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ランドスケープデザインの思考法をまとめた本。
私たちが「風景」に対してとれる態度は
「創造や構築」ではなく「参加や変容」
デザインの対象は庭から都市まで
違いは公共性のグラデーションや可視不可視の「閾」
畏れを持って「さわる」態度が大事
前半は参考文献とともに思考の整理
後半は参考事例とともにデザインの整理
Ⅰ思考の手がかり
1風景に気づく
風景を客観的に対象としてみる
2関係性に参加する
自身では完結せず、そこにあるもの周辺にあるものとの関係性で存在できる
部分と全体、自立と依存、管理と手入れ
3場所をしつらえる
場所が生まれる頻度とバリエーションの豊かさを意識
場所が生まれる契機を意識して
落ち着いて周りを見るための窓として
個人と集団との間にある無数に重なった群れがコミュニティ
にぎわいづくりとは一人でいるのがつらくない場所をつくること
4風景は公共空間である
多様性の集合。もっとダイナミックであるべき。
公共性、オフィシャル、コモン、オープン
所有と独占は違う。客人はそれなりのふるまいを求められる。
Ⅱデザインの手がかり
5風景を再編集する
ランドスケープデザインは編集
6場所が生まれる契機をデザインする
いい場所が生まれるような状況を仕込んでおく
7体験をデザインする
場所の体験がそこにありえるのかを意識して
8時間を生きるデザイン
時間の中で生きていけるデザインを
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ランドスケープアーキテクトがデザインのコツみたいなものを、あらゆる方向から断片的に短い文章によって紹介している。1ページごとにキーワードと、具体例とがのっていて分かりやすいし、読みやすい。
↓以下覚え書き
こういうデザインって、本当にこのような理論が先行するのか。それとも設計者の感覚が先行するのか。(ある程度経験を積んだデザイナーだから後付けで言語化できているだけ?)。デザインは、何度も話し合い修正を重ねるというプロセスを経るものだということは、両方なのかなと思っている。デザイナーのセンスも理論も大事なはず。
いずれにせよ、どこかの段階ではこういう、感覚的なデザインのコツを言語化することって大事だと思う。
プロとしてデザインの経験のない身としても、無意識じゃなくて意識的にその場所のデザインの良さを理解できるようになると思っている。楽しみ方が変わってくればいいな。
建築は、ハコの設計だけじゃなくて、住み手の生活をデザインすることだと。ランドスケープは規模が大きいが故に影響範囲も広いから、更にその考え方が求められるということを再認識。面白い分野だな〜。
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