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「時間」という視点から、物理学の発展を概観。
感覚に基づく素朴な時間観(と言っても、「21世紀に生きる私たちの」時間観であって、完全にまっさらではないことが分かるが)の確認から始まり、ガリレオ或いはニュートンの時間観から、相対論・量子論を経て、最先端の理論物理が時間をどのように捉えているのかまでを、数式を使うことなく平易な言葉で説明している。
先ず、時間というものは言う程当たり前なものでは無い。それは本質的には運動を測る周期運動であって、本書の言を借りれば、“物体の存在とは無関係に「時間」が存在していて、物体の運動はその時間に沿って起こる(p.30)”という仮説によって導入されたものである。よって、運動とは何か(どのような法則に従うか)が修正されると、理の当然として「時間とはなんだろう」という問の答えも変わる訳である。
ニュートンは運動方程式のパラメータとしての時間、絶対時間を考えた。
アインシュタインは相対性原理から観測者によって異なる刻みの時間が流れていることを導き(特殊相対論)、「重力は時間経過の別名(p.136)」と主張した(一般相対論)。
さらに最先端の量子重力理論に至ると、4次元時空や量子場というのは繰り込みの結果に過ぎず、時間は「空間・物質・力を含む巨大な構造の一部」となる。
正直後半はちんぷんかんぷんだったが、何となくの感じを掴めたのは収穫。良著。
1 時を数えるということ
2 古典的時間観 ガリレオとニュートンが生み出したもの
3 時間の方向を決めるもの 「時間の矢」の問題
4 光が導く新しい時間観の夜明け 特殊相対性理論
5 揺れ動く時空と重力の正体 一般相対性理論
6 時空を満たす「場」の働き マクスウェルの理論と量子としての光
7 ミクロ世界の力と物質 全ては重力場でできている
8 量子重力という名の大統一 時間とはなんだろう?
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時間とは何かは誰もが気になる哲学的問いではないでしょうか。
私自身、本書を哲学書だと思って購入したのですが、実際は、ゴリゴリの物理学が展開される科学系の本でした。
じゃあ期待外れだったのかと言うと、期待していたよりはるかに面白いではありませんか。
レビューには、時間とは何かに答えていない、物理学が分からないというものが見受けられます。
しかし、本書を読めば、時間とは、物理学でこそ説明されうることが分かります。そして、絶対的な存在と思っていた時間が、そうではなく、相対的であることを知りました。
確かに物理嫌いの方は少々頭痛がするかもしれませんが、著者は数式を用いない平易な言葉で現象を説明しています。
素直に科学って面白いと思いながら読めば、時間とは何かを考えているうちに、物理法則まで勉強できちゃったとお得感満載の一冊です。
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今まで「時間」に関する本は何度かトライしたことがあるが、ようやく少し腑に落ちた感じがする。
特にエントロピーと時間の関係や、光速と時間との関係。
良書。
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ニュートン以来、物理の背景に空間と時間の方眼紙を貼りつけて大きな成果を挙げてきたわけだけれども、アインシュタインの頃から方眼紙は実はグニョグニョに曲がるし、前景の物質だってユラユラ揺らいでるとわかった。
歴代の物理学者たちもきっとなんだコレ?と言い続けているに違いないが、今や焦点は背景だった時空の方眼紙って何?どうなっているの?にある。
それを研究しているのが量子重力理論で、しかし、本書ではさらりと紹介しているだけなのでちょっと肩透かし。
しかし、素朴な時間観から量子重力理論に至る流れを辿りながら、物理を数式や紋切り型表現ではなくて著者の言葉でコレってこういうことなのよと言ってくれるのがとても説得力があって腑に落ちる。
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「時間」の概念を中心に据えながら物理学の発展の歴史を概説してくれるわかりやすい一冊。
わかりやすいといっても現代物理学(特に量子論)は複雑で直感的な理解は難しいのだが、それでも「こういうことかな」というヒントは与えてくれる。
エントロピーの説明などは特にわかりやすい。
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時間をどう捉えればよいのかという問いを中心に空間や場と言ったこの世の理(まさに物理)について論じられた一冊。
著者が文系の方向けに講義を行なった経験からか、基礎知識がなくても読みやすいものとなっている。
この世は空間と時間の4次元方向の力だけではなく、電磁力や原子スケールにおける強い力、弱い力にも支配されているらしい。
ニュートンの古典力学、アインシュタインの一般相対性理論ではある程度の範囲までしか有効ではない。世の理をより正確に表すならば新たな理論が必要になる。これは考えるスケールと理論のイタチごっこのようにも思える。しかし、超弦理論などによって物理の研究が進むことで(一般相対性理論がGPSに役立てられたように)新技術が生まれるのである。
この本を読んで最新物理学の一端を知ることができ、実はまだよく分かっていない部分もあることを知れた。正直なところ最新の考え方は自分には難しかったので本書の末尾で物理をもっと知るために紹介されている本たちを読んでみようと思う。
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途中
・ニュートン力学の偉大さ
・運動は予測可能だけど、3つ以上の関わりがあるとカオスになり、予測不可能になる
だからこそ、時間は不可逆的
面白い。また続きを読みたい
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私には話が難しく、漠然としたイメージしか持てませんでした。しかし、脳みそに汗をかきながらも、必死に相対性理論や量子力学の話に触れられたことで、目の前の世界が少しだけ違って見えるようになりました。学ぶことって、楽しいですね。
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https://elib.maruzen.co.jp/elib/html/BookDetail/Id/3000057455
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現代物理学(量子など)をベースに時間とは何か?を解き明かす本。前半は非常にわかりやすかったが、後半になるにつれて宇宙や量子の専門的な話が出てきて、不勉強ゆえ理解に乏しかった。
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後半は専門用語が多くてあまり理解できなかったが、物理学の面白さと奥深さは伝わった。他にも色んな本を読んで勉強してみたいと思った。
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タイトルの通り「時間」を題材に物理学の中で時間がどのように捉えられ扱われてきたか歴史的な変遷とともに追っていく。ニュートン力学、特殊・一般相対性理論ぐらいまではともかく後半の現代的な量子論・宇宙論の部分は門外漢には相当難しい。物理もちゃんと勉強したい…!
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誰もが一度は考えたことがある問いです。
学生時代に習った古典的な時間感、つまりはニュートン力学から特殊相対性理論、そして、量子論へと繋がり、時間を物理的に捉える見方を学べます。