紙の本
切なさが胸に沁みる一言
2017/10/18 13:33
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投稿者:タンポポ旦那 - この投稿者のレビュー一覧を見る
“見捨てられた子”耀子の癒しと、再生への手掛りを得るまでを描いた前作から、物語の上では十数年。娘を育て、常夏荘の「おあんさん」となっても、まだ自らの確かな居場所を見つけられずにいる。本作では耀子の本当の意味での再生とアイデンティティーの確立~作中の言葉を借りれば「自立、顔を上げて生きること。自律、美しく生きること」~この目的、理想に向け始動する過程が描かれる。
背景には、地域を支えた旧家の没落・苦悩と、過疎化・高齢化が進む地方問題を置き、ファンタジー的要素が多かった前作に比べ、重厚さが感じられる。耀子を取り巻く人々の個性も、より鮮やかに浮かび上がっているようだ。
一方、現実に比べ“御都合”的な展開である事は否めないが、伊吹ファンとしては、それも含めて物語世界に浸りきれる所が妙味である。しかも、前作に比して涙が滲むシーンが少ないな、と安心していたところ、終盤近く、立海が呟く「さようなら、ヨウヨ」の一言には、切なさが胸に沁みる想いがした。
また、本作と前作との間に位置する物語が、来年発売予定とかで、何か釈然としないものは残るが、それ故に刊行が待ち遠しい。
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自立、顔を上げて生きること。自律、美しく生きること―。遠州峰生の名家・遠藤家の邸宅として親しまれた常夏荘。幼少期にこの屋敷に引き取られた耀子は、寂しい境遇にあっても、屋敷の大人たちや、自分を導いてくれる言葉、小さな友情に支えられて子ども時代を生き抜いてきた。時が経ち、時代の流れの中で凋落した遠藤家。常夏荘はもはや見る影もなくなってしまったが、耀子はそのさびれた常夏荘の女主人となり―。ベストセラー『なでし子物語』待望の続編!
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今作は、耀子に焦点が当てられている。常夏荘の女主人・おあんさんと呼ばれるようになり、遠藤家の龍治との間に瀬里という娘のいる母親になっている。凋落した遠藤家のために、スーパーに働きに出ている耀子であるが、そのことについては、遠藤家の内外からさまざま取りざたされもしている。それでも、前を向いて、一歩ずつ歩を運ぶ耀子が、弱々しげだった印象から少しずつ脱皮して、たくましさまで感じさせられるようになっていく姿は、思わず応援したくなる。次作は、一作目と今作の間の物語のようだが、そちらもとても気になるシリーズである。
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星は天の花、花は地の星、そして、この作品は地上に輝く星たちの物語です! 伊吹有喜 著「地の星 なでし子物語」、2017.9発行です。「なでし子物語」が発刊されたのは、2012.11、数年前のことでした。豪邸の坊ちゃん(立海)と使用人の孫娘(燿子)が女性家庭教師に「自立と自律」を教えられたことが印象に深く残っています。自立は顔を上げて生きること、自律は美しく生きることだったでしょうか! それから約20年後の燿子と燿子を取り巻く人々の物語です。読み応えがあります。一息に読み終えました!
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燿子がこの先どうなっていくんだろう。
スーパーでの由香里や他の従業員とのあれこれが面白い。
確固とした男社会に対して、燿子のしなやかな強さが小気味いい。
早く続編「天の花」が読みたい!
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二度読み。
3作品目、天の花を読んでもう一度振り返りたくなり、順番を遡るような形で再読。
この本は自立して行こうという気概が感じられ強く心を打たれる。なんとなく関係がわからなかった人物相関図もやっと頭の中で整理がついた。エンドレスで三作品を読みまわして行きたくなる。
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前作から十数年後、すっかり大人になり「おあんさん」を継いだ耀子。
今作では部落の女性たちの働き場所を確保するために奮闘する。
濃密な人間模様は変わらず、前作から成長した子供たちが色を添える。
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2017.11月。
『なでしこ物語』の続き。いろいろどうなってこうなったのかはまだ謎。この2つの間の物語がまた来年に出るらしい。それまで待ちましょう。楽しみ。自立と自律。自分の足で立って生きること。美しく生きること。「どうしよう」ではなく「どうしたら」。自分がやるかやらないか。
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先に「なでしこ物語」読んでいてよかった。
大人になった燿子の、
「じりつ」の話。
あの幼少のころの数ヶ月の出来事が、
燿子を成長させるきっかけだったのだと
再確認できて嬉しかった。
どうして結婚した相手は龍治で立海でなかったのだろう。
でも、立海が燿子を大切に思っていたことは
本当だったようで
最後の蔵でのやり取りに胸が痛くなる。
燿子に「僕らの親のようなことを、きっとしない。だから君が好きになった」
という立海が、なんか切ない。
もう、切な過ぎる。
今の段階では龍治がひどい人に思えてしまうけれど
時間が逆戻りする次作が楽しみ。
燿子の秘めたる力強さには、
また、勇気づけられた。
「やらまいか」だなぁ。
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なでし子物語がとても良かったので楽しみにしていて,この本も素晴らしかったです.成長した耀子がその優しさはそのままに強く会社を立ち上げていく姿に感動しました.ただ,前作でリュウカ君とヨウヨが結ばれると確信していたので,最初はずいぶん戸惑いながら読んでいたところもあるのですが,最後の方の二人の場面,感無量でした.
