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たしか国家予算100兆円のうち40兆円は借金だ。累積された債務は1000兆円を越しているのに増税は先送りされるばかりであるとなると、本書の表題「社会保障クライシス」が頭をよぎる。
本書の内容はすでにいろいろと発表されているデータばかりではあるが、簡単に全体像を把握できて読みやすい。啓蒙書としてよいと思う。
小生は長年、生活を圧迫する消費税増税反対論者だったが今年の春に消費税増税支持に転換した。現役世代が借金して将来世代に返済を押し付けるのはどう考えても理不尽である。子どもの財布に手を突っ込むのはやめるべきである。本書を評価したい。
2017年10月読了。
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<国民が受け入れるべき5つのこと>
①増税
②医療供給体制縮小の受忍
③外国人による介護サービスの受入
④持ち家の現金化
⑤就職氷河期世代に対する支援継続拡大
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社会保障制度の今までの流れと課題、危機的状況を具体的に示している
団塊世代と就職氷河期世代が一体化した世帯が老後親子破産の可能性
医療供給体制の縮小
フリーアクセスと自由開業制に対しての見直し適正化が必要
欧州では医療機関は公的施設であり、医師であっても自由に開業することはできない
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171126社会保障のクライシス 山田謙次 野村総研
シンプルに整理されている
日本の最大の課題は、超高齢化社会の問題
安倍政権は2020年東京オリンピックしか頭にない
そこからの5年間、国家が転覆するぐらい厳しい時代に直面する
2025年問題 ①団塊の世代 ②氷河期世代
社会保障給付費 2014年112兆円 → 2025年150兆円(30%/GDP)
1.日本の人口推計(88) 2025年に人口構造が出来上がる
2020年-2025年の変化 ここが厳しい
高齢者 前期→後期への移行
生産年齢 急減
2.財政
税金60兆円 社会保障費負担32兆円
3.医療介護従事者 550万人→700万人 +150万人
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★内容★
2025年に、団塊の世代が後期高齢者を迎える。そして、それを支える“働き盛り”の40−50代は、就職氷河期世代であり、非正規雇用など収入の安定しない状況で生活をしている人も多い。この2点が重なることで、2025年は社会保障制度危機が起こると筆者は言う。
★学んだこと★
・社会保障の起源はヨーロッパはボトムアップ、日本はトップダウン。そのため、新たに建設的な議論が日本では生まれにくい。これは権利意識の濃淡とも関係しているのではないかと思った。
★さらに知りたいと思ったこと
・所得の再分配で貧困に陥ってしまう世帯もいると聞いた。新たな制度を作っていくことが必要であることは間違い無いが、公平性を確保しながらも確実に税収をあげるにはどうしたらいいのか。社会的に弱い立場にある人々をさらに貶める制度にしないためにはどうすればいいのか、考え続けねばならないと思った。
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2025年に団塊の世代が後期高齢者(75歳)となることをきっかけに、日本国の社会保障が立ち行かなくなることに警鐘を鳴らす。
序盤は社会保障制度の現状や今後の危機について述べられており納得度は高かった。
ただ、将来の社会保障を支えるための増税、外国人介護者を受け入れるという主張は個人的には反対。
税収を増やす必要があるのはその通りだが、増税(特に消費税増税)をするとGDPは減り税収も減るのですが・・
減税により経済を上向きにすることで税収を確保しなければ日本はジリ貧になる。
あと、国債は国内の貯蓄によって賄われているから信用度が高く、金利の上昇に至らずにいる。しかし、将来団塊の世代や就職氷河期世代が貯蓄を切り崩すことで国内の貯蓄が減り、金利が上がって財政破綻に至る。とあるが、本当?
国債の発行は政府支出により民間の貯蓄を増やす(高齢者の貯蓄が減るのはその通りかもしれないが)ので、問題ないとMMTの本で見たことがある。
お金の問題だけじゃなく、高齢者人口割合が増えること(現役世代人口割合が減る)でモノやサービスの供給が不足すること(悪いインフレ圧力)は問題であり、生産性向上が必要と考える。
〇社会保障クライシス
・2025年に団塊の世代(1947-49年生まれ)が後期高齢者となる。⇒支出(社会保障費)の増大
・団塊の世代を支えるべき世代はバブル崩壊後の就職氷河期であり、非正規雇用も多く資金力に乏しい
⇒収入(税収、保険料)の減少
・2025年~2042年までは高齢者の人数がだいたい3800万人前後で推移し最大となる。
・氷河期世代には引きこもりが多い(=生活保護により救済しないと社会全体にとって損失)
・日本は社会保障制度の構築に時間と労力をかけてきた欧州諸国と比べて輸入してきたもの(GHQ以降)であるため国民の当事者意識が弱い