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★学生選書ツアー2018選書図書★
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https://sistlb.sist.ac.jp/opac/volume/217775
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決してわかりやすくはない(特に前半)。基礎知識のない自分にとっては、かなりの言葉が初めてで、苦行に近い。
後半は、がんについての解説なので、具体的な話が多く、分かった気になった。
もう少し、周辺の知識を蓄えて再トライしたら、面白いかもしれない。
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細胞、血液、がんについて、各種結構珍しい病気を含み、原因などを詳しく書いている。一般人向きの本、健康志向の本ではない。がんは運だ。
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前半を基礎とした後半のがんについての解説からは著者の熱意が伝わってくる。
がんの発生要素とそれぞれに着目した治療方法は分子生物学が存在する現在ならではのものだが、体内で進化し続けるというがん細胞の性質を考えれば、万能の治療法がないというのも残念ながら事実だろう。
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FBでの仲野徹 投稿より
【きっかけ】
大阪大学医学部の教授で「HONZ」のレビューアーでもある著者。
西田昌司君ともFBでお友達の様子。(つっこみがはぃつている)
仲野さんのFBで知った。
以前に、「エピジェネティクス――新しい生命像をえがく (岩波新書)作者:仲野 徹」
を買ったが、これは、難しかった。
【内容】
大学で教えている「病理学」をもとにして、「病気の成り立ち」について解説したもの。
特になんでがんができるかは、そうなっているのかと納得できた。
がんを中心に、病気の成り立ちを楽しく紹介する知的エンターテインメントです。
http://www.shobunsha.co.jp/?p=4390
http://honz.jp/articles/-/44444
http://honz.jp/articles/-/44436
【ポイント】
361/がんは、もともとたった一個の細胞がどんどん増殖してできもの
362/突然変異は、ランダムに加齢にともなって生じるから、がんの元になる細胞は寿命が長くなければいけない。
幹細胞かそれに近い寿命の長い細胞。
364/人類が根絶した病気は、天然痘だけ。がんを撲滅することは不可能。
366/「がんは運である」 がんは多様である。がんは進化する。→どのような突然変異が起こるかは運。
367/がんはドライバー遺伝子変異が原因、その蓄積で発症する。そして「進化」する。
368/がんになるかどうかは、組織の肝細胞の分裂回数、すなわち変異の入る頻度と相関する。
一通り読んだところで、「再読」しよう。
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病理学とは、病の理の学問。
人体(細胞や血液)のしくみや病気のなりたちについて、詳しくそして分かりやすく学べる本。
がんについて2パート使っている。
一見てまはなかなか難しい言葉も多かったが、医学の進歩を感じた作品だった。
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止血のところで説明するように、血液というのは、体の外にとりだしてほうっておくと固まってしまいます。これを凝固といいます。だから、昔は、画期的な発見がありました。クエン酸ナトリウムという単純な物質を加えるだけで、凝固を防げることがわかったのです。(p.118)
鉄の摂取が不足する場合、というのは、多くの場合鉄分のある食物を十分に摂取しない場合です。鉄分の多い食物というと、赤身の魚やお肉、レバーが代表です。これらにはヘムが含まれているので、ヘムとして吸収されます。他にも、ヘムではない非ヘム鉄として、野菜や海藻、豆類にも鉄は含まれますが、ヘム鉄の方が非ヘム鉄よりも吸収されやすいとされています。(p.134)
知らないことを学ぶときに大事なことが二つあります。ひとつは、大きな流れーーものごとの原理とか大和久といってもいいかもしれませんーーをきちんととらえることです。何事においても、原理的なことをしっかり頭にたたき込んでおくと、大きく間違えることはありません。そして、細かいことは、後から必要に応じて、原理の幹とでもいったものに枝や葉としてくっつけて覚えていけばいいのです。そうすると、物事の全体がよく見えてきます。
