投稿元:
レビューを見る
幼少期の感情を複雑に語るせいか、違和感を僅かに感じながら淡々と物語が進んだ。
幼少期の経験が今後どのように活きるのか期待。
投稿元:
レビューを見る
駐在家族を描いたお話。
主人公は末っ子の男の子。
イラン→日本→エジプト→日本と、
父の転勤、両親の生活に伴い変化する環境での生活を描写する。
文章の小気味よさ、読みやすさは西加奈子の得意技。どんどん読め進められる点では大衆受けするのだろうが、本質的にこの小説で何を書きたいかは、上巻だけでは不明瞭。
(中巻以降で何かものすごい山があるのかも知れない。)
また、少なからず違和感を感じたのは、
主人公がやたら大人びていて冷静すぎること。
幼稚園や小学校低学年の男の子が、
姉はこういう人間である、とか
父・母はこういう人間である、
などと悟ったり、結論づけられるだろうか?
そもそも小説全体を通しての疑問なのが、この話は回想録なのか、リアルタイムで進行しているストーリーなのかはっきりしていない点。
変な違和感を生じさせている。
総括すると今のところ大して面白くない。
投稿元:
レビューを見る
圷歩から見た大人の不条理な世界や友達との出会いと別れ。子供の世界も濃密だと思う。
友達って何でしょうね。今ならFacebookやLINEの友達も友達になるのかな。一回しか会ったことないのに、その一回が今後の人生を左右したり。かと言えば毎日の様に会うけど義務的に感じる人もいたり。
歩とヤコブとの出会いは歩の初恋の様なものだとあるけど、このふたりの関係はいつまでも変わらないでもらいたいなと思う。
問題児の姉貴子のひとに認めてもらいたい行動も何となくわかる気がします。マイノリティでいることって憧れますし。
結局、生きている限り、ひとは出会いと別れの連続。中、下巻にも期待。
投稿元:
レビューを見る
文庫になるの待ってました!
上巻は中近東の匂いがするような描写を楽しみ、
家族が歪んでいくのに従って(特にお姉ちゃん)辛くて読むスピードも遅くなり、
でも下巻は祈るように読み進めました。
生きているって、素晴らしい。
投稿元:
レビューを見る
独自の世界観に没頭し周りを振り回し続ける姉、家族よりも自分美を探究する母、寡黙で空気のような存在になってしまった父。そんな家族を持つことで、自然と空気を読むことに長けた美青年に成長した「あゆむ」。そんな人との距離感を図り保つことで、自分自身の立ち位置を定めることが得意なあゆむが、とある事件をきっかけに、順調だったはずの人生が崩れていく。その先に見つける人生の真理とは・・・?
個性豊かな人間たちが織り成す話の展開が面白く、ついつい一気読みしてしまいました。「人生に正解は無い。信じることを自分で見つけるしかない。自分で軸を定めてこその人生。あなたの軸はなんですか?」という極めてシンプルな問いかけについては、よくよく考えたいなーと思うのでした。みんな違ってみんな良い!
投稿元:
レビューを見る
学校で問題を起こしては引きこもったり、自分探しの旅に出てしまう姉、離婚後も元夫の金で自由に美容や恋愛を楽しむ母、全てを受け入れて穏やかで最後には出家してしまう父、そして常に周りの人と比べて、浮いてしまわないように、気を遣いながら行きている主人公の歩の語りで垰(今橋)家の物語は進む。
父親の転勤でイランで生まれ過ごした時代、帰国して大阪で姉が周りの子と衝突する小学校時代、2回目の転勤で滞在したエジプトで歩と唯一心を通わすことのできたヤコブとの出会いと別れ、両親の離婚大阪に再び戻り宗教団体(?)の教祖のような矢田のおばちゃんと姉との関係、歩のクラスメート須玖との出会いと別れ、大学のサークルで出会った女友達鴻上などさまざまな人との出会いを通して、主人公が自分のために人生を生きるまで描かれる。
姉の言葉で「あなたが信じるものを、誰かに決めさせてはいけないわ」との言葉に今まで誰かと比べたり、周りに気を遣って、事を荒立てないように生きてきた主人公が自分にとって「信じる」ものを見つけていく姿は感動的。多くの日本人って、この主人公のような気がしたなあ。自分で決めることができないというか、周りから浮かないように生きている。そんな多くの読者に向かって、周りの誰かのためではなく、自分の人生を生きろと語りかけてくれる。
投稿元:
レビューを見る
(上中下巻あわせてのレビューです)
