投稿元:
レビューを見る
鞍田との密会は、子育て、同居、専業主婦という日常から逃れるための手段なんだ。ストレスが溜まっても発散できる場所がない生活だったんだと思う。人間関係や塔子の想いの描写が丁寧で、丁寧すぎて息苦しさを感じる話だった。だけど読む手が止まらなかったのは私が女性だからかな。
エピローグが良かった。特に大きくなった翠目線の展開がいい。
投稿元:
レビューを見る
夫婦関係は、小さな言葉で感じるストレスが、徐々にすれ違いを深めていくのだとよくわかるとてもリアルな小説だった。
旦那の普通はそんなことしないって言う言葉、
自分も使ってしまうことがあるなと、戒めになる。
投稿元:
レビューを見る
夫の両親と同居して幸せな主婦と思われた塔子は過去の恋人の鞍田と会い、就職をして家庭を持った自立した女性として新しい一歩踏み出す。平凡な主婦と思われた女性が身体の関係から心が引きづられる女性心理を臨場感のある描写で巧みに描かれている。一見か弱い女性の真の強さに感嘆する。
投稿元:
レビューを見る
濃密な性描写が多く、それに負けないほどの心情表現。
初めてあとがきに共感出来たかもしれない。
エピローグがあって救われた。
投稿元:
レビューを見る
ありえない状況展開でうんざりしたが、いろいろ考えさせられる内容だった。
たまには恋愛小説もいいな。
すぐに読めちゃうし。
投稿元:
レビューを見る
元恋人との快楽に溺れ抑圧から逃れようとする塔子。その先には、どんな結末が待っているのだろう――。『ナラタージュ』の著者が官能に挑んだ最高傑作!
投稿元:
レビューを見る
本当に好きな人。
って⁉︎
想い浮かべて、想像できて。
あっという間に読了。
小鷹くん描き方も良かった。
嫌いじゃない。
ヤッパリ鞍田さんだ、けど。
エピローグが、光る。
投稿元:
レビューを見る
島本理生さんの作品の、一つの完成形だと思った。
精緻で、それでいて説明がましくない描写、感情の機微の正確さ、「不倫は悪」と言い切ってしまわない甘さ、すべてが心地よくて心から共感するシーンが多かった。
エピローグから、負の連鎖、というか、家庭環境に問題を抱えて育てられた子のそのまた子の家庭環境、の整備の難しさみたいなものが感じられて、賛否両論はあるかもしれないけれど、実は表面化しきっていないだけで、あちらこちらの家庭に起こっているある種の問題なんじゃないかとも思う。
特に女同士の関係は。
投稿元:
レビューを見る
こうすべき、こうあるべき。
それが正解。
生き方に、それはあるのだろうか。
常識的に考えて、
そうすべきでない、とは
思っても、こうしたほうがよい、
と、わかっていても、
そうできない。
その苦しみ、葛藤が、とてもていねいに
美しい文章で書かれていた。
読後、どうしようもない寂しさが
感じられたのは、登場人物一人一人への
共感なのかもしれない。
共感させられるような作品だった。
投稿元:
レビューを見る
内容(「BOOK」データベースより)
夫の両親と同居する塔子は、可愛い娘がいて姑とも仲がよく、恵まれた環境にいるはずだった。だが、かつての恋人との偶然の再会が塔子を目覚めさせる。胸を突くような彼の問いに、仕舞い込んでいた不満や疑問がひとつ、またひとつと姿を現し、快楽の世界へも引き寄せられていく。上手くいかないのは、セックスだけだったのに―。島清恋愛文学賞受賞作。
投稿元:
レビューを見る
結婚して幼い子どももいる女性が主人公。
学生時代の不倫相手に偶然出会ったことから、恋愛が再燃し、それまで幸せだと信じていた生活が一変していく。
自己肯定ができずに精神的に不安定な主人公は、お坊っちゃま育ちゆえに恐ろしく鈍感な夫との生活を、幸福だと思い込もうとしていた。でもそれは、波風を立てるのが苦手で違和感に気づかないふりをしていただけで、じつは自分のうちにある激情をもて余している。
だからこそ、外の世界が開けたとき、かつての不倫相手や同僚のアプローチを驚くほど簡単に受け入れ、制御できずに自分から踏み込んでいく。
前半は、そんな節操のなさに呆れたけれど、次第になりふり構わず突き進んでいく主人公のその未熟さ、葛藤こそが作品の魅力だと気づいた。
赤裸々な官能描写は少し過剰で、笑ってしまう部分もあったけれど、夫との生活の欺瞞に気づき前に進むためには必要な要素だったのかな。
不倫相手との恋愛物語として読んでいたけれど、終わってみれば、結婚後の恋愛を通して主人公と夫が成長していく話とも言える。
『夏の裁断』と続けざまに読んだため、途中男性の人物像がダブって見えたところもあったけれど、のどかなお盆休み、濃密な世界にどっぷり浸かり一気読み。
投稿元:
レビューを見る
180829*読了
あえて、今風の言葉で言うなら、わかりみが凄すぎる!!!
今のわたしが読むべきだと、神様が引き合わせてくれた本だと思う。それぐらい塔子に共感できました。
わたしもアラサーの子持ち主婦。そして、今後は働きながら子育てしていく身。さらにいつか義実家で暮らさなければいけないかもしれないということまで…。重なる重なる。夫の性格まで若干似てるときたらもう…わかりみが凄いとしか言えません。笑
不倫に関しても、こんな風に溺れていくんだなぁ、と。
現実の苦しさから逃れられるのは、こういう非現実の快楽であったり、家族ではない誰かから向けられる優しさや愛城なんだなぁ、と。そう思いました。
夫も義両親も所詮は他人。育ってきた環境も価値観もまったく同じというわけではない。
塔子はバリバリ働けるだけの能力があったからこそ、重苦しい環境から抜け出すきっかけを得られたわけだけれど、これが能力もない、稼げる仕事を得られない、というような女性であれば、ただただ心を殺して、夫と義両親と暮らしていくしかないのかもなぁ…。
島本さんの著作を読むのは、ナラタージュに続き2作目。
どこか暗さがある文章が、わたしは得意とは言えなくて、すらすらと読み進めることは前回も今回もできませんでした。これは合う合わないの問題、それだけだと思う。
だから、星3つにしようかとも考えたけれど、やっぱりここまで義実家と同居する子持ちキャリアウーマンの心情を描くことができるのはすごいことだなと思い、星4つにしました。
投稿元:
レビューを見る
3.5。
途中、官能小説を私は読んでいるのか?と錯覚するくらいだった。
不倫のお話。主人公もやたら恋に落ちやすいけども、旦那が、まあ兎に角イライラした。
エピローグ読んでちょっと旦那許せたけど。
投稿元:
レビューを見る
凄い女性だなぁと感じた。不倫が悪くないように感じられる。こんな旦那なら仕方ないのかな。いやいやダメでしょ。
投稿元:
レビューを見る
愛すること愛されること,またそのタイミング,本当に難しい.それぞれの登場人物が少しずつみんな幸せでない,その感情のすれ違い具合が絶妙で,イライラしながら最後まで読んで,エピローグで少し救われた.