(中略)もう一つ、新しい分野を勉強するときに大事なのは、言葉の意味をきちんと理解しておくことです。それができていないと、なにがなにやらわからなくなることがあります。幹となる事柄や大事な用語はそれほど多くありませんので、きちんと理解して覚えてくださいね。(p.178)
英語版のウィキペディアを翻訳すると、「遺伝の分子単位となるDNAの領域」という書き方になっています。一般的には、遺伝子というのは、単なる情報ではなく、より実体のある領域あるいは単位、と考える方が正確です。(p.187)
がんは体の細胞に生じた突然変異、それも、数個の突然変異が重なって初めて発症するものです。また、これまでに調べられた悪性腫瘍のすべてはクローンである、すなわち、たった一個の細胞の子孫である、ということがわかっています。以上、ふたつのことをあわせると、一個の細胞に突然変異が生じ、さらには変異が蓄積していくことによって、最終的にがんになるということになります。(p.232)
(タスマニアデビル)もうひとつのおもしろい進化は、攻撃性の弱い個体の出現です。この病気が出現するまでは、攻撃性が強いことが、おそらく餌をたくさんとれるために、生存していく上で優位だったのです。ところが、腫瘍が出現してからは、攻撃性が強い個体は、相互の攻撃によって傷つきがん歳暮うに感染しやすいために、死ぬ確率が高くなってしまいました。その結果、進化の淘汰圧が逆向きになって、攻撃性の弱い個体が有利になってきたのです。
進化ってほんとにすごいですね。こんな恐ろしい病気にすら打ち勝つことができるかもしれないんですから。田先生のがんという不幸な出来事で、多くのタスマニアデビルが死んでしまったことは悲しいことです。しかし、その結果として、やさしいタスマニアデビルばかりになったら、ちょっとええ感じかもしれません。 (p.316)
ある病気を完全になくす、というの��非常に困難です。人類の手によって根絶させることができたヒトの病気は、天然痘ただひとつです。天然痘は、がんのように原因に多様性などなく、天然痘ウイルスが唯一無二の原因です。ですから、ワクチンの接種によって根絶することができたのです。
では、がんを撲滅することは可能でしょうか。残念ながら100%不可能です。キャンペーンとしては悪くないかもしれませんが、第二次世界大戦中の日本軍みたいに、必勝と書いたハチマキを巻いたら勝てる、とか、そのレベルです。それよりも「がん撲滅」というスローガンを聞くと、患者さんにとことん戦わねばならないというイメージが植え付けられてしまいそうで、よくない面の方が強いような気がします。(p.364)
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街場の病理学って感じでわかりやすい。医学部病理学講義始まる直前に流し読みでも十分学習効果あり。免疫、遺伝子はイラスト入れたらもっとわかりやすいかな。
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病理学として特に重要なところがガン関係であり読者もそこを欲していることだろう。がんに関してページを多く割いているがもしガンにかかった患者が読んだとしても総メリットのある内容ではない。むしろいまは健康でありガンに対しては興味がない人が読むべきところだろう。
もっと細かくマニアックなところがもっとあればよかった普段のぞけない病理関連の裏側が覗きたかった。
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核を持った細胞は真核細胞。原核生物は核がない、単細胞。
細胞が死ぬ=低酸素。脳や心筋は弱い。
壊死=梗塞の後は固くなる。柔らかくなるのは融解壊死=脳軟化の意味。
一酸化炭素はヘモグロビンと結びつきやすい。薄いピンク色になる。酸素が結合できなくなるため酸素が無くなって窒息する。
酸素は活性酸素を生む=体内の3%が活性酸素になる。
指は細胞のアポトーシスでできる。
過形成=乳腺が増えておっぱいが大きくなる。
いぼも過形成。筋肉は細胞の数が変わらないので筋肥大。
入れ墨はマクロファージに食べられた異物の色がそのまま残る性質。
幹細胞=テロメアがないので無限に増殖可能。IPS細胞やes細胞。
血液の量は体重の13分の1。
リンパ管が慢性的に詰まると浮腫が起きる。
瀉血は間違い。ヒポクラテスの体液の乱れによる、という考え方に基づいたもの。
輸血は血液ドーピング。ツールドフランスのランスアームストロング。
ひじきの鉄分は、鉄窯で煮ていたため。実際は鉄分は多くない。ビタミン不足でも貧血がおきる。
ダイバーは急に浮上すると危ない。窒素をヘリウムに置き換えている。
