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夢中で走り続けたら、ここまで辿り着いていた、というのが私の感想だ。終盤の株式上場まで苦悩の連続であった。読んでるこちらも辛かった。フィル氏は走り続けるし、途中で振り返って悦に入ることをしない。彼の言う「運」は実在すると思う。経営者には欠かせない要素の一つである。登場人物の中で、侍アイスマン・イトーと、情熱の男スメラギが個人的には大好きだ。登場人物全員が人間くさくてカッコいい。
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たちばな書店の紹介文を読んだ段階では「スポーツには興味ないしな…翻訳もの苦手だし…」とあまり興味が持てなかった。ところが、ビジネス書を買うならここ! と決めている好きな本屋に行くと売上ランキング2位の棚にこの本が置いてあり、「2017年最高のビジネス書」というポップがつけられている。急に魅力的に思えた。そのころの私はちょうど、「売れてる本には売れてる理由があるし、自分では手に取らないような本をミーハーに読んでみたい」と思っていた時期だったので、「2位」「2017年最高」の文字にホイホイ釣られたのである。
まず読みやすさにびっくりした。翻訳がうまいのもあるだろうけど、フィル・ナイト氏の文章力がすばらしいんだと思う。ユーモアにあふれていて、疾走感があって、自伝というより小説みたいだ。おかげで翻訳ものに対する苦手意識が薄らいだ気がする。
小説みたい、と感じた理由は内容の波乱万丈っぷりにもある。ビジネス書というと成功体験ばかり書いているものがほとんどだけど、この本に出てくる人たちはみんなめちゃくちゃ失敗をする。ギリギリの綱渡りをしたり、トラブルから死にもの狂いで逃げ切ったりもする。とてもスムーズとはいえないけど、でもずっと必死で、全力で、泥だらけになりながら熱中している。そういう姿がかっこいいなと思った。
病的なほど靴づくりに熱中して靴に身を捧げている人のことを「シュードッグ」と呼ぶらしい。その言葉がめちゃくちゃかっこよくて好きだと思った。人の熱狂とか熱中とか心酔とかを表現した言葉って全部好きだ。
【読んだ目的・理由】売れてそうだったから
【入手経路】買った
【詳細評価】☆4.0
【一番好きな表現】
入っていたのは12足のシューズで、クリーム色で側面に青のラインが縦に入っている。なんと美しいのだろう。美しいというだけでは言い足りない。フィレンツェやパリでもこれを超えるものにお目にかかったことはない。大理石の台座に置いたり、金縁の中に入れたりして飾りたい気分だった。掲げて光に照らし、聖なる物であるかのように抱きしめた。作家が真新しいノートに触れたり、野球選手がバットに触れたりするようなものだ(本文より引用)
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ナイキの創始者フィル・ナイトの自伝。日本とのつながり、NIKEの始まり、靴LOVEの人たち。面白く、読みやすかった。「競争のコツは忘れることだ」、「負け犬だけれど、力を合わせて勝つことができる」とか教訓にもなったな。「他人がより充実した人生を送る手助け」をするために前に前に進んで行った人なんだなあ。大きなことをする人はやはり止まらず熱い思いとともに進んでいくんだな、何があっても。
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概要
ナイキの創業者フィルナイトが、陸上から創業して株式上場をするまでの変遷の人生。
走り続けること、行動力の大切さ。
印象的だったこと
・勝つこととは、負けずに生き延びる以上のこと
・負け犬も力を合わせれば勝つことができる(最高の人生「自分の価値は、自分の周りの人の価値で決まる」)
・無条件で信じてくれる親の大切さ(8000ドルが1600万ドルにして返せたこと)(→りょーとさんから「人生の幸福度は、家族・恋人・友人社会・自分から自分へのベクトルで決まる」という話で、家族ってそんなに重要か?って疑問だったけど、これを読んで大切なんだと感じた)
・メンバーには、失敗してもいいから伸び伸びとさせた
・ビジネスとは、お金を稼ぐこと以上のことである。想像して、世の中に貢献して、声高に宣誓すること
ペア読書をやった感想
→他の人は、
・初期のアンバサダー、ビジョン売りマーケティングの重要性(江藤さんのnoteに近い内容)
・何事もとりあえずやって見て、ビジョンは後付けなのでは
という自分は気づかなかった観点があった
