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中高生向けの内容ではあるが、書いてある事は概ねマトモなので確認の意味で大人が読んでもそれなりに参考にはなるとは思う。ただし、気になる点はあって、一方で本は間違っているかもという前提で読むといっておきながら(この本も間違っているかもしれない?)、他方で本読んでいる最中は賛成・反対してはならない(素直に読め)と説明している部分。これは少々矛盾しており、間違っているという前提で読むのなら基本的には批判的に読むべきだろう。まあ、賛成・反対はダメだが、肯定・否定はOKという事はなのかもしれないが。そもそも、線引きや書き込みを推奨しているが、それをするというのは「素直」には読んでいないわけで・・・。
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本を読むにあたっての、向き合い方を認識させてくれた本。
書いてある文字をただ理解して自分に落とし込むことがとても大変と今まで感じていたが、本は生きていて感情を持っているから、著者が何を伝えたいのか、価値観や思想がどのようなところにあるのかまでイメージしながら読むことにフォーカスしていく必要があることに気付かされた。
「正しい本の読み方」の全てが正しいかどうか、という懐疑心を持ちながら読むことも、本との会話であり著者の伝えたいことなのかなと思った。
きっと入門編で読みやすい本なのだろう、だけどこれまで読書と疎遠だった私にとっては、思想とかギリシャ・ヨーロッパの著者の考え方を理解するのが大変だった。
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「トピック・センテンス・メソッド」なる理系の作文術に基づいて記述されているが、文体が話し言葉であるため、途中まで講義か何かを口述で書き起こしたものかと思ってしまった。内容はわかりやすく簡単に読め、しかも読書を職業としていない人でも実践可能な程度の柔らかいタスクが多く、とっつきやすい。付録の「必ず読むべき100冊」を全部読むのは時間がたっぷりある学生でないと厳しいと思うが。
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本は「構造」「意図」「背景」を意識して読むべき。
最近は大した「意図」や「背景」などを持たない、売れることだけを意識した本も多い気がする。
「構造」はともかく「意図」や「背景」を理解することは人とのコミュニケーションを深めるためにも重要。実際、著者は本は人間のようなものだと述べている。
わかりやすく、サクサク読めた。
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話し言葉が基本となっており、前半部は内容もかなり平易なため読みやすい。
読書をする目的は異なった考えを持つ他者を自分の頭の中に持つことで様々な価値観を身に着け、相手の発言の前提なども掴みつつ自分の意見を言えるようになることだということだと述べられていた。
付属?でついている筆者のおすすめ本のリストは大変役に立つと思う。
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読書で教養を蓄え、人生をおもしろくする
が、この本のテーマである。
問題視されている大学生の読書習慣がついていないことについて、子どもの頃は本を読むのが好きなのに段々と少なくなる傾向にある。
読書で深みのある人生にするためには…が第1章で書かれており、2章目以降からは目的に沿った本を紹介している。
紹介される本は歴史的な名著が多い。中には、取っ掛かりにくく、噛みにくい難しい本もあるだろう。しかし、そういった本を読んで「アゴ」の力を強くすることによって次に読む本が噛みやすくなるから、始めは難しい本を読むことをおすすめする。という所に自分もやってみようと思った。
最も印象に残ったのは、我々は東洋人だということ。東洋人としてのアイデンティティをもつことが大切だと感じた。
最近流行りのマインドフルネス瞑想は本来の瞑想からヒントを得て、宗教要素を取り除いたものだ。ビジネス的に使われているものもあるだろう。しかし瞑想の元を辿れば何百年前から東洋の精神文化から受け継がれたものである。我々東洋人であればブッダや孔子といった偉大な人を味方につけるために、東洋人のアイデンティティの確立を目指していくべきだ。
読書習慣を身につけていく点でとても有益な本だった。なぜ読書が良いのか、考えさせられる内容だった。
