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苦労した、成功したという典型的な回想録です。今はない、ソ連のレニングラードに留学した時の話は、いい話で、すごいなと感じました。もう少しボリュームがないと、売れる本にはならないと思うけど、いい本です。小学生に読ませるといいかな。
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日本の代表的ヴァイオリニスト、前橋汀子さんの自伝です。ヨーゼフ・シゲティの直弟子であることは有名ですがなかなかそれ以外が紹介されなかったので彼女のファンならばお読みになってもいいかと。
ただ、全体にたいへんさらっと語られているのでもっと詳しく知りたいなって思うと、若干物足りないなと感じます。聞き書きとかでいいので、もう少し詳細な評伝が出るのを希望します。
彼女自身はとてもあたたかなお人柄で、何よりその演奏が、雄弁にご自身を語りますので、本だけでなくCD聞いたりリサイタルに足を運ぶほうが良いかもしれません。演奏家なのですから、もしかしたらその方が面目躍如かもしれませんね。
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偶然「徹子の部屋」を観てその時のお客様出会った前橋汀子さん。(1943年12月11日生まれ 78歳)
その仕草や話し方に引き込まれる。世界的なヴァイオリニストなのに...なんか親しみを感じてしまう。素敵だ!と思って図書館で予約...
スッキリと簡潔に書かれていて、テレビで見た後だったせかそれがかえって彼女らしくも思えてきて心地よく読める。
ユーモアもあり...
されど...淡々と一途にヴァイオリンと生きたのかなぁ〜?とも思える。もちろんそうなんだろうけれど...
なんかテレビに出ていた彼女が話しているようで一度コンサートに行って見たいと思った。音を音楽を聴いてみたい!
彼女がいた時代背景...ソ連...とか。興味ありです...
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図書館で偶然手にして半日で読了。登場する著名人の数が半端なく、巨匠という言葉がふさわしい数多の音楽家に加え、大平正芳元首相や市川房枝、伊丹十三など、音楽家ではない人とのエピソードも興味深い。
1961年、17歳の著者はレニングラード音楽院への留学のため横浜港を出港。シベリア大陸を横断してレニングラードに着いたのは一週間後だった。当時のレニングラードには領事館もなく、日本人は一人も住んでいなかったという。
音楽院の寮には風呂やシャワーもなく、台所で湯をわかして体を拭くような生活。しかし恩師や友人にも恵まれ、当初一年の予定だった留学生活を延長。結局三年となったソ連生活において、ロシア人は心温かい人ばかりでいじめられたり差別されたりしたことは一度もなかったと断言している。全くジャンルは異なるが、植村直己が二十五、六カ国をめぐった冒険の中で「誰ひとりとして悪人はいなかった」と言っていたのを思い出す。(『青春を山にかけて』)
その後米国ジュリアード音楽院への留学を経て、スイスで巨匠シゲティに師事し、世界的に活躍することになるのだが、本書全体を通じて、桐朋学園時代の齋藤秀雄や小澤征爾、留学後にはオイストラフやロストロポーヴィチ、シゲティ、ミルシテイン、ストコフスキー、メータなど、正に綺羅星のような音楽家の知遇を得、あるいは師事し、あるいは共演しながら成長していく姿がいきいきと語られている。著者の人間性、そしてなんと言ってもヴァイオリンへの情熱とたゆまぬ努力が、そのような出会いを引き寄せたのではないかと感じる。特にクラシック音楽やヴァイオリンに興味がある人には一読をおすすめします。