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ベンチャー企業の本質ってこれなのかぁを実感。
キラキラしてるイノベーターたちはいつも、確かに現金もたずに、ギリギリレバレッジかけて夢追いかけてるなぁ
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ナイキの創業者フィル・ナイトの自伝。面白くて引き込まれる。
世界旅行を思い立ち、後にその販売代理店としてビジネスを始めるオニツカ(現アシックス)に立ち寄った1962年から始まる。そこから株式を公開する1980年までの濃密な一年一年をそのときの心情を再現するようにさらに濃密に語る。伝説の経営者ではあるが、そこにはほとんど泥臭い物語しかない。危機は次から次へと訪れる。彼は悩む。そうすべきではなかったという後悔があふれている。決断をするということは、後悔をするということでもある。あのナイキでさえ成長企業としての在庫と資金調達の問題に振り回されている。ナイキへの印象が変わった。
1962年に「ここがすべての始まりだ」と言ったアテネのアクロポリスの丘でパルテノン神殿の横に立つアテナ・ニケ(Nike)神殿。勝利を意味するこの言葉が後にナイキ(NIKE)という彼の会社の名前となる。ただしナイキという名前については彼は気に入っていなかったようで、当初はディメンション・シックスという名前を押していたという。
あの有名なロゴが決まる場面についても合議を重ねた様が描かれている。35ドルでデザインされたナイキのロゴ。こちらもフィル・ナイトは最初は気に入っていなかったようだ。「とりあえず時間がないから、これにしよう」と言ったらしい。ナイキの成功は、決してフィル・ナイトの独断とセンスで決まってきたものではなかった。シューズに対する愛と、成功するという強い信念によってなされたものだった。
「ナイキはシューズ以上の存在だ。私はもはやナイキを作った人間ではない。ナイキが私を作っているのだ」とフィル・ナイトはいう。
「臆病者が何かを始めたためしはなく、弱者は途中で息絶え、残ったのは私たちだけ。私たちだけだ」
と書かれた文を読むとき、歩まれた道のりの長さを感じ取ることができる。
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それにしても日商岩井のスメラギとイトーは恰好良すぎる。日商岩井がナイキを救ったのだ。
「スメラギは、イトーの前で今にも土下座しそうな勢いで、自分が単独でやったことで、会社をだましていたと断言してくれた。「なぜそんなことをしたんだ」とイトーは聞いた。「ブルーリボンが大成功すると思ったからです」...フィル・ナイト氏とは何度もトレイル・ブレイザーズの試合に行きました。倉庫で荷造りも手伝いました。ナイキは私にとって我が子のようなものです。我が子の成長を見るのはいつだってうれしいものです。
「それでは君がインボイスを隠したのは……つまり……彼らのことが好きだからというわけか」
非常にバツが悪そうにスメラギは頭を下げた。「はい」と言った。「はい」と。」
そしてイトーはナイキを苦しめていた地場の銀行に対して次のように告げる。この本の山場のひとつだ。
「彼は直ちに本題に入った。忌々しい本題に。彼はホランドしか相手にしていなかったが「みなさん」と前置きした。「私の理解では、ブルーリボンとの取引を今後は拒否するそうですが」
ホランドはうなずいた。「そのとおりです。ミスター・イトー」
「それならば日商がブルーリボンの借金を返済します。全額」
最後に「20代半ばの若者に言いたいのは、仕事や志す道を決めつけるなということだ。天職を追い求めてほしい。天職とはどういうものかわからずとも、探すのだ。天職を追い求めることによって、疲労にも耐えられ、失意をも燃料とし、これまで感じられなかった高揚感をえられる」と言う。そう言われたときに、自分の子供たちはどうだろうか、と思う歳になった。そして、自分は天職を探そうとしていただろうか、と。
筆者や他の仲間の不器用な熱い思いが伝わり面白いが、それだけに自らに振り返って胸に刺さるものもある。
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びっくりの連続。
NIKEと日本のつながり、
NIKEが常にトラブルの中で成長してきたこと、
そしてなによりも
NIKEの歴史がそれほど古くなかったこと!
物心ついた時からNIKEがあって、
靴売り場には堂々NIKEが鎮座していて、
ずーっと昔からNIKEは存在していたのだと
勝手に思い込んでいた。
違った!
それを知れたことが嬉しい!
