと終わってしまって真相はなぞ。
実際は何が起きていたのか・・・ということはこのお話においては全く重要ではないように感じた。いつもはそういうところが気になるけど。
アイデンティティとはなにか。出自、育ち、教育、環境。
いろんな環境立場のひとがいるけど自分できちんとかんがえることが大切なんだよなーと
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こういうふうに海外であるいは国内で身を潜めて生きていたり名前を変えていたり、そんなこともあるんだろうな、と。七海さんが気になる。#桐野夏生
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ナポリのスラム街に住むマイコは、国籍もIDもなく、父の名前もルーツもわからない。彼女に起こるアイデンティティ探しの日々を描く現代サバイバル小説。
個人を管理したい国家と、己とは何者かを知りたい個人。目的は一緒なのに相反する関係である。世界で日本で一体彼女のような存在はどのくらいいるのだろうか。
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ナポリのスラムで暮らすマイコと、
出会った人たちから知る底辺の底辺。
きっとこれは現実だろう。
つらい…
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オチをすっかり忘れてて、再読。
やはり面白かった!
筋には関係ないけど、ナポリのゴミ収集は、マフィアが関わっているんだ。市がマフィアと手を切ろうとしたらストになり、増えたゴキブリの記述のあたり、気持ち悪い…。日本の有り難さを感じた。
あと、リベリアっていう国について全然知らなかった。アメリカの解放奴隷が住むべく、無理くり作った国なんだ。それで内戦になり、苦しんでいる。