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本といっても小説ではなく、哲学や古典についての読み方が解説されています。本をファッションに例えて、中核となるファッション(古典)が派生していくというのは参考になりました。他にも本は疑って読んではいけないことなんかも為になります。読書をしてみたい方というよりは、読書をしているけど中々効果的な読み方ができない方向けと思いました。
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どんな本から読めば良いのか。
読んだ内容を忘れてしまうが、どうすれば覚えられるのか。
本は何の役に立つのか。
本を読むための本、本を読むコツが書かれています。
教養は、汎用の知識です。若いときに身につけて、老年になるまで使う。さまざまな問題を解決する。だから哲学が、教養の基礎にちょうどよいのです。
情報やメディアが発達していない時代、教養は、意思決定をサポートする唯一の知識でした。いま、情報は溢れています。人びとは情報に、ふり回されています。だからこそ、教養はますます大事になっていると言えます。
このように、教養(本を読んだ経験)は、意思決定をサポートします。でも、それだけではない。一人ひとりの個人が、自分の人生の主人公として生きていくのを支援します。人生に教科書はありません。誰かの人生は、参考にはなるが、自分のとは違っている。人生の折り目・節目に、心の底から納得できる選択をするため、教養の引 き出しを参照できるのは心強い。 ー 207ページ
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本の読み方、選び方。本の価値から学ぶ意味まで、深い考察が親しみやすい言葉で書かれている。著者の知識の広さに驚かされ、自分の幅の狭さ浅さを思いしらされる。まだ見ぬ世界や著者と出会う素晴らしさを味わいたくなる。自分らしい価値観で行動や生き方を選択する指針とするために、知的体力を鍛え続けていきたい。
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578
声は消えてしまいますが、字は残ります。繰り返して読めます。覚えなくても、字に書 いてあれば、「ああ、そうか」とわかります。いまの言葉で言えば、外部記憶です。 本を書いた人が死んでも、本は残る。考えてみれば、これは凄いことです。 だから、本は、ものを考えた昔の人の、死体です。 本を書いたのは、必ずだれか他人です。だから、本を読むとは、他人に関心を持つ、と いうことなんです。
本でなくても、絵画や音楽でも、おんなじです。絵を見て、ただ美しいなあと思 なくて、画家のことを考えたりすると、なお楽しめる。絵を描いた経験がちょっとでもあると違うんです。ジャズでも、誰が演奏に参加しているかとか、どういら いまのスタイルになったかとか、知っているとより楽しめる。楽しみ方は、奥が 深いんですね。
学ぶことは、その人生の、クオリティ(質)を高める。
最後におススメは、よい友人。これがとても大事。 よい友人とは、一緒に飲みに行く間柄、という意味ではない。本について話し合い、本 について教えてくれる友人。本のことを話題にするのをためらわないひと。 友人も試行錯誤しながら、たくさんの本を読んでいるはず。感心した本し ない本もあり、失敗したと思った本も、敵意を抱いた本もあるはず。
物語はもともと、実生活をはみ出て、想像力をはばたかせるものだった。小説は、その かたちを借りつつ、この社会を生きる人びとと重なる世界を描く。そして、人びとの内面 に入り込む。近代になって、そうした文学が発展しました。人間の精神世界が独りに閉じ ともらないで、ほかの人びとと共存する中で豊かに育てられる、という意味です。
そんな著者と、友だちになるかどうかは、読者の自由です。 ひとつ、本のよい点。プライベートに友だちになるには、人数に限りがあり、 時間や費用も少しはかかります。けれども、著者を友だちにするのに、著者の許可はいりません。 手に、著者は自分の友だちだと、宣言すればよろしい(しかも著者が、性格 り、酒飲みだったり、ケチだったり、品行方正でなかったりしても、なんの迷惑も 被りません)。そうやって、著者の友だちをだんだん増やしていく。これが読者の、「秘かな愉しみ」でなくてなんでしょう。
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まとめ
●黄色のハイライト | 位置: 932
ちゃんと読んでとっても参考になったのは、『理科系の作文技術』(木下是雄、中公新書) です。
●黄色のハイライト | 位置: 1,460