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あれから18年。
耀子も28歳になり常夏荘の「おあんさん」になっていた。
耀子の現状を知り、始めの頁から驚かされる。
この18年間にいったい何があったのか?
14歳の夏に起こった出来事とは?
今の自分はあの頃なりたいと望んだ自分になれているのか、不安に思う耀子。
大人になればもっと生きやすくなるのかと思っていたけれど、自分を取り巻く世界や人間関係は更に複雑になっていく。
でも大丈夫、耀子にはあの頃の青井先生の教えがちゃんと根付いている。
自立と自律、魔法の言葉「どうしたら」。
「どうして」と嘆いたところで何も始まらない。
「どうしたら」と考え続けて前へ進めば、今とは違う景色が広がるはず。
だから自信を持って顔を上げて、美しく毅然と生きよう!
一本の撫子は弱いかもしれないけれど、みんなで束になれば例え風に揺られても決して折れることのない強さがある。
やらまいか!
最後は感動して涙が溢れた。
自分で選んだ道を自分の足で突き進んでほしい。
次回の物語は耀子の少女時代に戻るけれど、耀子の先の物語も読んでみたい。
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「なでし子物語」の続編。耀子が照子の息子龍治と結婚して「おあんさん」になっていた。なぜ立海ではなく龍治だったのかと違和感を覚えながらも、物語は耀子の会社立ち上げまで進む。「なでし子物語」がよかっただけに、少し消化不良。青井先生にも登場してほしかったなあと思った。だが来年、「なでしこ物語」と「地の星 なでし子物語」をつなぐ、「天の花 なでし子物語」が発売されることを知り、ここで完結できるのかなと期待する。早く読みたい。
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・「どうして」ではなく、「どうしたら」と考える。
・自立、顔を上げて生きること。
自律、美しく生きること。
かつて家庭教師の青井先生から教わった道しるべのような言葉が、この本で再び耀子の生きる方向を決めていく。
友だちのいなかった耀子に仲間でき、起業するというのは今を生きる女性達への応援歌でもある。
しかし、耀子は高校時代全国模試20番以内だったというにしては、言葉を知らない気がする。書生や物流の意味くらい知っていそうなのになぁ…と些細なことですけど。
結婚も、若い時に決めてしまうと後々後悔することもある、時を重ねるだけでも人生経験は大事なものだと年をとるとわかるんだけどねぇ…しかし、千恵さんの作るミネシリーズスィーツやお弁当、食べてみたい。
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龍治と結婚し、かわいい子をもうけ、おあんさんとして生きる燿子。
大人になるまでの肝心な部分はおあずけだけど、
自立しようとする燿子の姿、由香利、千恵、女性の生きる姿がよい。
立海との間も気になるし、
これはまた3冊揃ったら最初から読み返したい。
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女の子だったはずの耀子が、一児の母になっていることに動揺。前作から時は流れ、名家だった遠藤家も凋落し、常夏荘を売り払う話も出ている。耀子はそんな常夏荘の女主人・おあんさん。結婚もして子どももいて、小さかった耀子とは別の人のように感じるけど、耀子を支えているのは、あの時に言われた言葉たち。自立、顔を上げて生きること。自律、美しく生きること。「どうして」ではなく「どうしたら」できるか考えること。時が流れても、変わらないものがある。お仕事小説っぽさもあった。最後の終わり方が好き。やらまいか!やらまい、やらまい!
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数年前に,「なでし子物語」を読んで非常に感動し,続きが読みたいと思っていました。
最近,続編が出ていることを知り,早速手に取りました。
本書では,耀子が立海ではなく,龍治と結婚していましたが,「龍治」って誰よというのが正直なところで,全く印象に残っていません。
なぜ,あんなに強い絆で結びついていた立海が結婚相手ではないのか,意味が分かりませんでしたが,物語自体は面白く,一気読みでした。
耀子が龍治と結婚するまでを描く物語も既に出版されているとのことで,読むのが楽しみです。
なぜ時系列ではないのか疑問はありますが,きっと作者の何らかの意図があるのでしょう。
ラスト近くの立海とのやり取り,刹那すぎましたが,何となくこのままでは終わらなさそうと思っていたら,本書以降を書く連載があるとのことで,こちらも楽しみです。
G.W.の最後にこのような物語に心ゆくまで浸ることができ,とても幸せでした。