紙の本
本と思想の話
2020/04/10 14:51
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投稿者:kazu - この投稿者のレビュー一覧を見る
この本は、いわゆるハウツー本ではない。
本を読むとはどういうことなのか、という本と思想の話だ。
ハウツー本を読みつくして物足りない人に。
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<目次>
はじめに
【基礎編】
第1章 なぜ本を読むのか
第2章 どんな本を選べばよいのか
第3章 どのように本を読めばよいのか
【応用編】
第4章 本から何を学べばよいのか
《特別付録》必ず読むべき「大著者100人」リスト
第5章 どのように覚えればよいのか
第6章 本はなんの役に立つのか
【実践編】
第7章 どのようにものごとを考えればよいのか
終章 情報が溢れる現代で、まなぶとはどういうことか
おわりに
<内容>
帯にもあるように、「読書」だけではなく、「勉強」のしかたや「学ぶ」意味についても語られる好著だと思う。
読書に関していうと、今までこうした本で語られなかった「著者のその本を書く背景」をわかりやすく書いてあること。著者がそれを本の中で語ることは稀なので、それに気づくことは難しく、そのためには多くの本を読み、人生の経験が必要。また、難解な哲学の背景についてかみ砕いた説明がなされ、私のような浅学なものにも理解がしやすかった。
この本は高校生に読んでほしいが、私の周りの生徒は理解できない感じがするので、大学1年生くらいが入門書として読み、しっかりと勉学をしてほしい。
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しかし、橋爪先生も(齋藤先生も)同時にいったい何冊の本を手掛けているのだろう。あまりにも量産されると、すべてをフォローしきれない。で、本書は新聞広告より先に書店で見つけて、広告で見ていた丸山真男も興味はあったけど、そちらは探さずに、こちらを購入。読みかけの他の本を差し置いて、3日目読了。書名は「正しい学び方」のほうが近いかも知れない。はじめにから引用。「・・・学問や教養を身につけたり、知に触れたりすること自体が、楽しくなってくる。楽しくて、仕方なくなる。知の楽しみに目覚めると、それ自体が、目的になります。」これ、私が昨年度はじめに書いたエッセイ「何のために学ぶのか」と全く同じ内容だ。しかし、著者はこの先を行く。「知のプロの人は、楽しくなくても、苦しくてもやる。・・・苦しみながら、みんなのために、そういう知的生産をしています。」私も、ちょっとだけ、この域に足を突っ込んでいる自覚がある。毎月の校通信連載。結構しんどいのです・・・。さて、大著者100人読みたいですね。どこまで行けるかなあ。現在までに読んでいるもの。「聖書」(もちろんすべてではないが)「源氏物語」「カラマーゾフの兄弟」「狭き門」「こころ」「変身」「審判」「華麗なるギャツビー」「ライ麦畑でつかまえて」(この2冊は村上春樹訳で)「老人と海」「論理哲学論考」(最初の数ページ、これは読んだとは言えないか)
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著者としての本に対する付き合い方というものについて書かれています。本との付き合い方は、もっと私的なもので良いということなのかもしれません。本書を読んでそれを感じました。読んで勉強することや覚えることよりも、どう考えるかが大事。そんな当たり前のことを忘れて今まで読んでいたのだと反省させられました。
本を書くということはどういうことで、それに対してどういう読み方をするのか。考え方を持つべきなのか。古典を読む重要性と、そのための方法。いきなりは古典は読めないからどうするのか。そのために本を読む。あんまり本を読んでいない人も、結構乱読じてきた人にもオススメな内容が入っています。
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無意識に興味本位での読書も多いですが、著者が影響を受けたであろう大著作を押さえておくことの大切さがわかりやすく書いてあり勉強になりました。読書好きの方にはわかっておられる方多いかもしませんが、「必ず読むべきリスト」は要確認。「本は、情報に還元できない生命を持っています。なぜならそれは生身の人間が、かたちを変えたものだから。」 「本を読むとは、社会のさまざまな不都合を、医師のように診断し、処方箋を書く力をつけることです。」「論争は、前提を見つけたもの勝ち、みたいなところがあるのです。」 今後も良い本を読み続けたいですね。
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本の読み方なんて人によって違う。ただ、正しい読み方となると限られてくるだろう。ぼくは正しい読み方をしているだろうか?
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本の読み方に関する単なるハウツー本ではない一方、本の読み方についての具体的な示唆が不明確になっている印象。
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本を読むとはどういうことなのか、読むことによって何が得られるのかといった読書に関する筆者の考えが軽妙な筆致で書かれています。本とは突然現れるものではなく過去の本に対するフィードバックとして書かれていること。それによって本を介した知のネットワークが築かれていること。面白いと思ったことは自然に頭に定着するから本の内容は故意に覚えようとしなくてよいこと、など。読みやすかったです。
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さあ、本を読もう。
本を好きな人、そして本を大事に思っている人が語る、「正しい本の読み方」である。だから、この人のことばは、本を読まない人には届かない。読む人に届く。
読み手の中の一握りが、書き手となる。書き手の背後には、たくさんのそれまでの書き手がいる。連綿と続く本の系譜。わかると、思う。たくさん読むことでつながりがわかる。本を読むことで、頭の中に著者を、もしくは主人公を住まわせる。その頭の中の住人は、新しい誰かと出会ったとき、理解したり考えたりする助けとなる。メッセージを受け取り、私の人生の指針とする。だから、本を読む。
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読書をこれから始める人には発見があるかもしれないが、内容はよくある話ばかり。真面目な人だとは思うが、面白い興味のひく文章はかけないようだ。
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読書は「頭の栄養」。
この一言につきるんだけど。
読みやすい文体で、スラスラ読めて面白かった。
本についての内容よりも、学校教育についての意見の方が印象に残った。
教科書には当たり前のことが書いてある、とか。
あまのじゃくを忘れない、とか。
フムフム・・・って感じ。
トピック・センテンス・メソッド、についての記述も面白かったな。
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ランダムに選んで読んだ本だったが思いのほか印象に残った。当たり前のようで、意識しながらできてないことを再認識することができた。また、これを読んで読みたい本が増えた。
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読書の方法について筆者の意見をまとめたもの。かなりラフな作りになっており、読者のターゲットも章ごとに揺れている感が否めない。正論ではあるが、どこか強引に持っていかれている感がしてならない。
どの本から読むべきかというような具体的な提案がなされているのはよいと思う。そのまとめ方も独特でおもしろい。ただある程度読書ができる人でないと本書の趣旨を汲み取ることは難しいのではないだろうか。
何をもって正しいとするのかこの種の本には常にそういう疑問が生じる。あくまで筆者の視線に寄り添って考えてみたいという人には読むべき一書だろう。
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本の読み方、というと速読法とか技術の話なのかと思っていた。そうではなくて、本との長い付き合い方、本の楽しい読み進め方を教えてくれる本でした。特に新書を読む際は活かしやすいかもしれない。文体が柔らかく、久方の活字!という私でも楽しく読み進められました。読書をもう一度趣味にしよう!と思っている私のような人にぴったりの本。
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著名な社会学者による読書論です。
趣味としての読書の手引きというよりも、とくに人文・社会学系の本を読むための方法について、著者自身の考えが述べられています。独創的な読書論ではなく、オーソドックスな考え方だといえるように思います。おそらくは意欲的な高校生など、若い読者を想定して書かれた本なのではないでしょうか。
とはいえ、著者の教育論、教養論をうかがうことのできるような議論も見られて、あまり退屈することなく読むことができました。