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読み切りましたね。
何かに頼らざるを得ない状況。
そこが宗教なのか、人なのか。
色々と考えさせられる内容でした。
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上中巻は、感化されない普通のお話という印象。
本巻では姉の驚愕の変化、歩の葛藤そして改心が描かれ、何か心に突き刺さるものを感じた。
この自叙伝自体の存在も明らかにされ、全てが繋がりすっきりとした終わり方でした。
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あまのじゃくな男の心情なんだけど、女性が書いたからか、少し女々しすぎる。
最後に自分の小説で最初に戻る。ありがちなんだけど…
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読み終えてしまった。もう少し読みたいけど、終わり。自分の信じるものは何だろう。なんなんだ。そのために人は生きてる。
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読み始めてすぐ感じたのが、「描写が細かい」事。登場人物から風景までが容易に想像できた。文中で発生する「何故、どうして?」が遅かれ早かれ説明されているので「ここまで親切に有難う」という気持ちに。
一貫して自分の人生を生きた貴子と、他人の生にすがりながら生きた歩の30年後の違いを見せつけられた。人生で何を信じるのか。結局この本のメッセージはこれだったのではないかと思う。それぞれの主人公が何を今信じているのかを考えながらもう一度読みたい。
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家族とは、宗教とは、友人とは、信じることとは、と様々なことを考えさせられる本であり、自分のことのように感情移入して読むことができた。ラストは予想よりあっさりしたものだったが、それもまたリアリティがあって良いかもしれない。
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独自の世界観に没頭し周りを振り回し続ける姉、家族よりも自分美を探究する母、寡黙で空気のような存在になってしまった父。そんな家族を持つことで、自然と空気を読むことに長けた美青年に成長した「あゆむ」。そんな人との距離感を図り保つことで、自分自身の立ち位置を定めることが得意なあゆむが、とある事件をきっかけに、順調だったはずの人生が崩れていく。その先に見つける人生の真理とは・・・?
個性豊かな人間たちが織り成す話の展開が面白く、ついつい一気読みしてしまいました。「人生に正解は無い。信じることを自分で見つけるしかない。自分で軸を定めてこその人生。あなたの軸はなんですか?」という極めてシンプルな問いかけについては、よくよく考えたいなーと思うのでした。みんな違ってみんな良い!
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ちょっと気になっていた直木賞受賞作品「サラバ!」文庫本になったので早速読んでみた。
なんで気になっていたのかは、もう忘れてしまったが、多分、タイトルかな、「サラバ!」(^_^;)
どんな話なのか、全く知らず読み始めた。
「僕」が生まれたところから始まる、一人称の語り。読み終われば、僕は37歳になっていた。
長い。
僕の37年間を表現するには、このボリュームが必要なのはわからないでもないが、正直、中巻あたりは少し飽きた。
あまり「僕」に感情移入できなくて、共感するところもなくはないけど、それで一人称はちょっとつらい。
育ってきた時代の違いでしょうか(^_^;)
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読み終わり、とても衝撃を受けました。上・中では作者が何を伝えたいのかわからぬまま、ただその文章に引き込まれ、美少年の話だとホクホクしながら読んでいましたが、読了した今となってはそんな自分が恥ずかしい。
信じられるものを見つけること。自分自身を信じること。これを家族、恋愛、宗教、社会問題など様々な事象を絡めて、しかしとてもわかりやすく伝えてくれる小説でした。私は自分を信じて生きることができているか、これまでも、これからも、自分に問い続けようと思わせてくれました。読んでよかったです。
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姉の変貌そして姉貴子を受け入れる母の変わりように歩は怒りや困惑を覚える。それは以前の貴子の様にも見えました。
姉に不満をぶつける歩。姉を恐れていたとは思えない描写だったけど、やっと普通の姉と弟に戻れてのかなと感じました。貴子の「自分の信じるものを他人に決めさせてはいけない」の言葉は、何かを他人のせいにしてきた自分の思いと重なったり。
1980年代から3.11の震災まで宗教や信じてきた当たり前の世界が壊れてきたけど、最後に残るのは人と人の関係なんですね。そしてヤコブとの再会。肩書きや外見が変わっても、サラバの言葉ひとつであの時に戻れてしまう。リセットされた歩のその後が気になりますね。
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物語後半の、解説の又吉さんの言葉を借りるならば、それまでの立場を保てなくなった歩を見るのはつらかった。両親の離婚理由も。幸せになりたかった母と、幸せになることをやめた父。自分の、自分による、自分のための人生。サラバとは、何か。
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上巻で徐々に過去の忌々しい思い出が蘇って、全て私の胸に突き刺さり逃げ出したくなった。中巻の最後では遂に心を揺り動かされた。下巻ではお父さんとの会話の途中で歩は家族から完全に取り残された。その後の展開が巧みだ。図書館へ通うだけの静けさの中で、小説ばかり読んでいる歩は自分と物語以外のところで何かが起こっていることを知る。3.11の恐怖、そしてエジプトへ。最後に物語は今まさにあなたの生き方として問われる。私の信じるものは何か、私の信じるものは何か、何度も自分に問う。私は自分の時間の化け物を洗いざらい書き出そうと思う。そして「私の信じるものは何か」を見つけたい。
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すごいものを読んでしまった…と読後に茫然とした。
ひとりの男の生まれてから青年までの自叙伝的物語。
黒い感情もそのままに赤裸々に語られる。
そこに物語的な甘さはなく、むしろ苦いくらい。
でもだからこそ強烈に惹きつけられた。
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最後は一気読み。読むのが辛くなる部分もあった。
変わった行動をとり続ける姉だったが、悩み苦しんだ結果、信じるものを見つけて安定を得る。そして、その姉に指摘されることで、語り手である主人公も同様の悩みを抱えていることに気づかされる。
また、両親も。
家族を描く小説だったが、下巻に来て、それ以前の生きることの意味を問う壮大な物語であることに気付かされた。
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読んでいてひたすら苦しかった下巻。持ち前の容姿によって得をすることを恥ずかしく思っていた歩だったが、実際にその容姿を失うと途端に自信を失い今までの自分を保つことができなくなった。あらすじに「ある出来事」をきっかけに変わっていく歩とあったが、まさか禿げることだとは思わなかった。ただなにか大事件が起こったわけではなく誰にでもありえることだからこそ、リアリティーがあり読むのが辛かった。
下巻の歩は一言で言うとクズだ。肩書きも若きイケメンで新進気鋭のフリーライターから、ひどい言い方をすれば37歳の無職、禿げ、デブに変わってしまう。何をするにも人任せで、ひたすら自分は悪くないと思い、人を自分より下に見ることで安心を得る。それでも読んでしまうのは、そのクズな歩とどこか重なるところを誰しもが必ず持っているからだと思う。西加奈子は本当に人の醜い感情を描くのが上手い。読んで楽しい本ではないかもしれないが、いま読むことができてよかった。