読み終えていくつかの瑕瑾が気になりました。直木賞の選評にもありましたが、上巻で主人公の母親が父親宛に届いた手紙をきっかけに怒り出すのは、後に明かされる両親の過去の出来事をふまえると確かにおかしいですし、下巻における過去の知り合いとの「偶然の再開」の連発も不自然で、作者の都合で安易に物語を動かしてしまっているように感じられました。さらに前半の少年時代と比べると後半(特に20代以降)は展開が駆け足となり、全体を通して読むとバランスが悪いのも気になります。またラストに描かれている本作に対する言及も不要だったのでは、と思っています。
それでも私は本作に強く惹かれました。核として主人公の自伝を描きつつ、社会情勢、宗教、性差、いじめ、家族、友情、恋愛など数多くのテーマが重層的に現れており、最終的に非常にスケールの大きな小説に仕上がっているところにまず感服しました。作者のユーモアセンスも素晴らしいです。至る所に笑えるネタがあり、この長さですが途中でダレることなく読み終えることができました。また、ちょっと上手く書けないのですが、時々行間から力強いものが立ち上がってくる印象があり、読んでいて充足感を得ることができました。
私は、特異なキャラクターの姉を言い訳にしてその時々の雰囲気に流されるがまま生きてきた主人公の姿を、いつも他人のせいにして自身の主体性を放棄し、肝心な時に傍観者になってしまう現代人、特に私を含めた同世代の人々の姿と重ねて読みました。それがゆえに本作の主人公がどん底に落ちてからラストに至るまでの展開には、もう読んでいて身につまされる思いでいっぱいになりました。本作を読んで救われる人がいるというのは確かに分かる気がします。
投稿元:
レビューを見る
内向的な少年を主人公に、その家族の物語が描かれる。
父親の赴任地のイランで生まれ、日本を経て、さらにエジプトへ。
家族の関係の難しさや微妙な機微が描かれる。
投稿元:
レビューを見る
圷歩(今橋歩夢)の回顧録。母であるよりも女であることを優先する母、「見られる」こと、「愛される」ことを望み奇行をとりつづける姉、その母と姉の板挟みとなってしまった父。決して読んでいてワクワクしたりする本ではないけれど、誰しもが抱えたことのある気持ちを表現してくれていると感じられる。エジプトの「彼ら」に対する歩のいたたまれなさには共感してしまった。ここから先、圷家がどうなるのか気になる。
投稿元:
レビューを見る
父親の仕事の赴任先のイランで生まれ、その後新しい赴任先のエジプトのカイロで幼少期を過ごした垰歩が主人公。4歳年上の問題児の姉、自由奔放でその問題児の娘と折り合いの悪い母親、そんな一家の日常を歩の視点で物語は進んでいくが、どうも私の好みに合わないようだ。この後中巻・下巻と読むのは一旦保留することにした。
投稿元:
レビューを見る
この話は、ここから先どんな展開を迎えるのか、全く想像がつかない。そもそも作品のテーマとかあらのかな?ヤコブとの別れは感動的!
投稿元:
レビューを見る
とても良いと聞いていたが、今のところはまだわからない。
この作家さんは初めての為、予測不可能。
まだまだ物語は序章だろうけど、この先どうなるのか楽しみではある(*^^*)
投稿元:
レビューを見る
おもしろいです。
お姉さんの奇っ怪な行動や 歩の当たり障りのない人でいようという行動が あぁ~わかると思ってしまう。
カイロって ミイラの国!が笑えました。
中巻も楽しみです。
投稿元:
レビューを見る
初めはアクの強い登場人物たちにやられ、読みきれるのか、と不安でしたが
読み進んで行くほどに何だか垰家の変人たちが好きになってくるから不思議。
エジプトでの生活が始まった辺りから一気読み。
ヤコブ少年と歩の友情が『精神的ホモセクシャル』と書かれており、私の知人も『少年時代の男同士の友情はホモに近いものがある』と言っていた事があったなぁ、とふと思い出し妙に納得。
男同士の友情って、昔から密かに憧れている事のひとつだったりする。
中巻へ続きます。
投稿元:
レビューを見る
iのときも思ったけれど、西さんは
大人になるまでのもやもやした気持ちとか、心を動かす些細なトゲ、嬉しい一言とか、
日常を過ごすうちに埋もれてしまうことを描写するのが、うまい気がする。
主人公の小学生時代が中心の上巻。
小学生特有の学校の派閥感や、家族の悩みとかやたらリアルでおもしろかった(かなり現実的ではないのだけれど)
続きがきになる。