アナフィラキシーは気管支が収縮して起きる。
ゲノム=全遺伝情報。遺伝子のこと。
腫瘍は細胞の塊を作るもの。悪性新生物は、血液のがんなどを含めた総称。
がんは発見される10年前にできている。増殖が速い。
がんもどき、理論はうそ。がんは進化するのでほっておけない。
周りを攻める。湿潤、転移。リンパによるものと血液によるもの。
胃がんは減少傾向、大腸がんと乳がんが増加傾向。欧米化による。
抗がん剤のあとに再発すると耐性をもったがん細胞が増殖している。
がん細胞はテロメア―ぜが活性化しているので増殖を続けられる。
子宮頸がんワクチンは性格にはヒトパピローマウイルスワクチン。
「世にも奇妙な人体実験の歴史」
DNAメチル化による大腸がんのスクリーニングは血液採取で済む。
分子標的剤(オプジーボなど)は高額。
ガンは怖くない、ではなく怖くないガンもある、程度。
ガンは進化する。どのような突然変異があるかは運。
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この言葉も意味分かんないまま使ってたなぁと思わされるところしばしば。説明が分かりやすいし、私のように一回説明されてもすぐ頭に入らない人用に書いてくれているのだろうと思うところも多く、挫折せずに読めた。雑談もちょこちょこ笑えるし総じて楽しかった。
しかしもう少し脳が若いうちに読んでおかないとダメだ。
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[関連リンク]
生きていくうえで、あると嬉しい基礎知識──『こわいもの知らずの病理学講義』 - 基本読書: http://huyukiitoichi.hatenadiary.jp/entry/2017/10/11/080000
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分かりやすくて楽しい本。
お医者さんって細かいことが気になるタイプが多いのかな?言葉1つ1つに「これって?」と引っかかるので広辞苑を引くそうな。医学のロジックはとても単純。覚えると受診の時に役立つ。
物事を統計的に考える能力は生きていく上で非常に重要。
アデノシン三リン酸→細胞が生きていくためのエネルギー
テロメア、テロメア短縮→老化
テロメラーゼ
テトラヒメナという生物で実験
みんなが信じてる医学の「常識」と言うのは必ずしも正しいとは限りません。医学に限ったことではありませんが、先入観なしに物事を見つめると言うのはものすごく大事なことなのです。
日本の妊産婦死亡数は年間40人程度。分娩数は100万人。これ以上下げるのは不可能。
梗塞は主として虚血による酸素不足によって壊死になるという状態。虚血に耐えられる時間は神経細胞は3〜4分、心筋細胞は20〜30分。
アナフィラキシーが1913年に発見されていたとは…
p53はゲノムの守護神、傷ついた細胞をアポトーシス(自殺)に導く。
C型肝炎は95%治癒する病気。だが治療薬は一錠5万5千円。1日1錠12週間服用で治るが総計400万円強かかる。保険負担額は月1〜2万円。日本全体で2兆円かかる計算。
胃がんの原因はヘリコバクターピロリ菌。原因のあるがんばかりではない。
人生に運があるのと同じでどの様な病気にかかりどのような死に方をするか運に左右される。運を味方にするには正しい知識を持って自分の頭で判断する事が重要。がんは多様で時間をかけて進化するもの。どの細胞からでき、どんな変異を起こしたのか知る事が大切。
がんを撲滅する事は不可能。
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平易な言葉で病理学について教えてくれる一冊。しかし、言葉は平易であるが専門用語が多いので、理解まで容易とは言い難い。特に、本書の後半半分は癌の説明に割かれており、ここが一番難解である。つまり、本書の半分以上は難解な医学用語と格闘することになる。しかし、前半部は後半の癌の項目ほど難しくはないので、難しそうという先入観を捨てて読んでみるのがよい。
本書に書かれている理屈や専門用語をすべて理解し覚えようとせず、少しでもよいから病理学のエッセンスを自分の中に取り込めればよしとしよう、という程度の楽な向き合い方が本書ではおすすめだ。
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30:病理医ヤンデル先生のヨンデル選書フェアにて購入。「病気」の基本的なことから、総論として広く楽しく学べる本。生物の授業でやったけど、というようなことも改めて説明されて腑に落ちたり、特にがん、分子標的薬について解説があるのが良かった。
進歩目覚ましい分野だから、定期的に改訂を……というのは難しいかな。基礎の一冊として手元に置いておきたい。