紙の本
面白すぎて何度も再読!
2018/05/07 23:14
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投稿者:しんごろ - この投稿者のレビュー一覧を見る
単行本で読みましたが、文庫化に伴い再読しました。野武士軍団と言われた西鉄ライオンズ三連覇の頃の話!選手は実名、西鉄ライオンズ史を追いながら、物語は進んでいきます。再読していて、わかっているのにもかかわらず、またしても要所要所で泣かされ、圧倒的なラストは涙が止まりませんでした。道は違えど田宮の生き様に、ただただ涙を流すだけ(T_T)木屋さん、田宮のぶんまで幸せになってほしいですね(^-^)そして、西鉄ライオンズ三連覇の時代をすごしてみたかったですね。
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野球の話が続く。
この前に読んだ本に挟み込まれていた新刊案内で偶然本のタイトルを見つけた。
全くノーマークの本だったので、得難い出会い。
贔屓のチームは子どもの頃からライオンズ。だって地元のチームだからな。
地元って?埼玉じゃなかとよ、福岡たい。
おいたちにとってライオンズといったら西鉄たい。
この本でも触れられる“黒い霧”に巻き込まれ弱体化したチームは、西鉄から太平洋クラブ、クラウンライターの手に渡り、それでも本拠地は福岡にあったとばってん、おいが学生の頃に西武に売られ埼玉に行ってしまったと。
遠くに行ってしまったばってん、どこか他のチームを応援しようかと思うたとばってん、やっぱ、ライオンズはライオンズたい。
幸い堤さんも金出してくれて、暫くしてからは黄金時代が来たし、今は少し低迷が続くばってん、それでも毎日の勝ち負けが気になる。
おいが就職して地元を出てからホークスが福岡に来て、今は福岡の皆は母も妹もホークスファンばってん、自分がいない間に福岡に行ったチームを応援する気になれんと。
おいにしたらばホークスは永遠に良きライバルたい。今年も強かばってん、プレーオフで一泡吹かせられんやろか。
さて、この本、そんな西鉄ライオンズが日本シリーズを3連覇した1956年から1958年のシーズンを背景に福岡で繰り広げられる、地元紙の番記者・木屋とやくざもん・田宮の仁義と熱き友情人情を描く物語。
田宮の戦地の話で繋がる木屋との数奇な縁、筋を通して生きるやくざもんの世界、それを少しずつ蝕んでいく利権の罠…。
交互に語られる木屋と田宮の話が、時に交わり、世相を映しながら進む。よくある作りではあるが、これはこれで正統派の趣で泣かせる。
大下をはじめとして三原監督や稲尾や豊田が随所に登場するが、フィクションであっても正にそういう人柄だっただろうと偲ばすところが、また良い。
南海につけられた11ゲーム差をひっくり返したペナントレース、3連敗から4連勝して巨人を屠った日本シリーズ、118頁にある1番・センター高倉に始まり9番・ピッチャー稲尾に終わる不動のラインアップ…。
おいには生まれてきたばっかの頃の出来事ば見てきたことのごと語れるのは、この頃の西鉄のことになれば、もう止まらん大人たちが何回も話すのを聞かされて育ったからたい。
まだ戦後を引きずっていた時代だったろうが、西鉄は、博多の華、博多の宝そのものであったとさ。
そこだけは華やいだ街の様子が手に取るように伝わってきて、おいにはそれだけでも十分嬉しかとよ。
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西鉄ライオンズ全盛期の1950年代後半の福岡を舞台にライオンズ番記者の木屋とヤクザの田宮の交流を描いた作品。
実在の野球選手の大下弘のエピソードを取り入れ当時の福岡の街の様子がいきいきと伝わってくるなか、本来では交わることのないだろう新聞記者とヤクザの男の友情が描かれていた。
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1950年代後半の博多の街を舞台に、「史上最強のスラッガー大下弘」と「伝説のやくざ」と「普通の記者」の仁義と友情を描く著者のデビュー長編作品。
「野武士軍団」や「神様仏様稲尾様」など、伝説として野球ファンに語り継がれる西鉄ライオンズ。史上最も博多の街を熱くしたあの頃の雰囲気が伝わってくる。男の仁義は美学である。