本を覚えるのではなく、本のことを覚える。これで十分です。 本のことを覚えるとは、誰が書いた、どんな名前の本で、だいたいどんなことが書いてあったか。よい本だったか、それとも大したことがなかったか、を覚える。 それ以上の詳しいことは、覚えなくてよい。だって、本に書いてあるんだから。知りたいことがあれば、また本を見ればよいのだから。
●黄色のハイライト | 位置: 1,556
手許
●小学生は、記憶力がすぐれている。 そこで、よい文章(日本語のクラシックス) も、なるべくたくさん覚えたほうがよい。百人一首とか、『徒然草』とか、『枕草子』とか。意味がわからなくても、全部覚える。 国語の教科書のなかみは、教科書のために現代の著者が書いた、文章の価値が疑わしいものが多い。そんなものを読ませて、「主人公の気持ちを考えてみましょう」みたいな国語教育は、国語教育になっていない。内容(事実) を正確に読み取り、表現できる、基礎的な訓練をしたほうがよい
●黄色のハイライト | 位置: 1,927
場合分けは、面倒だと思います? 高校の数学で、いったい何を練習していたんでしょう。 議論が成立するための、前提を確認する練習をしていたのです。 * このことを自覚すると、ものごとを考える場合の、深さが違ってきます。 国民の私的所有権が認められているが、無条件ではない。では、その条件はなにか。年金がもらえる。医療保険が医療費をカヴァーする。その条件はなにか。
●黄色のハイライト | 位置: 1,963
そうすると、言葉には、ふたつの性質があることがわかります。 理屈を言う。そして、前提をのべる。 理屈とは、論理です。さっきの方程式を解くみたいに、理屈をのべることができる。 でも、理屈のなかには、価値はない。価値は、前提の中にあります。前提のなかに、大事なものが隠れています。うちの車はポンコツだから新車を買わなきゃ、という考えは、論理でできているように見えるけれど、その前提に、そのひとの価値が隠れています。わが家には車が必要だとか、ポンコツより新車のほうがいいとか。
黄色のハイライト | 位置: 1,988
論争に先立って、まずやることは、分析。相手の前提を、明らかにすることです。なぜそう言うのか、だんだん理解できてくる。 相手の言いなりになりたくない場合、相手の前提を覆してみる。私は別の前提に立ちますよ、と。「はい、そうですか」ではない答えを自分で見つけたい場合、その前提を覆してみる。私は別の前提に立ちますよ、と。 論争は、前提を見つけたもの勝ち、みたいなところがあるのです。
黄色のハイライト | 位置: 2,042
前提とは、それ以上の前提がないものをいいます。だから前提には、根拠がない。根拠のある前提は、そもそも前提ではない。
★黄色のハイライト | 位置: 2,093
まず、民主主義ならすべてうまくいく、と思わないほうがいい。民主主義のよいところは、独裁でないという点だけです。決定の質が、独裁よりましなわけではない。でもそれが、自分の下した決定だからと、結果を引き受けることができるのです。 独裁国家だったら、不条理な世界を生きている感覚に苦しめられる。どんな悪い結果もみんな独裁者のせいにし、恨みながら一生を送ることになるでしょう。民主主義なら、どんな悪い結果も、自分のせいです。その責任をとりながら、誇りある一生を送ることができる。 これは大きな違いです。自分の考えや行動と、世界とがつながっているという感覚をもつことができるから。病気になったら、医師の説明を受け、同意しながら治療を進める、インフォームド・コンセントという考え方があります。病気とともに生きている、自分がその主人公であるという誇りを大事にする。社会も、さまざまな不都合(病気のようなもの) を抱えています。それに悩み苦しみながらも、自分がその主人公であると考えられることが大事です。
●黄色のハイライト | 位置: 2,210
刺戟
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本の選び方から難しい本の読み方まで、具体的に哲学書の一部を取り挙げて説明されていた。
日垣隆著「つながる読書」との共通点は、本に書き込む、すなおに読む、ベストセラーより古典をすすめる、電子書籍肯定、読書会など。
本は必ずしも買わなくてもよく、本当に大切な本だけを集めれば良いという点が異なる。
著者の背景まで知った上で、本に書かれていない前提条件、思想、意図を読み取ることで、一冊の本をより深く読み込めることが分かった。
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議論の前提は普通は隠れている。相手の論理を分析して前提を見つけること。自分の論理の前提に気付かないこともある。それも意識して見つけることが大事だとわかった。