今、行ってるジム、皆NIKE履いている。
そうなるまでにいろいろな闘いがあったのかと思うと、
あの光景も感慨深いわ。
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前半の、世界を旅するところが面白かった。
フィル・ナイトは、お坊ちゃんだよねえ。
お父さんはハングリー精神で成り上がった人だけど。
後半はちょっとつまんなかった。
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★2018年3月31日読了『Shoe Dog 靴にすべてを。 』Phil Knight著 評価A
今や世界の大スポーツメーカーとなったナイキ創業者のフィル・ナイト氏の自叙伝。
さすがに第三者が描くのとは違う大迫力の新規ビジネス立上げの成功物語。
シュードッグとは、靴の製造、販売、輸入、デザインなどすべてに身を捧げる人間のこと。P265
この成功話の裏にはほぼ99、99999%の失敗がある。それらの失敗と稀有な成功を分けるのは、ほんのすこしの差しかないかもしれないと思う。話の中に出てくるちょっとした思いつき、人とのの出会い、タイミングでビジネスの成否が分かれていたように思える。
印象的だったのは、とにかく彼のビジネスに日本が非常に大きく関わっていたことだ。
1 . 現アシックスの当時オニツカ・タイガーの米国代理店業務がナイト氏のビジネスの起点ブルーリボン社であったこと。
2 . オレゴン州という米国では田舎の僻地からビジネスをスタートしていたこと
3 . 創業当初から会社の成長が早すぎて、資金繰りがつかず、常に日本の総合商社である日商岩井が誠実に資金的サポートを行っていたこと。
4 . Bad face(ダメ男)と自らを呼んでいたナイキ社創業の仲間達のあけすけで分け隔てないコミュニケーションと強い一致した意志が会社の危機を何度も救ったこと。オニツカからの独立、銀行の融資引き上げ、アメリカ関税当局の突然の2500万ドルもの輸入関税付加通知、海外工場での不当労働行為など。
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起業の初期は、ハッタリや勢いの契約やサービスローンチによって、始められていく。それらは信念に依拠しており、信念は資金の使い方や調達方法(上場するかどうか)などの決定の礎になってきた。信念をもって、エネルギッシュに、人を巻き込みながら、小さくスタートするのが、良いと学んだ。
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オニツカタイガーをパクってナイキを作った。
夢にニケが出てきてナイキの名前にした。
くらいの有名エピソードは知っていたが、ゼロから圧倒的なトップスポーツブランドを作り上げた自伝でめちゃくちゃおもしろい!!
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ビジネス書のコーナーに平積みされているので、ビジネスノウハウを体系化して伝える系の本なのかと思うじゃないですか。
意識高い系がみんな読んでる。
ところがどっこい、こいつは凄くよくできた自叙伝で、ある種ビジネスノウハウより大事なことを教えてくれます。
ビジネスの根幹にあるべきこころの部分というか。
とにかく文章がうまい(翻訳だけど)。作家でもないのになんなんだこの人は。
若々しく怒り、葛藤し、迷い続け、のたうち回る日々が少しずつ実を結んで、
今やひとつの企業を越え文化となったNIKEブランドが築き上げられていくのですが、
最後の章になって初めて物語の主人公、フィル・ナイトが実際には80歳を超えたおじいさんであることに気付かされる。
いや、この人の心はいまだ若い頃のままなのかもしれないな。
じゃなきゃこんな文章書けないだろうと。これが80歳の感性なのかと。
経営としては非合理とも思える決断をどんどんしていくのだけど
いまのNIKEを見て誰が文句を言えようか。
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フィルナイトの書いたNIKE創業秘話であるが、スポーツ好きの青年が一生懸命靴を売ろうとして困難を乗り越えるうちに、良い仲間、生涯の伴侶や得意先と出会い、儲けしか頭にないビジネスマンや規制担当者、資金繰り、を乗り越えてNikeの靴を生み出して、それをアスリートに広めていくところまでを描く爽やかな青春活劇。airjordanといったさらにグローバル化していく姿は最後に触れられる程度。
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アディダスやナイキなどのスポーツブランドが好きなので、本屋で見つけて即ゲット!
真偽はさておき、エッセイとしては赤裸々にナイキを綴ってくれているので読み応えあります。
フィル・ナイト、ひたすらに熱くクレバーで合理的、こうゆう人はビジネスで成功しない訳がない。
そして少しショック、ナイキはクリェイテブを求めていなくて利益とビジネスバリューをひたすら追い求めて、その結果を出して今に至るんだなと。。。結構好きなデザイン多いんですが、それらは利益をひたすらに追従して出来上がったものうちのたまたま1つなんですね。
最後に人に感謝な記載がありますが、あんたのせいで心に一生の傷を受けました、って人が少なからず大量にいると思ったりもしたり。
ちょっとナイキが嫌いになりましたが、さくっと読める熱い本なので、スポーツブランド好きな若者は読むべきでしょう!
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オニツカがあってナイキが生まれ、オニツカと敵対してそれを助けたのが日商岩井という、ナイキと日本と関わりがこれ程深かったのかと驚きの連続。
順風満帆に大きくなる企業なんでない。何度も失敗し、死にたくなるような苦労を経験している。まさに創業者フィル ナイトもそう。
まさに運、勝利の女神ニケに愛されたのか、何度もの倒産の危機を迎えながら勝ち抜く強さ、危機の度に勝利を導く人に出会える強さ、企業を成功に導くのは究極としては運なんだと。
決して性格のいい人間でないのは本書から十分伝わってくる。あのナイキの創業者であろうが、ようは普通の人間なんだと。
今後自分にとっても幾度となく重要な決断をしていかなければならない中で、彼の様に命がけで問題にぶつかっていけばいつかニケに好かれるのだろうか。そんな夢を感じさせてくれる経営者必読の本。